『ガチ恋粘着獣』香音と石井杏奈が繰り広げた「女同士の壮絶バトル」

【感情を前面に出すところが雛姫との共通点】

――演じられた役と自分の共通点はありますか？

石井　琴乃の好きな人（コスモ）や友達（奈緒）との関係性は、自分ととても似ているなと思いました。私もどちらかというと自分よりも人の喜ぶ姿が見たいタイプですし、自分が我慢しすぎたときは友達が声をかけてくれて、そこで初めて頼ることができるというところも一緒ですね。周りの人との関係性にとても共感できたので、演じやすかったです。

香音　私は、雛姫の嬉しい気持ちも悲しい気持ちも全部表に出すところですね。私もわりと感情を前面に出すタイプなので、嬉しいときに嬉し涙が出ちゃう気持ちもよく分かります。ただ、怒ったときにあれほど荒ぶるかと言われたら、それは違います（笑）。

あとは、作中で雛姫が「スバルくんが身につけているものを自分も身につけたい」と思っているシーンがあるのですが、私も自分が飼っている愛犬たちと同じ服が着たくて、お揃いのジャージを購入したことがあります。私にとっての推しは、ワンちゃんたちなので！　お揃いのジャージをそれぞれ着て、一緒にお散歩に行きました。

石井　可愛い。

香音　でも、すっごく目立ちました（笑）。

石井　そりゃそうでしょ（笑）。

【石井さんが撮影で琴乃に憑依できた理由】

――今回、役作りはどのようにされましたか？

香音　私は今まで「推し」というほど何かにハマった経験がなかったので、「スバルくんにハマる」ということをしました。ひとりの時間もスバルくんの写真を見て、スバルくんのことを思い浮かべて、「私の彼になってください」「私だけのものになってください」ということをずっと考えていました。

なので、クランクインしてからはスバルくんの顔を見ただけで「本当に画面の中の人が出てきてくれた！」って嬉しかったし、会っただけで涙が出てきてしまいました。実際に存在して、目の前で一緒に会話してくれていること全てに感謝していたし、「特別扱いされてる！」って雛姫の気持ちになれていたので、実際の撮影ではスムーズに役に入り込めました。

石井　私は、今回原作のある作品の映像化なので、するなら原作を超えるものを作りたいという思いがありました。なので、撮影の前日にはいつも、次の日に演じるシーンの原作チェックをしていました。

「原作の琴乃はこういう風だった」というのを頭の隅に入れて常にお芝居をしていたので、「琴乃って自分に似た部分もあるけれど、琴乃らしさがすごくある子だな」ということを改めて実感すると同時に、「それを絶対に無くしたくない」と意識することができました。

前日にしっかり「原作の琴乃」を自分の中に入れておくことで、撮影のとき、琴乃に憑依することができたと感じているので、それが一番の役作りになったと感じています。