• 色彩検定が頑張る人の背中を押す!山口つばさ×CloverWorksが紡ぐショートアニメ
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2022.08.18

色彩検定が頑張る人の背中を押す!山口つばさ×CloverWorksが紡ぐショートアニメ

色彩検定が頑張る人の背中を押す!山下大輝、東山奈央出演のショートアニメ公開


◆制作陣 対談インタビュー
キャラクターデザイン担当:山口つばさ
アニメーション色彩設定担当:CloverWorks 山口舞
企画担当:色彩検定協会 山中雄市

――本アニメ動画の制作に至った経緯や背景についてお聞かせください。

山中 ここ5年くらい、色彩検定協会としてアニメやイラストに絡めた広告を打つことが非常に多かったんです。アニメやイラストの中で色彩は非常に大事な要素ですし、日本が誇る文化を大切にしたいという思いもありました。
それに加えて、(色彩検定が)将来アニメやイラストの道に進まれることを考えられている方や、現役でお仕事されている方のお力になれたらと思っています。
私自身、(色彩検定協会の仕事を通して)アニメの影響力を肌で感じていたので、今回そのお力をお借りして、より多くの方に色彩の楽しさを知っていただけたらなということで、制作をお願いすることになりました。

――山口先生とCloverWorksさんを起用された理由についてお聞かせください。

山中 山口先生にお願いした理由からお話からすると、山口先生が手がけられている『ブルーピリオド』のアニメを拝見している中で、主人公の八虎くんの言葉に共感したことがきっかけです。八虎くんは、美術の世界に踏み込む前は特別な才能を持つ人だけが絵を描けると思っていた、と。でも実際に足を踏み入れてみると、そこにはいろいろな理屈があって、理詰めでも良い絵が描けるという考え方に変化していく。
それって、色彩検定でも同じことが言えるなと。デザインや色彩(感覚)って「センスがある人や才能がある人のもの」と考えられている方は非常に多いと思うんです。でも良い色使いにはルールがあって、それを把握することで、色を操る能力を身につけることができる。そういう部分でご理解していただけそうだなと思っていました。

山口つばさ それこそ原作には色のお話も出てくるんです。アニメだと尺的な問題で説明しきれていない部分もあるので、ぜひ原作も読んでいただけたらと思います。

山中 CloverWorksさんにお願いした理由は、CloverWorksさんが手がけられている『約束のネバーランド』のアニメや『SPY×FAMILY』のPVを拝見している中で、クオリティの高いアニメーション制作をされているなと思っていました。また、原作を生かした作品づくりをされているという印象もありました。
山口先生のキャラクター原案を生かした制作をしてくださるのではないかと思い、CloverWorksさんにお願いしました。

――皆さんの普段のお仕事と色の関わり合いについて教えてください。普段の仕事の中で、色をどのように扱っていますか?

山中 とにかく色のズレに気を遣いながら仕事をしています。とりわけ試験問題を作るときは神経を遣っていますね。少しでも色がズレると、正解が変わってしまうんです。「色について勉強しましょう」と言っている立場なのに、色がズレていたり、おかしかったりしたら、困惑させることになってしまう。せっかく時間とお金とやる気を使って勉強してくださっているのに、違うことを覚えさせるわけにはいかないので、公式テキストや試験用紙の印刷も色にこだわっています。

山口つばさ 漫画の場合、基本的にはグレーが多くて。色を使うのって表紙やカラーのカットのみで、言ってしまえばサブ的なところに入ってくるので、言葉にするのは難しいところなのですが……率直に言うと、色に関しては苦手意識があるんです。
自信を持って言える部分だと、漫画の中ではグレーの部分を気をつけるようにしています。デッサンをするときも、紙の上に(グレーの色味が)乗っているだけでも印象が変わるので、スクリーントーンを重ねるときも注意しています。
例えば、ドットのトーンだけではなく、砂目のトーンや、実際に紙に描いてスキャンして水彩っぽくしたもの、時にはザラザラとしたブラシを使用して、単純に濃い色にするだけではなく、ニュアンスがどう変わるか気をつけています。それが色のことと言って良いのかはわからないのですが。
グレーって、単純に白と黒を混ぜるだけではなく、黄色と紫を混ぜてもグレーになるんですよね。そういう意識というか。黒と白の重なり方次第で、人間の受ける印象って変わると思うので、そこは気をつけるようにしています。

山口舞 アニメの場合は、漫画・小説の表紙やカラーページなどの、元のイメージを崩さないことを意識しています。
ただ、先ほど山口先生がおっしゃっていたように、漫画の場合は(通常のページが)グレーなので、表紙やカラーイラストがないという場合も多いです。そういった場合は原作者の方から「現場で色を決めていいですよ」とおっしゃっていただくことが多いので、そのキャラクターの性格を考えつつ「ピンクの服は着ないだろうな」「青はどうかなぁ」などと考えながら作っていきます。
アニメの場合は絵を見て楽しむ方が多いので、色のイメージが違うと、作品に集中できなくなってしまう可能性もあります。それはあってはいけないので、作品を見ていて邪魔にならない感じといいますか、視聴者の方が違和感を抱かないような色選びをする、ということを意識しています。色が目立ちすぎてしまうと、映像を見ている人は疲れてしまうと思いますので。
特に映画の場合は長時間見られるので、色が単調にならないようにしつつ、色で目を引くようなシーンも作るようにしています。

アニメージュプラス編集部

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