• 『ぼくらのよあけ』脚本家・佐藤大が明かす原作愛と執筆現場の裏話
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2022.10.22

『ぼくらのよあけ』脚本家・佐藤大が明かす原作愛と執筆現場の裏話

(C)今井哲也・講談社/2022「ぼくらのよあけ」製作委員会

今井哲也のSFジュブナイルコミックを原作にした劇場アニメ『ぼくらのよあけ』が現在全国公開中だ。
本作の舞台は、今から27年後の西暦2049年の世界。夏休みを目前に控えた3人の少年は、家庭用オートボット「ナナコ」の異変をきっかけに、宇宙から来たという未知なる存在「二月の黎明号」と出会う。二月の黎明号が3人に接触した理由とは果たして――ひと夏を駆け抜ける、子どもたちの極秘ミッションが始まる!

本作の脚本を手がけたのは『交響詩篇エウレカセブン』『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』『映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争 2021』などを手掛けてきた佐藤大さん。ジュブナイル作品を手掛けることの難しさや、監督・原作者とのシナリオ会議の様子など、たっぷりと語っていただきました。

【脚本は、アニメの「設計図の素」】

――まずは、アニメ作品における脚本の役割を教えてください。

佐藤 原作がある場合とオリジナルの場合ではちょっと違ってくるのですが、変わらない部分は「時間をコントロールするところ」ですね。20分だったら20分、100分だったら100分の作品で言いたいことから、コンテにする上で必要なものまで、全部の情報が入っている「設計図の素」のようなものだと私は考えています。

――脚本がないと、アニメの制作が始まらないわけですね。

佐藤 そうですね。監督によってはコンテから始める方もいますが、基本的には脚本が「原作の良さ」や「その良さをどのように時間内に収めるか」ということを設計する最初の一歩かなと思います。

――『ぼくらのよあけ』のような王道冒険ストーリーを手掛けることの難しさや楽しさは、どんなところにあるでしょうか。

佐藤 アニメでなければできない映像表現や、ワクワクさせるような物語の飛躍といったものは必要不可欠になっているので、そこをどうするかは難しさでもあり、楽しさでもあると感じています。
そのためにも観てくれる少年少女たちが共感できるような人物造形を作り、「わかる」「あるある」「自分もこんなことあった」と思ってもらいつつ、逆に興味を持たなそうなことは描かないように気を付けています。

寺林 沙樹

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