• 【ジブリ美術館】人の手で生み出される世界!『君たちはどう生きるか』展
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2024.05.25

【ジブリ美術館】人の手で生み出される世界!『君たちはどう生きるか』展

(C)2023 Hayao Miyazaki/Studio Ghibli

三鷹の森ジブリ美術館では、本日2024年5月25日(土)より、新企画展示『君たちはどう生きるか』展の第二部「レイアウト編」が公開された。開催に先駆けて前日に行われた内覧会の様子から、その魅力をお伝えしよう。

およそ7年の歳月を費やして制作された、宮﨑駿監督の最新作である『君たちはどう生きるか』は、その制作過程で描かれた絵のほとんどが紙に鉛筆と絵の具で描かれたものである。今回の企画展示は、それらの素材を「イメージボード」「レイアウト」「背景美術」の三回に分けて展開されている。三鷹の森ジブリ美術館の入場は日時指定の予約制なのでじっくり楽しむことができる。チケットは毎月10 日に「ローチケ」にて発売される。

安西香月館長の挨拶では、宮崎吾朗監督からレイアウトを展示しようと相談されたときに「一般の方には難しいかと思った」と話しはじめ、「宮崎駿監督の頭の中にあった映像を、皆さまの目に見える映像に描き換えていく第一歩として、スタッフの方々が時間をかけて、描いたり消したり、手垢や手の汗、消しゴムのあとなどがある200枚を見ると、見てもらうのに値する紙だと思った」と、展示されるレイアウトの魅力を語ってくれた。
▲安西香月館長

そして本展示の企画・監修を担当した宮崎吾朗さんからは「レイアウトを見ると、原画スタッフが描いた絵に、場合によっては宮﨑駿監督が自ら消しゴムを入れて描きなおした部分もありますし、作画監督が直したものもあります。演出や制作スタッフの申し送りが追記されたり、1枚の絵の中にいろいろな筆跡があるのが分かる」と、いろいろな人の手を経てレイアウトが完成することを語り、「完成したレイアウトは美術スタッフにわたり、画用紙の上にカーボン紙を敷いて、その上に乗せたレイアウトを美術スタッフが上からゴリゴリなぞってあたりをとる。レイアウトによっては傷だらけになり、いろいろな人の手を経て薄い紙がメラメラになり汚れがついて役割を終える」とレイアウトから受け取れる情報と宿命、「絵を描くことは楽しいだけではなく大変なことでもある」と教えてくれた。
▲宮崎吾朗監督

三鷹の森ジブリ美術館の展示物には、ガラスに描かれた絵を重ね並べて箱の中に奥行きを生み出すパノラマボックスがある。宮崎吾朗さんから宮﨑駿監督は『君たちはどう生きるか』の完成後、暇つぶしでパノラマボックスをたくさん作っていると教えてくれた。宮﨑駿監督の次回作について質問されると「言わないようにしているんですよ」と言いつつ、過去作のパノラマボックスばかりを作っている宮﨑駿監督に「次回作のやつも作ってよと言ったら、いま、それを作っているんですけど、それが次回作になるかは分からない」と話してくれ、「昔懐かしい冒険活劇風で期待しているが、その通りはやってくれないだろうな」と明かしてくれた。
▲パノラマボックス

第二部「レイアウト編」は、2024年11月10日(日)まで開催予定。以後、第三部「背景美術編」は、2024年11月23日(土)~2025年5月までを予定している。

(C)2023 Hayao Miyazaki/Studio Ghibli

アニメージュプラス編集部

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