【共演者の方たちの印象】――今回、アフレコはどのように行われたんですか?中村 基本的には、実況の遠藤くんと解説の小林さんが先に録っていて、2人の声を聞きながら収録することが多かったです。僕の収録は、基本リーゼロッテと一緒で、あとはその回で絡みがある人と一緒に……という感じでした。
――リーゼロッテ役・楠木ともりさんの印象はいかがでしたか。中村 普段現場でお話するときに感じるのは、ベースラインとして可愛らしい声質を持っていらっしゃることです。なので、リーゼロッテというキャラクターは、本人とは少し差がある役柄だと思うのですが、そこをしっかり役作りで埋めていらっしゃるなあと感じました。
ゲームの正ヒロイン・フィーネは天真爛漫なキャラクターなので、フィーネと釣り合いをとるために、リーゼロッテは落ち着いた雰囲気で、少し大人ぶっていることもあります。でも、そんな雰囲気の中でも、リーゼロッテの持つ可愛さを出さないと、実況・解説されないわけです。楠木さんは、そういう見えないところでのメリハリや、隠しきれていないものの表現を、いい塩梅でやられているなあという印象ですね。
――楠木さんとの掛け合いの中で、お芝居に変化が出る部分はありましたか。中村 このお仕事は相手の台詞を聞いた上で自分の台詞を言うことになるので、みんな少なからず影響は受け合っていると思います。
特に顕著なのは、リーゼロッテを見て「なんて可愛いんだ!!」と言うシーンだと思います。リーゼロッテの台詞を実際に聞かないことには、どういう風に可愛いのか分からないじゃないですか。1人で録る場合と、実際に声を聞いて「ああ、そういう表現をするんだ」と分かってから台詞を録る場合とでは、やはり違ってくると思います。
――では、収録済みの声を聞くことが多かったという、実況の遠藤くん役・石川界人さんと、解説の小林さん役・花澤香菜さんの印象はいかがでしたか?中村 僕たちゲーム内のキャラクターたちは、ゲーム内で当たり前のことをしているだけなんですが、それを俯瞰で見ている2人の感想やツッコミが視聴者と共有できたとき、初めて作品の面白さが生まれると思うんです。
今回、石川さんと花澤さんはテンション高く演じられていて、僕も聞いていてとても面白かったです。作品のキーとなる、この2人のゲームに対する没入感が感じられる演技でした。
――中村さんが個人的に気になったキャラクターは誰でしょうか。中村 レオンですね。ちょっとネタバレ無しでお話するのは難しいのですが、僕はレオンがすごく面白くて好きです。ただ、レオンの面白さについては、たぶん僕にしか分からない部分もあるので、最終話まで観たとしても、「中村さん、レオンの何を面白いと思ったの?」と言われてしまうかもしれません。レオンの一体何が面白いのかは、皆さんの目でぜひ確認してもらいたいですね。
(C)恵ノ島すず・えいひ/KADOKAWA/ツンリゼ製作委員会2023