• 日本のアニメ作品に影響を受けた名作『ミューン』BD&DVDが11/16発売!
  • 日本のアニメ作品に影響を受けた名作『ミューン』BD&DVDが11/16発売!
2022.09.19

日本のアニメ作品に影響を受けた名作『ミューン』BD&DVDが11/16発売!

『ミューン 月の守護者の伝説』 11月16日(水)ブルーレイ発売/デジタル配信開始 (C) 2014 ONYX FILMS-ORANGE STUDIO-KINOLOGY 発売/ウォルト・ディズニー・ジャパン


◆PRODUCTION NOTE
●テリー・ギリアムとティム・バートン、そしてディズニー作品の影響
『ミューン 月の守護者の伝説』の企画は、実写映画の脚本・演出を手掛けてきたブノワ・フィリポンによる短編構想から始まったと言う。当初案は、小鹿のような顔をしたキャラクター(ミューン)が、月にロープをかけて地上に降ろし、食べてしまうという内容であった。それは、テリー・ギリアム監督の『バロン』(1988年)に着想を得たものだった。

『バロン』は18世紀のドイツを舞台とした奇想天外なファンタジー映画である。
中盤で月の国を舞台としたバロン(男爵)の冒険が語られる。巨大な首だけで宇宙を飛ぶ月の王とその乗物である機械仕掛けの三頭鷲が登場。バロンは三日月の尖った先端にロープをかけ、宇宙から地上へと帰還する。
本作を見ると、確かにこのシーンにインスパイアされたことが確認できる。全編で舞台風の平面的なセットと立体的な特撮が入り乱れ、虚実入り乱れた不統一感が貫かれた演出は、本作の美術様式に影響を与えたと思われる。

また、フィリポンはミューンの青白い肌と華奢な体・人見知りの性格・自信のない挙動などの設定を、ティム・バートン監督の『シザーハンズ』(1990年)の主人公エドワードをイメージして作り上げていったと言う。
バートン原案、ヘンリー・セリック監督のストップモーション・アニメーション長編『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』(1993年)にも、二つの異なる世界を混乱させる主人公、世界修復に奔走するヒロイン、ロマンチックな結末など本作との共通点が多い。
フィリポン監督に聞いたところ「意識したわけではないが、大元を辿るとその影響もあったかも知れない」との答えを得た。

一方、自信家で頑健な体を持つソホーンの設定・デザインには「スター・ウォーズ」シリーズに登場するハン・ソロ船長や、「トイ・ストーリー」シリーズのメインキャラクターであるバズ・ライトイヤーの影響もあると言う。

監督に就任したフィリポンは、こうした往年のハリウッド先行作品のイメージを借りながらも、似て非なる方向へとシナリオを膨らませていった。

●宮崎駿のイメージと細田守の表情設計に学ぶ
フィリポンとヘボヤンは異口同音に「日本のセルアニメーション、特に宮崎駿監督作品に多大な影響を受けた」と語 っている。確かに『もののけ姫』の神秘的な森やシシ神=デイダラボッチのイメージは、本作の夜の世界の神殿に被って見える。ミューンの操る糸を吐く蜘蛛たちのデザインは『となりのトトロ』(1988年)、『千と千尋の神隠し』(2001年)に登場するススワタリに似ている。


言うまでもなく日本は2Dセルルックアニメーション量産大国である。本作の作画は3DCGがメインであるが、夢のシーンは2Dセルルックの手描きで制作されている。手描きパートのみ、ゴブラン出身のアニメーターが集うスタジオ「ラ・カシェット」に外注されたという。

また、キャラクターデザインも目鼻のパーツの凹凸を陰影でぼかすだけでなく、わざわざ手描き風の輪郭線を残して表現している。背景美術も写実そのものでなく、平面的で樹木の葉も厚みが強調されていない。これらは、オスロ監督の 半立体画風と、日本の2Dセルルックを融合させたものと言えそうだ。

ヘボヤンによると、とりわけヒロインのグリムのデザインと表情の作画について、細田守監督『おおかみこどもの雨と雪』(2012年)をかなり参考にしたとのことだ。大きな眼に小さな鼻と口を持つ細身のヒロイン像には、言われてみれば『おおかみこども~』の母・花や娘・雪の面影がある。なお、同作品のキャラクターデザインは貞本義行である。

★公式サイト
★商品に関してはこちら

『ミューン 月の守護者の伝説』
11月16日(水)ブルーレイ発売/デジタル配信開始
(C) 2014 ONYX FILMS-ORANGE STUDIO-KINOLOGY
発売/ウォルト・ディズニー・ジャパン

アニメージュプラス編集部

RECOMMENDEDおすすめの記事

RELATED関連する記事

RANKING

人気記事