『ClariS』が全曲を語る！ アルバム『Parfaitone』の魅力♪

――次は『Mermaid』についてお願いします。

クララ　『Mermaid』はタイトルの通り、『人魚姫』をモチーフにした楽曲になっています。すごく切なくて、でも芯のある女の子の気持ちを描いているんです。ソロ曲では、切ない女の子の強い感情だったり、思いだったりを描いた楽曲を歌わせていただいたことがありましたが、ClariSとしては、なかったので、またこれもひとつ新しい挑戦になりました。消えそうな感じの中に、芯の強い部分が見えるので、ちょっと大人になった私たちを感じていただけるような楽曲に仕上がっています。

カレン　この『Mermaid』は、ディズニーの『リトル・マーメイド』のような歌詞にしたいねと、ふたりで話していました。主人公・アリエルは、大きな代償を払って願いを叶えるじゃないですか。その行動力がすごいですし、たくさん辛いことを経験してきたけど、そこを乗り越える力もあったんだろうなと思います。女の子って“こうしたい”という大きな願いがあっても、打ち明けられなかったり、自分自身で行動を起こせなくて待ってしまうことがあったりすると思うので、そういう女の子達の背中を押せるような楽曲になったらいいなと思っています。

――10代の子たちは自分から言えないことや、できないことも多いでしょうからね。

カレン　言えないまま、自分の中に閉じ込めちゃう子も多いんじゃないかなと思います。私もClariSになった当初は、自分の思いをまったく言えなくて……そういうときに、クララが私の気持ちを代弁して伝えてくれたりしたんです。思いが伝わることで変えられることがすごくあったので、この楽曲から自分自身のことも思い出しました。

――この曲はサビで、すごく綺麗で美しいハモリを聴くことができますね。

クララ　そうですね。この楽曲はハモリが多いですね。私がこれまで歌ってきた曲の中で一番多いかもしれません。そういった意味では大変な部分もあったんですが、それでより曲の厚みができました。いろいろな感情が重なってる、そういう思いも表現できてるんじゃないかと思います。

――次は『missing you』について教えてください。

クララ　いつもたくさんの曲を提供してくださる丸山真由子さんの楽曲で、新曲の中でも一番「ClariSといえばこんな曲！」という、すごく温かい楽曲に仕上がっています。雨ってすごく憂鬱な気分になったりすると思いますが、雨が上がったときには、虹だったり、雲間から差す光だったり、そんな暖かさに包まれるんだよという意味合いが込められています。それとは別に、私たちClariSがコロナ禍になって活動できなかった2年間を乗り越えた、これからのClariSの思いも表現している楽曲なんです。

――『missing you』には、コロナ禍以降の、ファンの皆さんへの思いも込められているんですね。

クララ　この2年間は、彩りを忘れて、辛く悲しい思いをしてきたんですが、それでもいろいろなものを届けたいと思い、仮面を外して素顔で活動をするようになって、もっともっと皆さんとたくさんのことを共有したいと思うようになりました。なかなか会えなくて遠回りしたけど、“迎えに行こう”って、2番の歌詞ではファンの皆さんを思い浮かべながら歌っています。私も聴いたときに、心にジーンときましたし、“迎えにいこう”という歌詞が素敵だなと感じました。“会いに行こう”じゃなくて、“迎えに行こう”という表現が、私たちClariSとして、すごくしっくりきました。いまは、ファンの皆さんを早く迎えに行きたい気持ちでいっぱいです。

カレン　そうだね。本当に離れ離れになってしまって、なかなかお会いできないファンの皆さんに向けて歌っています。私はそれ以外にも、去年亡くなったワンちゃんのことも浮かんできて……形あるものって絶対いつかなくなるけれど、記憶の中に残っているものって、自分が忘れない限りいつまでも、ずっと会えるじゃないですか。そういう意味で“ふたりだけの永遠”という歌詞が、すごく響きました。思い出せばいつでも会えるし、どこにでも一緒に行ける、そんな会えなくなった存在のことも、歌った曲だと思っています。

――次は『Twinkle Twinkle』について教えてください。

クララ　この楽曲も、いままでのClariSにない楽曲です。80年代、90年代のレトロ感のあるサウンドは、私たちもたくさん歌ってきたのですが、それに加えて現代の音楽性も入っていたり、グルーヴ感もあったりと、少し大人っぽい楽曲に仕上がっています。そういった面では、私たちの新しい一面を見せられるなと感じています。

カレン　この1曲を聴いていただけるだけで、いままでClariSが大事にしてきたものも感じられるし、これからClariSがどうなっていきたいかというのも伝わるかなと思います。

――お洒落な楽曲ですね。

クララ　お洒落感もあり、洋楽っぽい色もあり、いろいろな要素が込められています。セリフもあるんですが、試行錯誤しながら収録しました。

カレン　目の前に相手がいて語りかけるようなセリフは、いままであまりなかったので、すごく照れくさい感じでしたが、伝わればいいなと思いながら気持ちを込めてセリフを言いました（笑）。格好つけ過ぎても違うかなって、ちょうどいいハニカミ具合というか、お互いのセリフも聴きながら「もうちょっとこうだよね」「こうしたほうがいいかな」と相談しながら何度も録りました（笑）。

――通常盤のボーナストラックとして収録される『もういちど ルミナス』は、すでに配信されている『バンドリ』の曲ですね。

クララ　この楽曲はPastel＊Palettesの丸山彩さんとのコラボなので、『バンドリ』の中のバンドの一員になれたかのような気がしました。『バンドリ』の中に入ったような気持ちで歌えて楽しかったですね。すごく可愛らしい楽曲で、彩ちゃんの声もすごく可愛らしいので、そこに合わせて私たちも、よりキャラクターになりきって歌いました。

カレン　本当に可愛らしい曲ですし、歌詞はストレートにメッセージ性がある曲だったので、可愛らしさを残しつつ、歌詞に込めた思いが伝わるようにと歌いました。私たちはあまりコラボの経験がなかったので、3人で歌うことが新鮮でしたし、ひとり加わるだけで全然違う新しい形になるんだなと感じて、すごく感動しました。

――TrySailとのコラボレーションで生まれた『オルゴール（ClariS×TrySail）』（TVアニメ『マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝』Final SEASON –浅き夢の暁- 最終話エンディングテーマ）ですが、アルバム3形態には『オルゴール（ClariS ver.）』、通常盤のBonus Trackに『オルゴール（ClariS×TrySail）』が収録されています。こちらはどのような楽曲になりましたか？

クララ　タイトルの通りオルゴールのネジを巻くようなサウンドが入っていたり、歌詞にも連想されるような言葉が入っていて、『魔法少女まどか☆マギカ』から『マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝』まで長く続いてきたものを巻き戻して振り返っているような雰囲気を感じられる楽曲になっています。
そんな素敵な楽曲をアニメの声優もされていて、OPやEDも歌ってらっしゃるTrySailさんと一緒に歌えることがとっても嬉しいです。
楽曲としてもアニメとしても全ての集大成となるTVアニメ『マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝　Final SEASON―浅き夢の暁―』にぴったりな楽曲になっていると思いますので、5人のハーモニーをぜひ楽しんでください。

カレン　TrySailさんとコラボさせていただけて、本当に光栄です。アニメの声優もされているTrySailさんと歌う事が出来て、キャラクターの思いと共に歌を届けられているような気分で、不思議な気持ちと嬉しさがあります。
『オルゴール』は、自分と仲間を信じながら目の前に降りかかる葛藤や迷いと戦い、それを超えた先に待っている明るい景色が見えるような歌詞になっています。キャラクター達が抱えている重たくて暗い感情がふわっと浄化されていくようなメロディもお気に入りです。5人の音色が心地よくて、アニメの終わりにぴったりな楽曲になっていますので、是非アニメと併せてたくさん聴いていただけたら嬉しいです。

――今回のアルバムの新曲の中で、それぞれお気に入りはありますか。

クララ　う〜ん、どれもお気に入りですね。

カレン　お気に入りが日替わりで変わるくらい、全部お気に入りですね（笑）。そんな中でも、いまは『アイデンティティ』ですかね。最初に歌詞をいただいたときは、ClariSを感じるとは思わずに見ていたんですが、曲と一緒に聴いたときに、さきほどお話しした、ClariSに加入した当時の自分の思いが浮かんできて、ストレートに曲に感情移入できたので、『アイデンティティ』はこの先も、思い入れのある楽曲になると思います。

クララ　私も強いて言うと『Twinkle　Twinkle』ですね。新たな一面を見せられる曲でもあり、いままでの私たちらしさも見せられる曲なので、いままでのClariS、そしてこれからの先に進んでいくClariSを感じていただけるような、お気に入りの1曲です。