• ドラマ『推し武道』めいぷる劇中歌:渡辺翔に聞く!いちファンとしてライブが見たい!
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2022.12.19

ドラマ『推し武道』めいぷる劇中歌:渡辺翔に聞く!いちファンとしてライブが見たい!

(C)平尾アウリ・徳間書店/「推しが武道館いってくれたら死ぬ」製作委員会・ABC



◆“ながら” では降りてこない◆

——先程机に向かって書くことが多いとおっしゃっていましたが、ルーティンなどはありますか。

渡辺 ルーティンはあるかもしれないですね。1日考える時間を絶対作るというのはルーティンに入るのでしょうか。1曲につき、1日考えてその日のうちに作り出さないというのは決めています。締め切りが近いからと焦って書き出しても、良かったことがあまりないですね。1度考える時間を作って頭の中でまとめる作業は必要です。それをしなくても曲はできますが、満足度が低いというか、自分の曲に自分の理解が追いついていないときがあるんですよ。だからしっかりと1日かけていろいろな曲を聞いて、アイデア出しを全部テキストに書き込む作業をしますね。

——歌詞に関してはいかがでしょう。

渡辺 詞も曲ほどではないにしても、似たようなことをやります。サビ頭で超印象的なことを最初から入れたいと決め込んで楽曲を作るときは、歌詞を先にめちゃくちゃ考えたりします。メロディよりも強い言葉で聞かせる楽曲にしたいときは、まずその単語だったり文章をひたすら1日考えていたり。それが決まってから、初めてサウンドはこのほうがいいなっていうときもあるので。やっぱりまず考える作業は確実に毎回やっていますね。

——考えるときは、何かをやりながらですか。

渡辺 ほぼずっとパソコンにかじりついています。10年以上やっていると、自分の思考と自分のアイデアに飽きちゃうんです。新しい人とか音楽から着想を得ることが多いですが、この仕事はきっと、好きな音楽が出てこなくなったらやってられないと思うんです。まずは好きな音楽を見つけることをしたいので、パソコンでSpotifyの海を巡っていたり、YouTubeの海を巡っています。だからなにか動いている間や、スポーツしている間に、というのはないかもしれません。

——やっぱり音に触れつつなんですね。

渡辺 アンテナや感度を高める作業が、その中に含まれているので。多分みんなも自然にやっていることだと思うので、普通のことだと思います。

寺田 “ながら” 派の方もいるじゃないですか。散歩をしながらとか、サウナに行きながらとか。

渡辺 確かにその気持ちはわかります。ただ僕がそれをやるときには半分言い訳なんですよね。自分の場合ですが、サウナに行きたいからサウナに行って考えようかなとか、多分家で考えているほうが効率がいいなと思いながらドライブをするとか。仕事のことを考えるのがメインではなくなってしまうんです。

寺田 なるほど。反対に“ながら” じゃないとアイデアが出ないという方もいますよね。机に向かっているだけだと何も出ないという。

——煮詰まっちゃいそうですね。

渡辺 そんなときもあります。最後まで答えが出ないときとか。そういうときは1回映画を見るとかもあります。歌詞も、数週間全然出てこないような状態になったら、「青春映画見よう!」みたいな。十代の感覚とかもう忘れているというか、忘れているまではいかずとも、一旦閉まっているドアを開けるためにそういうものを見たり。自分の記憶をフラッシュバックさせて十代の頃の感覚を開けるということを歌詞ではやるかもしれないですね。

——言い方変ですが、すっごく真面目な印象です(笑)。

渡辺 真面目(笑)。そうですね。さっきお話したようにとにかく憑依させたいタイプなので、降霊に時間がかかるということですかね。メロディでも、いろいろな方の癖を頭に入れてから憑依させたいタイプです。いいなと思った歌手の手癖は全部頭の中に入れて、それを小出しにというか、自由自在に出せるように反復練習じゃないですが、曲を書きながらいろいろ試しています。

寺田 “ながら” では降りてこないんですね。

渡辺 “ながら” ではそれは降りてこないですね。ちゃんと音符で全部書き出して、なるほどこの方はこういう特徴があるんだとか、こう動いたらこういうパターンが多いなとかを確認しています。もちろん1曲全部そのままやってしまうとただのパクリになってしまうので、特徴だけを見つける感じですかね。楽しいからやっているところもありますが、それによって歌詞もメロディでいろいろなニュアンスが出せると思っています。

——YouTubeや音楽に触れることでいろいろめぐるんですね。

渡辺 それによって忘れていることもちゃんと思い出せますね。自分の脳と感覚をあまり信じていないので、いろいろと思い出すことがあります。でも、何かをやりながら思いついたら、出会いのような感覚でそれはそれで楽しいだろうなとも思います。ただ僕は見つけに行って見つけられる感じがしないので、だったら真っ当に音楽と向き合って探しにいったほうが答えにたどり着きやすいかなと思うんです。

——理系のご出身ですか。

渡辺 文系です。とりあえずなんとなく文系に進む人も多いと思うんですが、どちらがむいていたのか未だにわからないですね。数学は赤点を取るぐうらいのときもあったのですが、それで留年しそうになったときに先生に教えてもらって、次のテストで96点まで跳ね上がったりしたことはあったので。もしかしたら得意なのかもしれないですね(笑)。

——思考が理詰めな印象です。最後に記事を読んで頂く読者、『推し武道』のファンにメッセージをお願いします。

渡辺 僕もどちらかと言うとファン側のコメントになってしまいますが、どこかでライブやってください! 見たいです!

寺田 『@スイーティー』のパフォーマンスも見たいですよね。『Clover wish』も機会があれば、初期からChamJamを推してきたファンがものすごく泣けるライブになるのではと思います(笑)。

渡辺 みんながジーンと感動しているところも見たいですね。


渡辺翔プロフィール】
ROCKやR&B、アイドル向けなどジャンルにとらわれないメロディーと作詞センスが各方面で評価されるヒットクリエイター。LiSA『crossing field』『oath sign』『だってアタシのヒーロー。』、TrySail『l whiz』、三森すずこ『ユニバーページ』、 ClariS『コネクト』等、多数の大ヒット曲を手掛けている。

寺田悠輔音楽プロデューサー プロフィール】
ポニーキャニオン所属。<担当作>TVアニメ『推しが武道館いってくれたら死ぬ』(プロデューサー/音楽プロデューサー)、TVアニメ『東京リベンジャーズ』(音楽プロデューサー)、実写映画『君は放課後インソムニア』(プロデューサー/音楽プロデューサー)ほか

※「めいぷる・どーる」の「・」はハートです。
(C)平尾アウリ・徳間書店/「推しが武道館いってくれたら死ぬ」製作委員会・ABC

文/アニメージュプラス編集部

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