──『Cheer up on the Radio』は「ラジオ」をテーマにした、ノリの良い1曲ですね。
柿原 僕のバンドの馬渕(直純)くんに「ラジオ」という分かりやすいテーマで作ってもらった曲です。夏のライブツアーを見越して、コール&レスポンスも入ったアップテンポなハッピーチューンになりました。
僕はそもそもお芝居よりも先に、ラジオで声優デビューさせてもらったこともあり、ラジオには特に思い入れがあって。そんな僕から見てもリスナーに前向きなラジオを提供するという理想的なラジオの姿が歌詞や曲調で表現されていて、「(馬淵くんは)ラジオをやったことないはずなのに、よく書けたな」って感心しました(笑)。
──4曲目の『Best wishes』は、とてもおしゃれなサウンドが印象的でした。
柿原 「ダンスナンバーもやりたいね」という話から、最新のダンスビートのイメージで作ってもらった曲です。最初は、聴いたらすぐに気づくくらい、女性目線を意識して歌おうかなと考えていたのですが、曲調や世の中の風潮も考慮してもうちょっと中性的なイメージに寄せた感じです。歌詞もきれいにおしゃれに聴かせられたらと、喜介さんにお願いして書いていただきました。
──5曲目の『Summer Time Love』もタイトル通り夏ムード全開の、大いに盛り上がる曲に仕上がっています。
柿原 もうイントロの段階で「中土智博の曲だな」って分かるような曲です。夏を感じさせてくれるアッパーチューンというだけでなく、中土さんらしい独特の譜割りで歌詞が当てられているのが特徴で、それが歌っていてもとても気持ちいいんですよ。
「なんでここで一音?」とか思ったりもするのですが、何回も聴いて何回も歌っているうちにしっくりハマってきて。一度入ったら今度はそうとしか聴こえなくなるのが中土テイストだなって思っています。ただ、曲としてはめっちゃムズくて……「ほぼ英語じゃん!?」と思いながらレコーディングしました(笑)。
──そしてアルバムを締めるラストは『道』。これまでのムードとは一転して、とてもメッセージ性の強い曲となっています。
柿原 キーボードのりょぺす(荒幡亮平)が、「失っていくもの」をテーマに作ってくれたんです。メッセージ性のあるフォーキーな曲を、宮嶋(淳子)さんが上手く歌詞に落とし込んでくれました。
とても思いが詰まった歌詞で、僕としては手紙を代読するような気持ちで歌わせてもらいました。りょぺすや宮嶋さんの伝えたい思いはそのままに、楽曲として上手くバランスをとることができたんじゃないかと感じています。
(C)Kiramune Project