• 『カラミティ』作画の参考はアメリカの古いポスター! 鍵は飽和色
  • 『カラミティ』作画の参考はアメリカの古いポスター! 鍵は飽和色
2022.04.20

『カラミティ』作画の参考はアメリカの古いポスター! 鍵は飽和色

(C)2020 Maybe Movies ,Norlum ,2 Minutes ,France 3 Cinema

2022年4月20日(水)にブルーレイ・DVD化&配信/レンタル開始の『カラミティ』は、『ロング・ウェイ・ノース 地球のてっぺん』のレミ・シャイエ監督の最新作。
監督がこだわった絵の描き方や光、色彩について語る特典映像の一部が公開された。

『カラミティ』は、アヌシー国際アニメーション映画祭 クリスタル賞(グランプリ)受賞。アメリカ西部開拓時代の女性ガンマン、カラミティ・ジェーン誕生の勇気と感動の物語。
家族と共にアメリカ西部へ幌馬車で旅をしていた12歳の少女マーサ。だが父親が負傷したことをきっかけに、彼女は家長としての立場と務めようと奮闘する。

『カラミティ』のブルーレイ発売を記念して、映像特典の一部が公開された。シャイエ監督やスタッフらがこだわった絵の描き方や光、色彩について語るインタビューだ。

監督は、アメリカの古い観光ポスターを参考にしたと語る。「これらの絵には僕らが求めるシンプルさと、インパクトの強さがあった。もうひとつの方向性は、心に残る色彩を出すこと。飽和色を使って、光の揺れと照明効果を出した。ナビ派や印象派画家が使った手法だ」と印象的な色彩や光の描き方について言及している。
また、スタッフが日中に作業する際、目が光に順応してしまうため、覆いを被せ映画館の中にいるような暗さで光を生み出す作業をしている風景も。アニメーションには太陽光がなく、光を明色だけで表現できないため色彩で補う作業が必要と語り、白ではなく飽和色で光を描き出していく。「反対色のコントラストやドミナントカラーを使い、明暗で2つの世界の対比で光を感じさせる。光を押し出すやり方だ。光を予想外の部分に落として表現する。その方が光を感じる。あとはバランスの問題だ」と絶妙なバランス調整をしつつ、完成に近づいていく様子を楽しむことができる。
『カラミティ』は前作『ロング・ウェイ・ノース 地球のてっぺん』と同じ美術チームが、キャラクターを輪郭線で囲わず、ベタ塗りの色彩と光と影によって人物と背景を描き分けるという独自のスタイルを更に掘り下げ、よりリアルな表現を実現した作品である。
レミ・シャイエ監督が率いるこのチームは、カラー担当パトリス・スオウ、レイアウトと背景担当エディーヌ・ノエル、絵コンテとキャラクター・アニメーション担当のリアン=チョー・ハンとマイリス・ヴァラッド、モンタージュ担当ベンジャマン・マスーブルが中心となっている。
『カラミティ』は馬が駆け巡り、アクションもふんだんに織り込まれた西部劇であり、1カットあたりの平均人数は2.5人。開拓者たちが多く登場するシーンでは20人に上る箇所もあるという。

特典映像ではさらに、貴重な当時の写真などとともに、作品の誕生秘話を知ることができる。ぜひ本編と共にお楽しみいただきたい。

>>>『カラミティ』本編の画像その他を全部見る(画像7点)

(C)2020 Maybe Movies ,Norlum ,2 Minutes ,France 3 Cinema

アニメージュプラス編集部

RECOMMENDEDおすすめの記事

RELATED関連する記事

RANKING

人気記事