• 【ジブリ美術館】「君たちはどう生きるか」展で宮﨑駿の想像力を目で味わう
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2023.11.18

【ジブリ美術館】「君たちはどう生きるか」展で宮﨑駿の想像力を目で味わう

宮﨑駿監督によるイメージボード (C)2023 Studio Ghibli

三鷹の森ジブリ美術館では、2023年11月18日(土)より、新企画展示「君たちはどう生きるか」展 第一部 イメージボード編がいよいよ公開される。開催に先駆けて前日に行われた内覧会の様子から、その魅力をお伝えしよう。

およそ7年の歳月を費やして制作された、宮﨑駿監督の最新作である『君たちはどう生きるか』は、その制作過程で描かれた絵のほとんどが紙に鉛筆と絵の具で描かれたものである。今回の企画展示は、それらの素材を「イメージボード」「レイアウト」「背景美術」の三回に分けて展開される。

安西香月館長の挨拶では「今回の展示は宮崎吾朗さんの発案で『美術館らしく絵をちゃんと見てもらいたい』ということで、これまでの企画展とは違う感じになっております。変に思われるかもしれませんが、これが(美術館としては)普通なんですよね。映画制作の間に描かれた絵の持っているエネルギーを鑑賞できる展示になっていると思います」と、これまでの企画展示とは異なったコンセプトでまとめられたことが明らかにされた。

そして本展示の企画・監修を担当した宮崎吾朗さんからは「『君たちはどう生きるか』が宮﨑駿の最後の作品になるとしたら……そうじゃないような気がしたのでちょっとどうかと思いつつも(笑)、これが最後のチャンスになるかもしれない。7年もかけて映画を作ってきたわけですが、今回のイメージボードもそうですが、そこで生み出された手描きの絵は今まで以上に観るに値するものではないかと思ったんです。現在アニメーションの製作現場でのデジタル化が進んでいる中、ほぼ100%紙と鉛筆と絵の具で何年もかけて映画を作っているという行為そのものが、美術品として観るに値するものなのではないか」と、企画意図が説明された。
▲本展示の企画・監修を務めた宮崎吾朗さん

鈴木敏夫プロデューサー、宮﨑駿監督も一足早く展示を観たそうで「鈴木さんも『美術館みたいだね!』と言っていて、みんな同じ感想を抱くんだなあ、と。あと『逆に、なんか新鮮だね』とも言っていました。宮﨑駿は、今朝無理やり東小金井から拉致して連れてきましたが(笑)、『悪夢がよみがえる!』と言いながら絵を観ていました」(吾朗さん)と、内覧時の様子が語られた。

質疑応答での「『君たちはどう生きるか』をどう観たか」という質問に、吾朗さんは「あれに続くような作品はなかなか作れないと思う。手書きのアニメーションで、ここまで密度の濃い作画は勿論、他の人では思いつかないアイディアがある。何でインコが出てくるんだろう、とかね(笑)。またとんでもないものを置いていってくれたな、と。僕はあの作品のあとに監督やりたくありません(笑)。と同時に、映画ってやっぱり “絵” なんだとすごく感じさせられて。目で感動させられる、という体験を久しぶりにしました」と、率直な感想を述べた。
では、今回の展示で一番観てほしい絵は何か。
「第2弾ポスターに使われている眞人の絵(メイン写真)が印象深いですね。暗い絵でしょう?(笑) 少年時代の宮﨑駿はこんな面影を持っていたんだろうな、という気がします」(吾朗さん)。

(C)2023 Studio Ghibli (C)Museo d'Arte Ghibli

アニメージュプラス編集部

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