• 『ぼくらのよあけ』黒川智之監督が頼りにした「朴ロ美の恐るべき才能」
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2022.11.02

『ぼくらのよあけ』黒川智之監督が頼りにした「朴ロ美の恐るべき才能」

(左から)黒川智之監督、朴ロ美さん


【ディスカッションしながら掴んだ「二月の黎明号」役】

――どのように「二月の黎明号」というキャラクターにアプローチしていきましたか?

 最初は「声はナナコに近い雰囲気でいいんじゃないか」という話もあったのですが、何パターンか試していく中で、普段出さないような声で演じてみたところ、「面白い!」という話になり、あの声に落ち着きました。

黒川 今回、かなり苦労されていましたよね。

 はい。話し方に関しても、人工知能ということなので、「パソコンで打たれた文字が音声で出てくるイメージ」なんかもやってみたりしたのですが、それでは不都合が生じるところもあって。

黒川 いかにも「機械です」という雰囲気にするよりかは、今のスマート家電のAIよりもスムーズに話す方向でご調整いただきました。
ただ、「二月の黎明号」は、途中で悠真たちに感化されて、自分の意志を示し始めるので、前半はナナコよりもメカっぽく、システマチックにいきましょうということで、淡々としたお芝居にしていただいました。

 悠真たちに感化されて「二月の黎明号」が話すシーンも、最初はシステマチックな話し方のままでやってみたのですが、ここはやっぱり気持ちが入ったほうがいいだろうということで、何テイクがトライさせてもらいました。

黒川 朴さんから「もう1回やってもいいですか?」と何度かおっしゃっていただき、何パターンも頂いたのですが、おかげで「どれも捨てがたいな……」と贅沢な悩みを抱えることになりました(笑)。

【悠真役、『おちょやん』の子だ!】

――アフレコ現場はどんな雰囲気でしたか?

 私はみなさんの声を録り終わったあとの、1人での収録だったのですが、本当にスタッフのみなさんが熱い方ばかりで、ポジティブな空気をすごく感じました。アフレコの一番の思い出は、監督とディスカッションしながら「どれでいきますか!?」と何度も試行錯誤したことですね!

――共演者の方のお芝居で印象的だったのは?

 収録のときから「悠真、めちゃめちゃいいな!」と思っていたのですが、杉咲花さんのお名前とお顔が一致していなかったんです。そのあと調べてみたら「朝ドラの『おちょやん』の子だ!」とビックリして。「すごくいいお芝居をする女優さんだなぁ」と思いながらドラマも観ていたので、「この子が悠真役をやっているんだ!」と驚きましたね。

杉咲さんは、悠真の持つ “未知のものに対する憧れ” をとても上手く表現されていたので、この声の説得力を信じてついて行けばいいんだと思わせてくれました。

寺林 沙樹

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