隊長＆副隊長の最大の敵は……？　『ウルトラマンデッカー』黄川田雅哉×宮澤佐江対談

◆同じ作品をつくる仲間として◆

――役柄的にも俳優としても後輩にあたる松本さん、村山さん、大地さんに対して、どのように接しようと考えていましたか？

黄川田　コミュニケーションをいっぱい取りたいなと思っていました。

宮澤　私も。

黄川田　僕は一つの作品を一緒に作る仲間だと思っていて。見本になるとか教えるとかいうより、彼らの年代の子たちが今、何が楽しくて何がつらいのかを共有するために、なるべく話す時間をつくるようにしました。初めは意識してコミュニケーションを取っていたところもありましたが、みんな本当にいい子たちで、途中からはそんなこともなく。

宮澤　楽しかった、最後まで。

黄川田　みんな佐江ちゃんはお姉さんだと思っているのかもしれないですが、僕には同い年くらいの感覚で接しているような気がして（笑）。でも、それが気持ち的に楽で、いい空気だと思いました。

宮澤　私は逆だと思いますよ（笑）。「雅哉さんにはそんなこと言えません」って話している場面が多かった気がします。

黄川田　本当？

宮澤　私がフランクに雅哉さんに接した時に「同じことやりなよ」と言ったら、「できないですよ」って言われることが結構あって。

黄川田　ええ、そうなの。ちょっと意外。

宮澤　ずっとグループで活動してきたので、作品づくりは絶対にワンチームでなければいけないなと、私も思っていました。苦楽をともに過ごして乗り越えるという意志がなければ、撮影が終わった時の感動が共有できないなと。今のお話を聞いて、雅哉さんと全く同じ気持ちで接していたんだと感じています。



――ウルトラマンシリーズは各話に監督の個性が色濃く出ることも特徴ですが、特に印象に残っている方を挙げるとしたらどなたでしょうか？

黄川田　皆さん印象的なんですよね。武居監督の回はメイン監督ということもあって、ちょっとピリッとした空気になるんです。監督が意識されていたのかはわからないですが、長期間の撮影でダレないようにしてくださったのかなと。辻本（貴則）監督は柔らかな雰囲気の現場になるよう心がけていたように思いますし、坂本（浩一）監督はとにかくアクションに力が入っていて。越（知靖）監督は「ほかの監督に負けたくない！」「一番いい作品をつくるんだ！」という姿勢が素敵だなと。皆さんそれぞれ違った気合の入れ方をされているんです。
※辻本監督の「辻」のしんにょうは点が１つが正しい表記です。

宮澤　本当に絞れないです。放送を見て撮り方の個性に気づくところもありますし。

黄川田　全員濃いよね。だけど共通して言えるのは、本当にウルトラマンを愛しているし、どうすれば『デッカー』がより面白くなるのか日々考えていることで。

宮澤　たくさんの監督が携わって、それぞれ現場の雰囲気や芝居の作り方、撮り方が全然違うのに、一つの作品として繋げられるのがすごいと思います。まだ第12話までしか見られていないのですが、このあとの話数も「こう繋がっていくんだ！」と感動することが増えていくんだろうなと。（※インタビュー時点では第12話まで放送済み）

黄川田　そうそう。内田（直之）さん、中川（和博）さん、田口（清隆）さんも加わって。

宮澤　個人的には模型を使いながら特撮シーンの説明をしていた、田口監督の印象が一番強いかもしれません。特撮の現場は、空想しながらお芝居をする場面が多くて。目に見える形で画を説明してくださったおかげで、みんなにそのシーンの内容をアドリブで説明する場面でも、スラスラと話すことができました。想像しながらのお芝居も楽しいんですが、よりリアリティを感じて演技ができたので、放送でどうなっているのかワクワクしています。



（C）円谷プロ　（C）ウルトラマンデッカー製作委員会・テレビ東京