『推し武道』『壁こじ』実写化記念！平尾アウリ＆ミナモトカズキ対談

◆お互いの作品の印象を！◆

――ミナモト先生から『推し武道』のファンだったというお話が出ていますが、お互いの作品に対してはどういう印象をお持ちですか。

ミナモト　目の前で印象を話すってあまりないじゃないですか。一周まわって辛い（笑）。でもせっかくの機会なので。
『推し武道』は本当に自分が『COMICリュウ』で描くようになる前から大好きだったので。

平尾　ありがとうございます。

ミナモト　オタク側もアイドル側も、楽しいところも辛いところも描かれているんですが、でも最終的に読んだあとに、やっぱり好きなものがあるのって最高だなっていつも思えるところが本当に大好きです。言葉が上手くでない（笑）。

――これが自分の推しを見たファンの反応ですよ。

ミナモト　そうです（笑）。読み終えると、えりぴよみたいにどこか並びに行きたいなって思います。朝っぱらから。
本当に余談ですが、ちょうど今週自分の個人的なオタ活で、朝5時起きして並びに行った時、すごくえりぴよだなって思いました。それくらいすごく励まされる作品ですね。好きなものがあることを。
（C）平尾アウリ・徳間書店／「推しが武道館いってくれたら死ぬ」製作委員会・ABC
平尾　ありがとうございます。

――平尾先生はどうですか。

平尾　私はそうですね、ミナモト先生めちゃめちゃ漫画うまいって思います。漫画が本当にお上手じゃないですか。そして取り扱う題材とかも普通やらないっていうかできないっていうか。

ミナモト　恐縮です。承認欲求とか確かにあまり描かないかもですよね。

平尾　本当です。そこが新しい。読んだことがない種類の漫画だなって思います。コマ割りとかもめちゃめちゃお上手じゃないですか。

ミナモト　本当ですか！　汗でビショビショになってきましたよ。

平尾　（笑）。吹き出しの入れ方とか、それがめちゃめちゃ読みやすいんですよ。それって本当に漫画を描き慣れている方だと思います。同人誌を扱っている漫画でそれだけ漫画を描かれるのがお上手なのは、本当に説得力があって、さすがだなと。この方だからこの漫画が描けるんだろうなと思っています。

ミナモト　本当ですか。もう自分今日はこれで帰れます。

――こんなにお好きな作品の実写をご覧になられて、どうでしたか。感想は。

ミナモト　『推し武道』は、これはいちファン目線でしゃべっちゃいますが、アニメが本当に素晴らしかったです。元々原作漫画を読んでいて、アニメすら難しい絵柄だと思っていたんですよ。すごく繊細な絵柄だから。まずアニメを見たときにとんでもなく良かったのでびっくりしたので、実写って聞いた時はめちゃめちゃハードルが上がっているなって思いました。ですけど、めちゃめちゃ実写も忠実で、とても可愛らしいドラマでした。漫画やアニメとは違ったポップさをすごく感じて、すごく可愛いと思いました。とても楽しみに見ています。

――平尾先生は『壁こじ』の実写を見てどうですか。
（C）ミナモトカズキ・徳間書店／2022「壁こじ」製作委員会　（C）ミナモトカズキ／徳間書店
平尾　漫画っぽいエフェクトが入りますよね。後ろに入ったりするんですが、『推し武道』と方向性が違うからスタイリッシュだなって思っていて。曲もめちゃめちゃいいので、本当に普段鼻歌で歌っています。

ミナモト　わかります！　口ずさんじゃいますよね。嬉しいです。

平尾　いいですよね。イメージどおりというか。演者の方々もいい感じに再現されていていいですよね。原作の絵がめちゃめちゃ可愛いじゃないですか、可愛さと根暗さがあって。

ミナモト　そうですよね、陰キャですよね。

平尾　その演技がじょうずなので、いい感じに再現されていてすばらしいです。

ミナモト　猫屋敷君の再現度すごいですよね。すごく根暗だけど可愛いキャラのつもりで一応描いているので、実写でそれが表現できるんだって思いました。

平尾　二人の身長差の具合もバッチリだし。

ミナモト　あれ大事ですよね。その具合が間違っていたら文句を言っていたかもしれないです。
（C）ミナモトカズキ・徳間書店／2022「壁こじ」製作委員会
――平尾先生は以前うかがったときに『推し武道』のキャストを見てみんな似ているっておっしゃっていましたね。

平尾　お顔が似ていましたね。

――ミナモト先生は『壁こじ』のキャストをご覧になってどうでしたか。

ミナモト　キャストさんの、特に『壁こじ』のバージョンになった写真を見たときに、「絶対いける！」って思いました。正直原作のままじゃないキャラもわりといるんです。髪型も大幅に変わっているキャラもいるんですが、それがすごく実写としての説得力を感じました。もしかしたら写真だけ見ると、読者さんで「このキャラ違う」って思っちゃった人もいるかもしれないんですが、動いている姿とかを見てくれれば絶対納得してもらえるなと思っていました。

平尾　山田さんは見た目結構違いますよね。

ミナモト　そうなんですよ。山田さんは髪型が一番違うんですが、ドラマの中ではすごく良いキャラクターに見えるんです。

平尾　実写の中で一番漫画的なキャラクターですよね。

ミナモト　確かにすごくコミカルですよね。

平尾　そうそう。でもなんですかね。不自然さを感じないじゃないですか。

ミナモト　それは多分演じている矢作（穂香）さんが本当にうまいんだと思います。

平尾　難しい立ち位置ですもんね。

ミナモト　難しいと思います。コミカルだし結構発言もオタクっぽい用語だから、一つ間違えると、それこそちょっと小馬鹿にした感じになっちゃうところを、すごく良いさじ加減でやってくれたので。本当にみんな山田さんにメロメロになっちゃう。

――男の子がたくさん出ているドラマにおける女子のポジションで、結構嫌われポジションになることが多いけど、そんなことすら感じさせない、むしろ人気が出そうです。

ミナモト　原作もそうですが、男性の俳優さんのファンの方が山田さんのことも沢山呟いてくれていたり、同性からの人気がすごくて、とても嬉しかったですね。
（C）ミナモトカズキ・徳間書店／2022「壁こじ」製作委員会
――見る人も改めてそこに注目して見ると、また違った見え方がしているかもしれないですね。

ミナモト　『推し武道』でも、くまささんが素晴らしかったですね。

平尾　ありがたいですね。再現度高いですね。
（C）平尾アウリ・徳間書店／「推しが武道館いってくれたら死ぬ」製作委員会・ABC
――『推し武道』のキャストはみなさん原作のイメージに近いですね。

平尾　そうかも。

――基君の髪型も、実写だったらこうなるんだろうなっていう感じ。

平尾　そうですね。基役の豊田裕大さんの別の写真を見たら、坊主の写真があって、すごいイケメンの坊主の方だったので、合わせてくださったんだって思って感動しました。
（C）平尾アウリ・徳間書店／「推しが武道館いってくれたら死ぬ」製作委員会・ABC