• 【TARAKOさんお別れの会】参列者800人が想いを込めて追悼の大合唱
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2024.06.17

【TARAKOさんお別れの会】参列者800人が想いを込めて追悼の大合唱

『ちびまる子ちゃん』出演キャスト陣が祭壇の前に立ち、会場の全員と「おどるポンポコリン」を大合唱

6月15日に東京有明のTFT HALL 1000にて、今年3月4日に亡くなったTARAKOさんのお別れの会「TARAちゃんありがとうの会~たいせつなきみへ~」が執り行われた。お別れ会には『ちびまる子ちゃん』で共演した声優陣をはじめ、親交のあった関係者800人が参列。その早すぎる別れを悼んだ。

TVアニメでは『ちびまる子ちゃん』のまる子、『みかん絵日記』のみかん、『まじかる☆タルるートくん』のタルるート、『それいけ!アンパンマン』のフランケンロボくん、日本テレビの天気予報のマスコットキャラクターであるそらジローといったキャラクターを演じていたTARAKOさんは、1990年にTVアニメ『うる星やつら』で声優デビュー。1982年に放送された『戦闘メカ ザブングル』でチル役として初レギュラー、翌年に発売されたアルバム「とっておきの時間」で歌手デビューを果たした。1990年からは『ちびまる子』ちゃんの主人公・まる子役を担当。初回放送から35年間にわたって、その個性的な声と特徴的な言い回し、親しみやすい緩急自在な演技でお茶の間を魅了し続けた。

また声優、シンガーソングライターとして以外にも映画やドラマに出演したりテレビの司会、ラジオDJ、エッセイストとしても活躍。演劇集団WAKUを主催するなど脚本家・演出家、さらには舞台役者としても才能を発揮していた。
そんなTARAKOさんだが、今年1月に入院。病と闘いながら仕事を続けていたが、容態が急変。3月4日に63歳でその生涯を閉じることとなった。

TARAKOさんの人柄をイメージしたというオレンジ色を基調にバラ、ダリア、トルコキキョウなど5000本の花々で彩られた祭壇は『ちびまる子ちゃん』の美術監督を務める野村可南子さんがデザイン。まる子と同じピンクのリボンがあしらわれた遺影の傍らにはTARAKOさん愛用のギター、祭壇にはTARAKOさんが演じたキャラクターたちのパネルが置かれ、花畑の中で楽しくギターを奏でるTARAKOさんを、まる子たちが囲んで一緒に音楽を楽しんでいる世界が表現された。

式典では参列者を代表して弔辞を読んだのは、アニメ『ちびまる子ちゃん』の初代プロデューサーである清水賢治、アニメ『それいけ!アンパンマン』などで共演したほか舞台活動でも親交を深めた中尾隆聖、長年にわたってTARAKOさんが主催する演劇ユニット・WAKUに参加していた「news every.」のお天気キャスターとして知られる木原実、『ちびまる子ちゃん』の番組の立ち上げからナレーター役をつとめ、TARAKOさんと二本柱で番組を支えてきたキートン山田の4人。

清水は『ちびまる子ちゃんの』第1話の試写でまる子に対して「あんなにひねくれた子供はいない」と辛辣な意見が続出したといったエピソードを披露。そんなまる子を愛らしく元気に一挙手一投足を生き生きと演じたTARAKOさんの演技を讃えつつ、明るい笑顔で家族のような収録現場を作り上げ、アニメ『ちびまる子ちゃん』を日本中の家族に愛される国民的アニメにまで成長させていったTARAKOさんに感謝の言葉を述べていた。

中尾はアニメ『それいけ!アンパンマン』で自身が演じたバイキンマンと、TARAKOさんが演じたフランケンロボくんとの掛け合いが思い出されたようで、バイキンマンに愛らしく「パパ、パパ」と呼びかけるフランケンロボくんが大好きだったとのこと。そんな中尾だが、街中で子供が言った「パパ」という声を聞いて「ここにTARAちゃんがいたらなと、つくづく思いました」と語り、「私もすぐそちらに行きますんでね。そしたらまた美味しいワインを、美味しい食べ物を、お芝居の話をたくさんしたいと思います」と天国のTARAKOさんに語りかけていた。

TARAKOさんが主催する演劇ユニット・WAKUの舞台に出演していた木原は、テレビと舞台の両立が難しく稽古時間が少ない中、脚本・演出を担当したTARAKOさんが「どの作品でも素敵な役を僕に書いてくれました」と振り返りつつ、「TARAちゃんがいなかったら、僕はとっくに芝居を離れていたでしょう」と感謝の言葉を口にする。ただ公演直前に配役を入れ替えたり開演後にセリフを変更したりということもあったそうで、「やりたい放題でした」と苦笑しつつ、「そのたびに舞台が面白くなっていった。あなたは天才でした」とTARAKOさんとの舞台の思い出を懐かしんでいた。

最後にメールを交わしたTARAKOさんの誕生日(12月)のことを語ったキートン山田だが、何十年もの間交換してきたメールの中で一番文章が短いだけでなくいつもいっぱいだった絵文字もなかったことで、何か異変を感じてとのこと。ただ折り返して聞く勇気はなかったそうで、2ヶ月半が経ち飛び込んできた訃報にうろたえたという当時の胸の内を語ってくれた。最後に「まる子よ、順番がちが違うだろ。友蔵が先である。後半へ続く」といつものナレーション風に呼びかけ、「じゃあね」と別れの言葉で締めくくった。

TARAKOさんがみかん役を演じたアニメ『みかん絵日記』の作者である安孫子三和からの追悼メッセージが読まれた後には、祭壇の前にさくら家をはじめ、このアニメに出演したキャスト陣がズラリと勢揃い。中にはTARAKOさんの後を継いでまる子役を演じることになった菊池こころの姿も。亡きTARAKOさんに届とばかりに大きな声で友蔵役の島田敏が「TARAちゃんや、本当に……本当にお疲れ様でした。TARAちゃんや、見守ってておくれー!」、さらにひろし役の屋良有作が「TARAちゃん、頼んだよ。そしてTARAちゃん、たくさんたくさんありがとなー」とそれぞれキャラクターの口調で呼びかけると、アニメ『ちびまる子ちゃん』のオープニング主題歌「おどるポンポコリン」を参列者全員で大合唱。最初はハンカチを手に涙を浮かべながら曲を口ずさんでいる人も多かったが、歌っているうちにやがて誰もが明るい笑顔に変わっていくことに。軽快なメロディが余韻を残しながら終わると会場は温かな拍手に包まれた。

お別れの会の最後には、TARAKOさんが元気に笑顔で旅立つことを願って、TARAKOさんの歌った曲を聞きながらオレンジ色のカーネーションを参列者が次々に献花。常に明るく元気に場を和ませていたというTARAKOさんの人柄が偲ばれる、そんな雰囲気に満ちあふれた別れ会となった。

(C)さくらプロダクション/日本アニメーション

アニメージュプラス編集部

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