鈴村健一(シン・アスカ役)からのメッセージ全文
劇場にお越しの皆様へ
こんにちは、シン・アスカ役の鈴村健一です。
本日は劇場にお越しいただき、誠にありがとうございます。
出演者の方々が沢山いる中、お時間をいただきまして感謝しております。
少しだけ、語らせてください(笑)。
僕がシン・アスカという役に出会ったのは、29歳というかなり遅めの青春真っ只中でした。
あの日々を思い出すと、若さゆえの試行錯誤と、成長への渇望が交錯していたことを思い出します。
シン・アスカと同じく、僕自身もまた、もがきながらなんとかして歩みを前に進めていた、そんな日々でした。
シン・アスカというキャラクターは、戦争によって多くを失い、心に傷を負った少年です。
まわりに当たり散らす、激情を持った少年。時にわがままに見えたり、人の話を聞かないその姿にイラつきを覚えた人もいたかもしれません。
しかし、今思えば、とても等身大の少年の当たり前の心の動きだったように思います。
彼の本来の人間性、素直さや明るさを、僕が表現出来ていれば、シンをもっともっと魅力的な少年にしてあげられたかもしれません。
もちろんあの頃の自分にできることは精一杯やっていたつもりですし、あの頃にしか出せない空気感もあったと思います。ですが、作品の収録が終わった後も「今なら、また違う視点やアプローチで彼を演じることができるかもしれない」と、ふと頭によぎる瞬間も何度かありました。
そして時を経てまたシン・アスカと向きあうときが来ました。
今回の劇場版では、監督たちの導きにより、あの戦いの別の場所できっと見せてくれていた素直なシン・アスカと出会えたと思っています。「こんなに素直で可愛い子だったんだ」と改めて僕も惚れ直しました(笑)。
そんなシン・アスカの姿をぜひ皆様の目で確かめていただければ幸いです。
今回の劇場版は「あの頃のSEED」の空気感を感じさせてくれます。
あの時代を経験した人達は、もしかしたら、あの時とダイレクトに時間が繋がった感覚すらあるのかもしれない…そんな心地よさがあると思っています。きっと期待に応えてくれます。胸を躍らせてその瞬間をお待ちください。
皆さんの貴重な時間をいただき、本当にありがとうございました。
引き続き、舞台挨拶と、上映を心ゆくまでお楽しみください。
皆様にとって、忘れがたい瞬間となりますように。心を込めて!
(C)創通・サンライズ