• 隊長&副隊長の最大の敵は……? 『ウルトラマンデッカー』黄川田雅哉×宮澤佐江対談
  • 隊長&副隊長の最大の敵は……? 『ウルトラマンデッカー』黄川田雅哉×宮澤佐江対談
2022.12.17

隊長&副隊長の最大の敵は……? 『ウルトラマンデッカー』黄川田雅哉×宮澤佐江対談

宮澤佐江さん演じるカイザキ サワ(左)、黄川田雅哉さん演じるムラホシ タイジ(右)



◆最大の難敵は説明セリフ!◆

――以前の黄川田さんと松本大輝さん、小柳友さんの鼎談の際に、黄川田さんは宮澤さんと励まし合いながら、説明セリフを乗り切っていたとお話されていました。

黄川田 はい。佐江ちゃんに支えられていましたね。

宮澤 私も!

黄川田 同じ大変なものに挑む仲間がいることは、こんなにも心強いのかと思いました。

宮澤 心の拠り所があるというのはこういうことかと、私もこの半年間すごく感じていました。やっぱり雅哉さんが共感してくれたから頑張れたなと。

――隊長、副隊長と小柳さん演じるアサカゲ博士/アガムスの大人チームは、役柄的にも説明セリフが避けられないですよね。

宮澤 友くんも本当に大変で、撮影前に3人で喋る時間があったら、必ずセリフの量や難しさの話題をしていました。「次の雅哉さんのセリフ、ヤバくないですか?」とか。

黄川田 「ヤバいヤバい」って。

宮澤 そんな話しかしていなかったですよね。

黄川田 してないね。

宮澤 それくらい大変でした。大輝たちメインの3人も、別の意味で大変な経験をしていたと思うけど、私たちは私たちで乗り越えなければいけない壁がある、という感じで。

――専門家だからスッと言わなくてはいけない、というのも難しそうな印象を受けます。

黄川田 そうなんです、『デッカー』は想像がつかないものに対しての説明が難しくて。たとえば医者の役なら、「きっとこれは命が助かることに関する言葉だ」と理解すれば、意外とサラサラ言えてしまえるんです。でも、今回は何が大事なことなのかという、自分の中での優先順位の付け方にも悩んでしまって。今まで苦手としていたことに慣れるというのが、今回の仕事を引き受けた黄川田雅哉としてのテーマでもありました。

――複雑な設定の世界観で説明的なセリフを話す、というのがある意味今回の課題だったと。

黄川田 そうですね。僕は感情的に何か一つでもわからないことがあると、ダメになってしまって。感情さえ掴むことができれば、流れに乗ってスムーズに演じられるのが、僕の人間としてのクセだと思っているんです。逆に感情が不要な説明的なセリフの時にどう演じられるかが、今回のチャレンジでした。

――宮澤さんたちと難しさを共有できたことが、挑戦するための力になったわけですね。

黄川田 やっぱり佐江ちゃんがいてくれたからこそ、乗り越えられたのだと思います。普通のドラマと比べると、半年という撮影期間はとても長くて。途中でつらいと思っちゃったら、残りの時間を「今は勉強だ」と考えていたかもしれない。

宮澤 挫けたら「まだあとこんなにある」って言い方になっちゃいそうで。

黄川田 実際、途中で心が折れそうになったんです。

宮澤 そう言っていたこと、ありましたね。

黄川田 確か第8話のギジェラン殲滅作戦かな。「これを望んで俺は引き受けたんだ!」と思って戦いました。「今、やるしかねぇんだ!」と。これが未来に繋がるんだという気持ちで、あの時は現場に臨んでいましたね。



――宮澤さんもやはり説明セリフに苦戦されたのでしょうか?

宮澤 そうですね、もともと私自身セリフ覚えが悪いほうで。一言一句体に落とし込むまで時間を使わないと、自分の言葉にできないんです。『デッカー』の半年間は、難しい話でも自分の言葉として、気持ちをこめた言い方ができるような役者さんになろうと、目標を決めて臨んでいました。何度雅哉さんに「どうやってセリフ覚えていますか?」って相談したことか。

黄川田 よく言っていましたね(笑)。

宮澤 新しい台本をいただいた時に、「セリフ入っていますか?」「どうしていますか?」って何度も聞いて。毎回雅哉さんに「今回は会話じゃないから覚えられないんだと思う」「俺も一カ月くらいかけないと自分の言葉に落とせていないから、そんなに焦らなくて大丈夫」と言ってもらっていたんです。だから、撮影の一カ月以上前からセリフを覚えるようにして。「今は一緒の現場の雅哉さんの言葉だけを信じよう」と、ずっとその覚え方を続けていました。本当にあの半年間は雅哉さんに支えられていましたね。

黄川田 「次はこういうことを言うんだ」と頭で理解していても、言い慣れていないから現場で舌が上手く動かないんです。

宮澤 わかります! 最後のほうでも、大変なセリフがありましたよね。

黄川田 そうそう、第24・25話かな。

宮澤 私は終盤になるにつれて説明的なセリフが減ってホッとしていたんですが、雅哉さんは最後まで(笑)。しかも、「一つセリフ言いましょうか?」と手伝うこともできないですし。

黄川田 監督さんや助監督さんも言えないくらい難しかった。

宮澤 台本読みながらでも無理ですよ。

黄川田 みんなも大変なことをやっていると理解してくれている現場だったから、ありがたかったですね。



(C)円谷プロ (C)ウルトラマンデッカー製作委員会・テレビ東京

アニメージュプラス編集部

RECOMMENDEDおすすめの記事

RELATED関連する記事

RANKING

人気記事