ドラマ『推し武道』めいぷる劇中歌：渡辺翔に聞く！いちファンとしてライブが見たい！

——『Clover wish』のアレンジについても教えてください。

渡辺　こちらは倉内達矢さんにお願いしたのですが、あまり悩まず、彼しかいないと思った記憶があります。ストリングスの表現の仕方が素晴らしい方で。僕はストリングスが大好きで、エモいというと雑な言い回しに感じますが、尊い感じが出せるなと思ったので、倉内さんにお願いしました。
一旦いろいろとやっていただいたところ、ちょっとアーティスティックな印象が強かったので、『＠スイ—ティー』のように階段を降りる作業をしていただきました。歌詞をわかりやすく聞かせたいときに難しいことをするとちょっと入ってきづらくなるので、その要素を取り除いていただいて。最終的には結構シンプル目にストリングスとコードとメロディと歌詞がすっと入ってくるアレンジにしていただきました。

——曲を作られる時に、7人の歌割りも考えながら作るのでしょうか。

渡辺　『Clover wish』の歌割りは確か人の指定まではしていないですが、ここから次の人に切り替わります、みたいなことは僕のほうで決めさせてもらった気がします。サビ前のひと言は交代で歌ってほしいですとか、そういう資料は作ってお渡しした記憶がありますね。

寺田　『Clover wish』は1番が前列メインで、2番が後列メインですよね。なのでテレビサイズだけ聴いていると前列が目立つのですが、フルサイズで聞いてもらえれば、後列推しの人にも楽しんでもらえると思います。全体の割り方バランス、すごく素敵でした。

渡辺　ありがとうございます。Dメロもクロスで、どんどん交代しながら違うメンバーに「君のために　君のために」という同じ歌詞を歌わせたかったんです。後半は人数的な都合もあって、ふたりずつになってしまいますが（笑）。

寺田　そこもリアルでいいですよね。実際にそういう人気の順だったらそういう割り振りになるだろうなって（笑）。

渡辺　あのパートは絶対ライブで盛り上がると思ったんですよ。メンバーが代わる代わる「君のために」って歌ったら絶対に嬉しいだろうなって。

——キャストのボーカルの印象はいかがでしょうか。

渡辺　全員のレコーディングには参加できなかったのですが、やっぱり皆さんうまいなと。僕は声優さんたちは皆さん基本的に上手いと思っていて、この時も僕からは何も言っていないのですが、キャラソンなんだけどキャラソンになってないのがいいなって思いました。キャラソンですが、劇中のアイドルグループの曲なんだということが、歌声でちゃんと昇華されていて。声優さん独特の耳を引っ張ってくれる声とはまた違うユニゾン感と声色で、みなさんに歌っていただきました。

寺田　未来のChamの曲です、みたいな話はしていたので、そこから着想を得てそうしてくれていたのかもしれないです。『ずっと ChamJam』とかはいわゆるキャラソン的なものを目指していましたが。

——声優さんってすごいですね。自分の声ではなくて、キャラクターで歌うんですよね。

渡辺　キャラクターで歌いつつ、またそのキャラクターがアイドルとして歌っているんです。普通のキャラソンは、多分キャラクターの普通にしゃべっている声で歌うんですが、今回はそうではないんですよね。キャラクターの声だけど、このキャラクターが歌を歌ったらどんな歌声になるんだろうっていう発想で歌っていただいたんだろうなと。

——すごい技術ですよね。自分がわからなくなりそう。

渡辺　あとOPの映像を楽曲に合わせていただいたのが嬉しかったですね。

寺田　めちゃめちゃ歌詞に合っていましたよね。絵も綺麗でした。

渡辺　あそこまで合わせていただくとちょっと恥ずかしくもなりました（笑）。

※「めいぷる・どーる」の「・」はハートです。
（C）平尾アウリ･徳間書店／推し武道製作委員会