• ダークポップダンスアイドルユニット・クロスノエシス、最後のアルバムと現在の想いを語る
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2023.04.30

ダークポップダンスアイドルユニット・クロスノエシス、最後のアルバムと現在の想いを語る

ダークポックダンスアイドルユニット・クロスノエシス。左から、AMEBA、MAI、FLAME、RISA、LAKE。



◆ここ数年のクロノスのライブについて◆

ーークロスノエシスのワンマンライブというと、Spotify O-EASTでの4thワンマン『blank』(2021年12月21日)がひとつの到達点のような気がしています。あのステージには驚きました。

sayshine あのライブから、本当にやりたいことをやるようになりましたね。それまで、やりたいことをやらなかったわけじゃないんですが、どこか普通というか、大衆受けを考えたほうがいいのか…と悩んでいたんですね。4thワンマンからは、やりたいことを全力でやると舵を切りました。

ーーなるほど、そうなんですね。なんだか様子がおかしかったじゃないですか? オープニングが途中に入ってきたり、ライブ後に公開されたセットリストが違っていたり…。

sayshine ああ、あの時は、ループ期間中だったんですよ。

ーーあのライブを作り上げたsayshineさんは、相当大変だったのではないかと思っているのですが…。

sayshine 覚えてないんですよ。大変だった時の記憶ってなくなるといいますけど、それだと思います。

FLAME あのライブの前は、sayshineさん本当に壊れちゃうんじゃないかと思っていました。

sayshine でも、そういうほうが、いいライブが作れるんですよね。

メンバー全員 (笑)

FLAME 追い込まれた方が…というタイプですよね。でもあのワンマンは、わたしは楽しかったです。自分たちのライブを、生で観てみたいと本当に思ったライブでした。

AMEBA 初お披露目の曲もたくさんあったり、大変だったのは覚えています。

LAKE 5人での『seed』もお披露目だったよね。最初出てきて、ポーズ取った時のお客さんのざわめきを覚えています。本当にわたしたちがやりたいことをやって、クロスノエシスを見せつけられたんじゃないかと思います。

RISA わたしはsayshineさんと同じで、あんまり覚えていないんですよ。それまでで最大級の会場で、自分たちのライブにたくさんの人が携わってくれているから、アイドルというか1人の人間として、プレッシャーは感じていましたね。

MAI わたしもあんまり覚えてない勢ですね(笑)。自分の感情を感じるより前に、やることを覚えていくのにいっぱいいっぱいで。

LAKE やることも覚えることも多すぎて、ステージというものに一番向き合ったライブだったんじゃないかな。

MAI それに正直、O-EASTガラガラなんじゃないかと思っていたんですよ。でもステージに出たら、お客さんで客席が埋まっていて、うちらO-EASTでちゃんとライブしてる! と感じたんです。始まってから、怖さが楽しさに変わったのは覚えています。

ーーそのあとはアルバム『circle』の発売を挟んで、ツアー『3rd anniversary tour“0”』が始まります。恵比寿LIQUIDROOMでのファイナル(2022年5月27日)は、アルバム曲も多く、照明も映像も凄かったですが、一番印象に残っているのがアンコールでの幕が降りたままでのパフォーマンスでした。

全員 (笑)

FLAME そうでした(笑)。幕が閉まっていても、わたしたちはいつも通りにやっていたんですよ。

LAKE 全力でライブをやっていたよね。

FLAME わたしたち的には普通にやっていたから、すっかり忘れていました!

sayshine メンバーも、照明さんもいつも通りにばっちりやっていました。

LAKE あとからお客さんに、なんで幕が閉まってたのかとかいっぱい聞かれました(笑)。

ーー本当に初めての体験で、踊っている気配は感じるけど、本当にメンバーは幕の向こうにいるのか、本当はいないんじゃないのかとか、幕が開くまでは両方の可能性があるとか、シュレディンガーの猫みたいなことを考えていました。

sayshine …そう感じたなら、それが正解です。

全員 (笑)

ーーそのあとはYouTubeで配信されたスタジオライブ『entity』(2022年10月28日)がありました。あれも、sayshineさんのやりたいことをやったのかなと思っています。曲中で衣装が変わるとか、次の曲で衣装が変わるとか。

sayshine まさにそうで『awake』の「何度でも色づいた」という歌詞で、白衣装から色のついた衣装に、セーラームーンみたいに変えたかったんです。

ーー映像だからできる、sayshineさんの考える理想のライブという感じなんでしょうか?

sayshine そうですね。いつものスタッフで、そういうライブをやってみたいと思って作りました。

MAI いつものスタッフさんに加えて、それぞれの部門でスタッフさん増えていて、さらに撮影スタッフのみなさんもいるので、ものすごい数の人が参加してくれていて、びっくりしました。

LAKE みなさんの熱意も凄くて、1曲を何度も撮ったりして、普段のワンマンライブ以上に体力を使いました。

RISA クロノスのライブって映像みたいだとよく言われるんですけど、本当に映像にすると、より完ぺきにできて、映像の中に閉じ込められたみたいな感覚になりましたね。

ーーそして今年に入って5thワンマンライブ『salvations』は、歌を聴かせてダンスを見せるというような、これまたまったく違うライブでした。

RISA 1年ちょっと前の4thワンマンで、これだけ自分たちはやれる、これだけのお客さんが見にきてくれるということを実感できたんで、自信を持つことができました。だから5thワンマンは、受け止めてくれるお客さんに向けて、自分たちの実力を見せつけるというライブでした。

ーー一番高いS席のお客さんが、かなり多かったのには驚きました。

FLAME ちゃんと予定を開けて、高いチケットを買って、この日はクロノスを観る日だと決めてきてくれるお客さんが、たくさんいて…ありがたい気持ちはもちろんありますけど、それに見合うパフォーマンスをするために毎日レッスンを重ねて、1曲1曲の練度を上げてライブに挑みました。

AMEBA ストレートなライブと言われがちでしたが、セトリの流れにはちゃんとストーリーはあったと思います。

RISA 『3rd anniversary tour“0”』を経て、ステージの演出に頼らないパフォーマンスはできたんじゃないかなと思います。

sayshine 会場のキネマ倶楽部自体が歴史と世界観のある場所じゃないですか。だからそこで、シンプルなクロノスのライブをしたいと思いました。

FLAME 特徴でもあるサブステージをどう使うのかと、想像していたお客さんはいたみたいですけど、それも使わず、わたしたちのパフォーマンスだけを見せるライブでした。

◆そして5人はラストライブへ…◆

ーーそれを経て、5月20日のラストライブ、4th anniversary one man live『plant』があるわけですが、最近対バンや定期公演などでステージを観るごとに、どんどん完成度が上がっていて、どこまでいっちゃうのかと思っています! みなさんはラストライブに向けて、現在どのように考えているのかを最後にお聞かせください。

RISA 終わることに重きを置く…みたいなsayshineさんの死生観に影響されているのかもしれないですけど、自分もいまそういう考えなんです。ステージを褒めていただいて嬉しいですし、今を一番よくしたいとはずっと思っていますけど、物語の終わりに最高のものを見せたいんです。昔の有名な作曲家も、死後になってから評価された人は多いですよね。アイドルグループも同じだと、自分は勝手に思っていて、ライブ活動が終わるからクロノスがすべて終わるわけではないですし、だったら一番いい状態で終わりたいんです。今後もクロノスの音楽に出会ってくれる人がいると思うので、クロノスという作品を残すため、なにができるのかを考えながら、新曲の完成度を高めていこうとしていますね。

FLAME 尻すぼみにはなりたくなかったので、5月20日で終わりって自分たちで決めました。決めたからには、ずっと最高値を更新していきたいです。でも終わるからといって、これまでと違うマインドにはなりたくないんです。これまで通り、できる限りの、最大限のパフォーマンスを見せるために、日々のライブもレッスンもがんばり続けています。ラストまで、みなさんよろしくお願いします。

MAI わたしは1回アイドルを辞めて、表に出ない生活をしていた時期もあるんですが、その時に感じたのは、自分たちが与えたものも、与えたもらったものも、記憶にあるものも、過去にあったことも消えないし、思い出せない瞬間はあっても、なくなることって本当にないんだということなんです。だから、終っちゃっても消えるわけじゃないというのが自分の中に強くあります。5月20日までに、みなさんに与えられるものはすべて与えたい、できる限りのことをすべてしたいんです。メンバーみんな、同じ気持ちでいるのも嬉しいですね。レッスンしていて、いまだに初期の曲でもここはこうしたほうがいいんじゃないかとか話し合ったりしてますし、ラストだから手を抜くなんて人はいないし、共通意識を持って、ラストに向かえています。5月20日以降も、みなさんの人生を救える存在でいられれるといいなと、思っています。

LAKE 頭では理解しているんですけど、終わるということが実感できていないのが正直なところです。最後の○○みたいなのもどんどんやってくるんですけど、クロスノエシスでの4年間がわたしの日常になりすぎていて、ラストライブの後、もうクロノスのライブがない…という実感がないんです。でもわたしがこうして存在しているのは、ファンのみなさんのおかげですし、わたしがここにいたというのを残せるのも、みなさんのおかげだと思っています。大切なみなさんに最後まで愛を伝え続けます。
今後の人生で、ふとした瞬間にみなさんが私たちのことを思い出せるような、そんな心の支えになりたいと思っています。
その気持ちを持って、最後まで活動していきたいと思います。

AMEBA わたしはアイドルを始めた時から、終わる時は一番綺麗な状態で終わりたいとずっと思っていました。5人になったクロスノエシスが、5人のままで最後を迎えられる。わたしはいまのこの5人のパフォーマンスが、一番綺麗な状態だと思っています。そんな状態で終われるのが嬉しいんです。自分はアイドル向いていないとずっと思っていて、でもステージで表現するのは大好きで…そんなわたしが、クロスノエシスというひとつの命がはじまって終わるまで立ち会うことができてよかった。みなさんの心に残るような存在になりたいので、最後に最高のライブで終わりたいと思っています。

ーーでは最後、sayshineさんお願いします。

sayshine ついこの間のライブのステージでも、ずっと上手くできていなかったところができるようになったりしていて、いまだに5人は成長しているんですよ。本当にこの5人がいまでも上を目指し続けているんだと、僕も実感しています。そういう5人を、できるだけ観て欲しいです。ラストライブに関しては、今作っているところですが、アンコールはありません。自分たちも一瞬一瞬を大切にしていきますので、みなさんも一瞬一瞬を大切に、見逃さないようにして欲しいです。

アニメージュプラス編集部

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