• 【マガデミー賞2023】ハナコが語り尽くした最終審査の裏側&マンガへの絶対愛
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2024.03.26

【マガデミー賞2023】ハナコが語り尽くした最終審査の裏側&マンガへの絶対愛

「マガデミー賞2023」特別審査員を務めたハナコ 撮影/大山雅夫


――では、各部門決定までのやり取りの中で印象的だったことをお聞かせください。

主演男優賞:紬凛太郎『薫る花は凛と咲く』

菊田 凛太郎は5つの評価項目に満点を入れた審査員が4人もいるんですよ、すごいですよね。それだけ人の心を打つキャラクターなんだなって。なので、すんなりと決まった感じでしたね。

――あれ? 菊田さん、先ほどは田中を推していたのでは……?

菊田 はい、僕は田中を1位にしていたんですけれど(笑)、凛太郎の受賞は本当に納得です。

主演女優賞:茅野うみ子『海が走るエンドロール』

秋山 こちらはすごく意見が拮抗した印象ですね。キャラクターの魅力も実に様々で……。

――各作品のジャンルも全然違っているし。

秋山 そうなんですよ、年齢や設定も本当にバラバラ。ゲームの中の人物だったり、1000年以上生きているエルフもいるし(笑)。

――そんな中からうみ子が選ばれた理由は何だったのですか。

秋山 様々な理由があるのですが、僕自身が思ったのは、うみ子が活躍する姿に、彼女と同年代の年配の方だけでなく、その下の世代にも「まだ私もこれから新しいことに挑戦できるのでは?」という勇気を与えたからじゃないでしょうか。

助演男優賞:ヒンメル『葬送のフリーレン』

岡部 まず『ブルーロック』からは糸師と御影の2人がノミネートされているんですが、「そこからは選べない」と皆さんおっしゃるんですね。作品の中に魅力的なキャラが多すぎて、誰か一人というのが難しいと(笑)。

――魅力的なキャラが豊富だったことが災いした、と(笑)。

岡部 ヒンメルは登場シーンこそ多くないけれども、フリーレンの旅を通してその人柄が見えてくるばかりでなく、フリーレンに強い影響を与えていることがわかってくるんですね。その存在感こそが助演男優賞に相応しいのではないか、ということで今回選ばれました。

助演女優賞:一条花『アオアシ』

岡部 主人公・アシトのことを一番そばで応援しながら、自分の夢も追う健気な姿にやられました。ポジション的には主人公を応援するヒロインなのですが、自分の目標に向かって努力する彼女のことも応援したいと思わせてくれます。

作品賞:『スキップとローファー』(髙松美咲/講談社)
(C)髙松美咲/講談社


――こちらは今回新設された賞になります。

岡部 これからの展開を大いに期待させる新作『ホタルの嫁入り』や『竜とカメレオン』を選んではどうか、という意見もあったんですが、『スキップとローファー』は既に10巻まで刊行されていて今しか受賞のタイミングがないということ、またテレビアニメで大いに話題を呼んだことなどから、最終的には満場一致で決定されました。

審査員特別賞:大沢あや&古賀みつき『気になってる人が男じゃなかった』


――話によりますと、こちらの賞は決定まで現場がかなり紛糾したという話をうかがいました。

秋山 本当に審査員の皆さんが推薦する作品が色々で、それぞれ違った種類の魅力があって……最終的に本当に特別賞ならではという着地を見せました。遂には運営が動いて今回の結果になりましたから。

――そもそもは別々に推されていたキャラがペア受賞という結果になったわけですね。

秋山 僕はまだ『気になってる人が男じゃなかった』を読めていなかったんですが、皆さん口を揃えて「いや、(特別賞は)どちらかじゃないんだ。2人の関係性あってこその魅力なんだから」と猛烈にプッシュされたんですね。美しい結果だと思いますし、僕は今この作品が猛烈に読みたくなっています(笑)。

岡部 あと審査会では、ベテランの書店員である小磯洋(丸善ジュンク堂書店)さんがマンガを知り尽くしているが故の問題定義をしてきて……。
▲「マガデミー賞2023」審査員の皆さん。下段右端の人が小磯さん。

菊田 そうそう、いきなり斜めから意見を入れてくるんですよ。例えば助演の話をしているのに「いや、このキャラの存在感は主演級でしょう!」とかいきなり言い出す(笑)。

――ちゃぶ台をひっくり返しているじゃないですか(笑)。

岡部 そんな感じで、気持ちいいくらいにズバズバ一刀両断するんですよ。

秋山 本当にすごいんです。でも、うなずけるところも結構あって、現場を盛り上げてくれました。

アニメージュプラス編集部

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