日本からは、今年公開&公開予定の4作品がセレクトされた。
■『BLUE GIANT』(立川譲監督)「全編の四分の一ほどを占めるジャズシーンの迫力。要所を抑えた演出で描かれる青春の一幕は胸を打ちます」(藤津)
(C)2023 BGP (C)2013 S.I, S
■『駒田蒸留所へようこそ』(吉原正行監督)「ウイスキーとWEB媒体の仕事を通じて、人と仕事の関係が描かれます。観終わった後に背筋が伸びるような作品です」(藤津)
(C)2023 KOMA復活を願う会/DMM.com
■『かがみの弧城』(原恵一監督)「困難に突き当たっている人によりそってくれるような作品です。感情的な盛り上がりと謎解きが重なり合うクライマックスが胸を打ちます」(藤津)
(C)2022「かがみの孤城」製作委員会
■『北極百貨店のコンシェルジュさん』(板津匡覧監督)「洗練された作画とやさしい雰囲気の美術が作品を支えています。コミカルなお仕事ものですが、その向こう側には「切なさ」があります」(藤津)
(C)2023西村ツチカ/小学館/「北極百貨店のコンシェルジュさん」製作委員会
もうひとつの柱となる「レトロスペクティブ」は、「海外映画祭と監督」というテーマを掲げ海外映画祭で賞に輝いた監督の作品をセレクト、『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』(2019/片渕須直監督)、『夜明け告げるルーのうた』(2017/湯浅政明監督)、『音楽』(2019/岩井澤健治監督)の3作品が上映される。
▲『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』 (C)2019こうの史代・コアミックス /「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」製作委員会
▲『夜明け告げるルーのうた』 (C)2017ルー製作委員会
▲『音楽』 (C)大橋裕之/ロックンロール・マウンテン/Tip Top
「レトロスペクティブの3作は、今、世界で次回作が待たれている監督の作品を並べました。それぞれまったく違う魅力を持っているので、是非劇場でそれを確認してください」(藤津)
またアニメーション部門の上映に併せて、2つの関連シンポジウムも開催される。
『青年を描くアニメーション』ではアニメーションで「青春の風景」をどのように描いているのか、そして『アニメーション表現の可能性』ではアニメーション監督たちがいかなる発想で題材を選び、それをどのようにアニメーションとして成立させるのか、出品作品の監督たちによって語られていく。
東京国際映画祭2023アニメーション部門は、様々な形で日本・世界のアニメーションの現在と未来を俯瞰できる絶好の機会となりそうだ。