毎日に勇気や感動、そして豊かさを与えてくれるマンガのキャラクターたちを讃えることを目的に、BookLiveが2021年に設立したアワード「マガデミー賞」。
開催3度目となる今年度はマンガのキャラクターとともに作品単体でも推薦することが可能となり、マンガファンから特設サイトおよびX(旧Twitter)にて推薦された多数のキャラクター・作品の中から主演男優&女優、助演男優&女優部門のノミネートキャラクター16人・作品賞のノミネート5作品が選ばれ、審査会を経て審査員特別賞を含む全6部門の受賞者が決定した。
昨年に続いて本賞の特別審査員を務めることになった芸人トリオ「ハナコ」(菊田竜大・秋山寛貴・岡部大)に、審査時の様子やそれぞれの「マンガ愛」について語って頂いた。
――まずは審査を終えた率直な感想からお伺いできますでしょうか。
秋山 審査員のどなたかが、審査の現場を「すごく良い空間ですね」とおっしゃっていましたが、それくらい熱量のあるやり取りが行われていました。
菊田 去年に引き続き、僕が推しているキャラクターはいいところで落ちるんです(笑)。それくらいギリギリのところで結果が決まるくらいに、今回選ばれたキャラクターがそれぞれ素晴らしいということをすごく感じられましたね。
岡部 今年も本当に盛り上がりました。誰も文句のない。バッチリの審査ができたと思います。各部門で1位を決めた後、みんなで選に漏れたキャラたちを「でも、●●のこういうところは良いですよね!」なんて審査員のみんなで讃え合う時間があって、マンガ好きの皆さんが集まっていることをそういうところでもひしひしと感じられましたね。
――昨年に引き続きの特別審査員となりましたが、前回を踏まえて特に準備されたことなどはあったりしましたか。
秋山 審査を踏まえてマンガをチェックする際に、「この人は何でこういう選択をしたんだろう」とか「もしこの人が実際に自分の側にいたら、どんな感じなんだろう」みたいな、キャラクターそれぞれの行動のバックボーンを意識した読み方をしていたと思います。
菊田 去年はすごくいろいろ考えてしまったせいで点数をつけることの難しさを痛感したので、そこを反省して今年は「自分にフィットした人間性を持つキャラクターを選ぼう」と決めて臨みました。そしたら、割とすんなり選ぶことができました。
岡部 昨年のマガデミー賞きっかけで新しく知った面白い作品がいっぱいあったものですから、この1年は意識して 読む漫画のジャンルの幅を広げてみました……というつもりだったんですけれど、今年も知らない作品のキャラクター候補は勿論のこと、特に審査員特別賞で審査員の皆さんがそれぞれ自分の知らない作品を挙げておられるのを見て「まだまだ自分は掘り下げが足りないな」と痛感しました。
――例えばどういうジャンルを新規開拓されたんですか。
岡部 普段少年マンガ、しかもバトル系やスポーツ系の作品を読むことが多いんですが、昔姉の本棚にあった少女マンガを借りていたことを思い出して、久々にまたちょこちょこと読み始めたんですが、けっこうハマっちゃいました。
――今回のノミネート作品で、既にチェックされていた作品は何かありますか。
秋山 『海が走るエンドロール』『葬送のフリーレン』『ブルーロック』なんかは読んでいました。
菊田 僕は『アフロ田中』シリーズです。『高校アフロ田中』から始まって、『マイホームアフロ田中』まで来て「ここでノミネートされたか!」という……「満を持して」感を味わいましたね、
――読者は作品を通して田中の人生そのものと付き合っている感じですものね。
菊田 そうなんですよ。同年代ですし共感できる部分もいっぱいありますから、やっぱり気になっちゃいますね。
岡部 僕は『スキップとローファー』です。去年の審査で初めて読んですっかりハマってしまって、その後いろんな人に薦めました。