• ジブリパーク開園式レポート!吾朗監督「鈴木Pを逃がさない」発言
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2022.11.01

ジブリパーク開園式レポート!吾朗監督「鈴木Pを逃がさない」発言

(左から)ジブリパーク監督・宮崎吾朗、愛知県知事・大村秀章、、スタジオジブリ代表取締役プロデューサー鈴木敏夫、ジブリパーク代表取締役社長・大島宇一郎 (C)Studio Ghibli



「ジブリパーク」オープニングセレモニー
<大村秀章(愛知県知事)挨拶>
ジブリパークの構想発表から5年半。この期間に、スタジオジブリの世界が凝縮されたものができたことは、私は奇跡に近いと感じています。

スタジオジブリのコンテンツは、日本が世界に誇ることのできる、戦後近代文化の最高峰だと思っています。この作品群を、ジブリパークで未来永劫に残すことができる、多くの皆さんに楽しんでいただけることが嬉しくてなりません。日本を代表する文化事業であるジブリパークを、こうしてオープンできることに心から感謝申し上げます。

この場所で、世界中からジブリパークを見たいと思って来てくださる皆様の夢を叶えていきたい。日本中の子どもから大人までに愛され、愛知県民の皆様に愛され、どうか多くの皆様に未来永劫愛されるジブリパークとなっていくことを祈念いたしまして、挨拶といたします。

<鈴木敏夫(スタジオジブリ代表取締役プロデューサー)挨拶>
ものを作ることも大切ですが、(ジブリパーク誕生の)お膳立てしてくださった方がたくさんいらっしゃったんです。その中で一部の方をご紹介しようと思います。

最初に「モリコロパークにジブリを持ってくるのはどうか」とおっしゃった中日新聞社で当時会長をされていた白井文吾さんです。その頃、豊田市で開催していたジブリの展覧会を大変気に入ってくださったようで、「展示を全部持ってきて、モリコロパークに倉庫を作ってみたらどうか」と。いわゆる “ジブリの大倉庫” ですよ。その場ですぐにお返事はできませんでしたが、それがジブリパークのはじまり、7年前の話です。

それと前後するように、大村知事が東京・恵比寿の僕の事務所に何回も足を運ばれたんです。特に用事があるわけではなく、「モリコロパークにジブリを」とだけおっしゃる。僕は愛知県出身で、(地元の愛知に)ジブリパークなんて開いたら忙しくなるから嫌だったのですが(笑)、何度も説得され負けました。お話しする中で、大村さんは信頼できる人だなと思いました。それが大きな要因になりました。

そして、中日新聞社に20数年来のお付き合いをしている岡村さんという人がいます。僕の親父の葬式まで手伝ってくれた彼は、最後に心で動く男なんです。もしかしたら今回も彼がきっかけを作ってくれたのかな、とも思います。

先般、宮崎駿と私でジブリパークを観に来たんですよ。その中で子どものエリア(ジブリの大倉庫の「子どもの街」と「ネコバスルーム」)を見て、「俺には思いつかない面白さがここにはある」と、宮崎がいたく喜びまして。相手が息子でもライバル視して褒めない彼が「俺には真似ができない」と何度も言っていました。ジブリパークの細部を見ていくとわかりますが、吾朗くんがジブリの精神を受け継いでくれているなと改めて感じています。

皆様がこれから先、長く楽しんでくださるのか不安でならないのが今の正直な気持ちです。どうか皆様のお力添えをよろしくお願いいたします。

<宮崎吾朗(ジブリパーク監督)挨拶>
今回はデザイン・監修という立場で、ジブリパークの構想から工事まで、一貫して関わらせていただきました。私はこんなに長いプロジェクトに携わるのは初めてで、5年半って長いなと感じました。小学生だった息子は中学生になり、父は引退を撤回して長編映画を作り、私自身も映画を1本作りました。
とはいえ、これはまだ第1期です。今日もこのセレモニーの裏で第2期(「もののけの里」と「魔女の谷」)の工事が佳境に入っており、来年度のオープンに向けて走り続けないといけないなと身の引き締まる思いです。

先ほど、鈴木プロデューサーが僕のことを美談のように語っていましたが、すべて(ジブリ)を僕に押し付けてエスケープする腹があると見ていますので、彼を逃がさないようにして、頑張っていきたいと思います。

<鈴木プロデューサー囲み取材>
──完成された施設を見ての印象は?

鈴木 僕は、吾朗くんが何を作っているのか、あえて知らなかったんです。そして見てみたら、そこで使われているキャラクターが僕の描いたもの(「子どもの街」にある『ギブリーズ episode2』)だったことが一番驚きました。僕の描いたやつでしょ。それはどこで使ってもいいなという自由さがあり、そこが面白いと思いました。解き放たれて自由になった方が彼は面白いものを作るなと思いましたね。そして、「地球屋」が面白かった。あと、どんどこ森には「サツキとメイの家」があり、パークの中心になっていて、僕としてはそれが意味のあることだなと思いました。

──開園を楽しみにしている子どもたちも多いと思います。

鈴木 先日、ジブリパークを一足先に見てくれた子どもたちの声が聞こえてきました。家に帰ってから「また来たい」と言ってくれていたと。三鷹の森ジブリ美術館は、子どもたちのために作りましたが、子どもたち以上に大人の方がたくさん来てくださっています。それはありがたいことですが、もしかすると、ジブリパークは子どものための場所になったのかなと思いました。世の中には様々な価値観がある中で、僕は楽しいか、つまらないかという基準は大事だと思っています。子どもたちにはこのジブリパークで、「世の中には楽しいことがいっぱいある」ということを知ってもらいたいです。

──ジブリパークの楽しみ方は?

鈴木 それは開いてみないと僕らもわからない(笑)。こちらから押し付けることはできないので、どのように楽しんでいただくかは、来てくださる皆さんに見つけていただければと思います。僕らはお客さんにどう受け入れられるか、全くわからない。皆さんの反応を見て僕らも発見があるし、今後のジブリパークのどうしていくのかが決まります。最初は物珍しさで来てくれますが、一度来て「もういいや」じゃいけませんよね。何度も足を運んでいただけるジブリパークを目指しています。それには努力しかない。普通の公園って何度も足を運ぶものでしょ。毎日行く人もいる。そういう存在になってくれればと思います。

(C)Studio Ghibli

アニメージュプラス編集部

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