• 隊長&副隊長の最大の敵は……? 『ウルトラマンデッカー』黄川田雅哉×宮澤佐江対談
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2022.12.17

隊長&副隊長の最大の敵は……? 『ウルトラマンデッカー』黄川田雅哉×宮澤佐江対談

宮澤佐江さん演じるカイザキ サワ(左)、黄川田雅哉さん演じるムラホシ タイジ(右)

クライマックスの真っ只中である『ウルトラマンデッカー』。その第1~13話を収録したBlu-ray BOX Ⅰが、12月23日(金)に発売される。主人公であるアスミ カナタたちの成長を丁寧に描いてきた今作。カナタを筆頭とした若い隊員たちを時にあたたかく見守り、時に厳しく導いてきたのが、隊長のムラホシ タイジと副隊長のカイザキ サワの二人だ。

Blu-ray BOXの発売を記念して、ムラホシ役の黄川田雅哉さん、カイザキ役の宮澤佐江さんの対談を敢行。隊長、副隊長という役柄ならではの苦労や、支え合って駆け抜けた撮影の思い出を伺った。

>>>ムラホシ隊長とカイザキ副隊長の活躍シーンを見る(写真13点)

◆リアルムラホシ&カイザキな関係性◆

――ムラホシ隊長は隊員たちに料理を振る舞う家庭的な一面を覗かせ、カイザキ副隊長もノリがいい面が描かれると、二人とも話が進む中で柔らかいイメージに変わっていきました。黄川田さん、宮澤さんは演じていて印象が変わったところはありますか?

黄川田 僕の中では最初のイメージから変わっていないです。撮影に入る前にかなり細かく設定が書かれた企画書をいただいていて。本編中に出てこなかったところもありますが、それを読んで抱いた人物像からは大きく離れずに演じ切りました。現場でも監督やプロデューサーと話し合うというより、僕が考えたプランを見ていただき、そこから導いてもらうという撮り方をしていました。

宮澤 私は逆に今のようなカイザキになるとは思っていませんでした。第1~3話の準備稿を読んだ印象だと真面目で頼もしく、そのイメージに沿って演じようと撮影に入ったんです。でも、第3話のカナタとハネジローが話している裏で、ほかの隊員たちが喋るシーンの時に「もっと砕けていい」と、武居(正能)監督からお話いただいて。そこがきっかけで、ちょっとずつ砕けたところを見せるようになっていきました。だから第5話のエレキングの飼育の説明も、「急に変なことをやりはじめた」と温度差を感じずに受け止めてもらえたのかなと。

――隊長と副隊長の関係も、上司と部下というよりもどこか抜けている父親としっかり者の長女のように見えて、独特な雰囲気があるように思います。特に第5話の副隊長が隊長を叱る場面は象徴的だなと。

宮澤 ありましたね(笑)。

黄川田 あの短いシーンで「普段からこうなんだろうな」と思わせてくれるんですよね。怒り方もちょうどよくて。

宮澤 めちゃくちゃ怒るんじゃなく、「また……」くらいの温度感で。

黄川田 それがいいなって。「別の時にもこう怒られていたんだろうな」と、想像が膨らむシーンになっていて面白いと思いました。二人の関係は、TPU訓練校時代の先生と教え子からはじまり、今はGUTS-SELECTの同僚と、不思議な距離感なんですよね。ムラホシの中で、カイザキ副隊長には絶対的な信頼を置いていることは台本を読んでも感じましたし、演じるうえでも意識しています。案外ポンコツなところがあって、何かあると「カイザキさん」と頼るという(笑)。実際に佐江ちゃんとお芝居をしていても信頼感しかなく、僕の中でカイザキと佐江ちゃんがダブってしまって。だから、実際に困った時も佐江ちゃんのほうを見たりしています(笑)。

宮澤 (笑)。私と雅哉さんの日常の雰囲気そのまんまなんです、ムラホシとカイザキは。年齢的に10歳くらい離れているのですが、フランクに話ができて、自分の意志をちゃんと伝えられる距離感なのかなと。カイザキは隊長に信頼されていることも、自分より一歩、二歩先にいることも理解していて。「私は隊長になれない」とどこかで感じつつ、全力でサポートする、いいタッグ感があると思っています。



――黄川田さんが宮澤さんと副隊長が似ていると感じたのはどこでしょうか?

黄川田 しっかりしているところと、ちゃんと叱ってくれるところです(笑)。

宮澤 叱った?

黄川田 あの時だよ。「も~、右じゃないでしょ。左でしょ」って。

宮澤 ウルサマ(『ウルトラヒーローズEXPO2022 サマーフェスティバル』)の時は、雅哉さんが右と左がわからなかったから(笑)。

――Twitterにお二人でウルサマへ遊びに行った時のお写真を投稿していらっしゃいましたね。

宮澤 二人で一緒に行こうと約束していて、雅哉さんが円谷プロさんと連絡を取ったり、入場まで道案内をしてくださったり、いろいろ準備してくださったんです。でも、「ずっと右に行けばいいらしい」と、スマホを見ている雅哉さんについていったら行き止まりで。それで画面を見せてもらったら、左に真っ直ぐと書いてあったんです(笑)。「右と左を間違えるってどういうこと!?」って。

黄川田 間違えるんですよね。そこからは僕が佐江ちゃんの後ろを歩いていくことに。

宮澤 「頼もしいな」と思っていたら、立場が逆転しました。本当にこういうことが日常茶飯事で。

――黄川田さんもリアルにムラホシ隊長みたいなところがあるんですね(笑)。

宮澤 本当にそのままです。

黄川田 そうなんです。

宮澤 雅哉さんも抜けているし、隊長も抜けている。でも、それは大きな優しさを持つ、愛情の大きな方だからこそで。そこもムラホシ隊長にピッタリ。

黄川田 どっちかはわからないよ。僕が役に寄っていったのか、役が来てくれたのか。

宮澤 どちらにしても、私たちがそれぞれ役にマッチングしたんでしょうね

――役者さんだとこういうことはよくあることなんでしょうか?

黄川田 僕はすごく役に入り込んでしまうタイプです。全く異なる境遇に置かれた役を演じた時に、感情や思考がシンクロしてしまうことがありました。

宮澤 私は全然。

黄川田 (佐江ちゃんは)プロフェッショナルです。

宮澤 むしろ雅哉さんみたいな役者さんに憧れますよ。ちゃんと魂が一つになっている感じがして。今まで演じた役はどこか共感できるところがあって、全くかけ離れた役を演じたことはないんです。もしそんな役を演じる時が来たら、隊長にアドバイスしてもらおうと思います。



(C)円谷プロ (C)ウルトラマンデッカー製作委員会・テレビ東京

アニメージュプラス編集部

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