• 【独占取材】『芸人アニメ監督』で炸裂した〈天才〉「いおり」の正体に肉薄!
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2022.06.11

【独占取材】『芸人アニメ監督』で炸裂した〈天才〉「いおり」の正体に肉薄!

5匹に見えるけれど1匹のパンダといおり


★芸人・いおりの誕生の謎★

ーーさて、そんないおりさんですが、美大出身なのになぜ芸人さんの道を歩んでいらっしゃるんでしょうか? それも謎です(笑)。

いおり よく聞かれます(笑)。

ーーどんなきっかけや経緯で芸人さんになったんですか?

いおり 大学3年生になったら、みんな就活を始めるじゃないですか。自分も何となく「就活をしないとなぁ……」っていう意識はあったんですけど、別にこういう就職をしたいみたいな希望は何もなくて。そうしたらある日、家族でご飯を食べていてお父さんが「いおりは就職どうするんだ?」って聞いてきて、いおりが答える間もなく間髪入れずにお母さんが「いおりは就職なんかできないよ!」って。それを聞いて「え? じゃあ(就職)しなくていいんだ、ラッキー!」って思っちゃったんです。

ーーなるほど(笑)。

いおり だからしばらく就活をしないで過ごしていたら、お母さんが「どうせ就職しないんだから、これでもやりなさい」って、ワタナベエンターテインメントのオーデョション案内を渡してくれました。それは別に芸人だけじゃなくて、タレント、女優、歌手、アイドル、何でも募集しますみたいなオーデョションで。行ってみたら、本当に「嘘みたい!」って思ったんですけど、「今日、合格したのはキミだけです」って言われました。

ーーすごい。

いおり 嬉しくて「嘘みたい!」じゃなくて、「嘘でしょう? インチキなんじゃないの?」みたいな(笑)。

ーー(笑)。そのオーデョションではどんなことをしたんですか?

いおり 自己紹介と、あとは1枚セリフの書いてある紙を配られて、グループ分けをされて、配役を決めてセリフを覚えて、見せてくださいっていう。そういうのです。

ーーでも、いおりさんはそういう演劇的な経験はなかったんですよね?

いおり そうですね。しかも、その日に一緒に受けた人たちはみんなもともとそういうことをやっていた経験者で、ワタナベに入りたくてオーディションに来たという人が多くて。自己紹介の時も、あの……宝塚の自己紹介あるじゃないですか。

ーーはい、はい。

いおり あれくらいしっかりとした自己PRが、みんなちゃんとできていて。配役を決める時も、そういう「配役決めの教科書」ってあるのかな? というくらいテキパキとしていて。いおりはそこに入って「はい」「はい」って、ただ言うことを聞いていただけでした。

ーーでも、そんな激戦のオーデョションで見事に勝ち残ってしまった。

いおり はい、だから「嘘みたい!」って思いました(笑)。

ーーつまり。芸人さんを目指してオーディションに参加したわけではないんですね。

いおり そうですね。オーディションが終わって説明会みたいなものがあった時に、「何をしたいですか?」って聞かれて、逆に「何をしたらいいんですか?」って聞いたら「じゃあ、女優かお笑いのどちらか」と言われて。その時、「絶対にお笑いじゃん!」ってピンときて「お笑いにします」って答えました。

ーーお笑いもお好きだったんですか?

いおり 小中学生の頃に『爆笑レッドカーペット』とか『エンタの神様』とか、あとバラエティも『はねるのトびら』とか『ワンナイR&R』とか盛んな時期だったから。意識して「お笑いが好き」と思ってはいないけれど、自然とは見ていたという感じです。

ーーそれでも女優かお笑いかの2択で「お笑い」と、直感でピンときたんですね。

いおり はい。

ーー何か……やっぱりスゴいですね(笑)。

いおり スゴいですか?

ーースゴいです(笑)。お笑いを目指す人は「芸人になって売れたい」って必死な人というイメージですが、そんな世界に直感を元に手ぶらで突入するわけですよね。

いおり そのあと1年間、養成所に通いましたが、養成所も同期が150人くらいいたんです。でも、(事務所に)所属できるのは1割にも満たないくらいという感じで振るい落とされて。そこでも勝ち残れました。

ーー強いですね。

いおり 強いですね!(笑)

ーーフリップを使ったネタは、やはり美大出身という経歴を活かして?

いおり いおりの頭の中にある「おもしろいもの」は、言葉で伝えたりコントで演技したりというよりも、絵で見せる方がいいかもなって思いました。

ーー今は芸人さんとして、どんな活動をなさっているんですか?

いおり 今は自分のネタも作りつつ、去年「M-1に出ないと」と思って。「相方を探してます」ってツイートしたら、ヤマトさんという同じ事務所の10年くらい先輩が「やろう」って言ってくれて。2人で「Hi TEENS」というコンビを結成しました。そしたら評判がよかったので、M-1以降もそのままネタを続けています。

ーーピン芸人としての活動と、コンビでの活動を並行して。

いおり はい。

ーー今回の企画でいおりさんを知って、ネタを見てみたいという人も多いと思います。どこに行けば見られますか?

いおり 毎月、事務所のライブを表参道GROUNDという場所でやっています。そこに来てください!

ーーYouTubeで動画もあげていらっしゃいますよね。

いおり はい。でもYouTubeをはじめたのは、たとえば今回みたいに少しTVに出られたという時に、気になって調べてくれた業界の人たちの資料になればいいなって。「こういう感じなんだな」ってことがツイッターやインスタよりわかるようなものであるといいなと思って投稿していたので。たくさん動画をあげて再生回数や登録者を増やして……という志はないです(笑)。

ーー(笑)。直感で動くところとクレバーでしっかり計算しているところ、両方あっておもしろいですね。

いおり どっちかわからないですよね(笑)。実はすごく考えているのか、何も考えずただ当てずっぽうでやっているのか。自分でもわからないです。

ーー番組収録当日も、ゾフィーの上田さんがいおりさんを評して「シュールなものをやりたい普通の人はよくいるけれど、いおりさんは全力でやりたいものを作ったら結果的にシュールと受け取られるタイプ。計算はないけど少しだけ強い理性を感じる」っておっしゃっていました。

いおり 言ってくれていましたね。いおりも雰囲気だけで「不思議ちゃん」ってひとことでかたづけられることが多くて、でも、本当はいろいろ考えているのに……っていつも思っているんです。何も考えずに発言しているわけじゃないに、でも、言葉が足りなかったのかなぁ……とか。だから、上田さんがそうやって汲み取ってくれて、すごく嬉しかったです。

ーー今回のインタビューでも、いおりさんがただ者ではないということはきっと伝わると思います。

いおり そうですか?(笑) でも、お母さんは「あんたは普通の子よ」っていつも言います。

ーー……お母さんもただ者ではなさそうですね(笑)。

いおり オーデョションに送りだした娘が「芸人になるよ」って言い出しても、驚きもせず「ああ、そう。ぴったりじゃん!」って言ってました(笑)。

ーーこれからは、どんな活動をしていきたいですか?

いおり 本当は、もっと映像の作品も作っていきたいです。それも、30分のしっかりしたアニメというよりショートのアニメで、刷り込んでいきたい(笑)。
いおり
ワタナベエンターテインメント所属。
1995年10月29日生まれ、栃木県出身。
女子美術大学デザイン工学科ヴィジュアル専攻卒業。
独特のキャラクターと美大出身という経歴を活かしたフリップ芸で注目されている、芸歴5年目の若手芸人。
同事務所所属の芸人・ヤマトとのコンビ「Hi TEENS」でも活動中。

いおりTwitter=@UnxnUzZ

>>>『芸人アニメ監督』番組公式サイト



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(C)東映アニメーション

アニメージュプラス編集部

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