• 『葬送のフリーレン』ザインのキャラビジュ&中村悠一インタビュー!
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2023.12.13

『葬送のフリーレン』ザインのキャラビジュ&中村悠一インタビュー!

(C)山田鐘人・アベツカサ/小学館/「葬送のフリーレン」製作委員会



<中村悠一(ザイン役)インタビュー>
──『葬送のフリーレン』でザインを演じるにあたり、どのようにアプローチをしようと考えましたか?

中村 この作品は日常的なテンションで物語が進んでいきます。だいたいのキャラクターが、例えば激高したりとか、そういったことも少ない。シュタルクは賑やかな面はありますが、フリーレンとフェルン、ほかのキャラクターも熱量が抑えめで、そこに途中から入るにあたり、フリーレンたち3人とのキャラ感のバランスを考えました。ザインは3人に比べてコメディ的な要素のあるキャラクターなので、そのあたりの圧を強めにした方がおもしろいかな…と考えていました。また、フェルンとシュタルクはもちろん、フリーレンも千年以上生きていても見た目が少女のようで、その中ではザインは大人な人物。余裕があるというより、達観とかある種の諦めからくる「枯れ」のようなものも感じられたら……と思って収録に臨みました。

──バランスという点で、種崎さん、市ノ瀬さん、小林さんと一緒に収録する中で調整をしたりしたのでしょうか?

中村 そうですね。そこまでに重ねてきたお三方のお芝居があるので、それを聴きながら演じたところはありました。ただ先ほど話したとおりザインは3人より達観しているところがあるので、3人の空気に乗っかり過ぎないというか、調整幅をそこまで広くはしませんでした。これまで現場で作られてきた温度感やテンポ、空気感に合わせること。技術的な面で言うと、この作品においての声の距離感を大切にしました。1メートル先にいる人物との距離の測り方、どれくらいが『葬送のフリーレン』においての1メートルの声のかけ方なのか、というのもメインの出演者の皆さんの演技で決まってくるので。

──『葬送のフリーレン』ならではの間だったり、空気感を掴んで、それを大事にしたということですね。

中村 ファンタジーだし、非現実であって日常ではないんですけど、エルフであるフリーレンと人間が旅をする中で生じるズレのようなものを彼女がどう受けとめていくのか、その先になにがあるのか、そこでの心の機微や、人々との何気ないやりとり、その「日常」をこの世界なりに描いている。戦闘シーンも、彼らの旅や行動としては外せないんですけど、描くものとして重きを置いていない気がします。お話の上で必要なんだけど、戦いの中での重要な会話だったり、頭の中で色々と考えていることを見せる、そういったことを大事にしているのかなと。そこがおもしろい作品なんだと思います。


──種崎さんたちとの掛け合いはいかがでしたか? 年上のお兄さん的な立ち位置が、キャラクターと声優双方で似ているようにも感じるのですが……。

中村 旅をする中で、3人や、フェルンとシュタルクのやりとりを見て、それが微笑ましくあったり、一方で自分にはもう眩しすぎて、一抹の寂しさも感じたりしながら見守っているところがありますよね。現場でも、一応僕がいちばん先輩にはなるんですけど(笑))お三方それぞれが役や作品に対してどう考えてアプローチしているのかなとか、3人だけのシーンを後ろで見ていることは楽しかったですし、ポジションとしては確かに近しいところはあるかもしれません。

──パーティーの中でアドバイスしたりもする兄貴的なザインですが、作品と少し離れますが、お仕事など実生活でも共感する点はあるのでしょうか?

中村 そうですね……気づけばそういうふうになっていたというか……。求められてるかはわかりませんが、アドバイスをすることも増えましたし……。むかしだったら、まわりから「こういうことがあったんだよ」っていう話を聞いてそれにリアクションしたり、「そうなんだ、俺だったらこう思うよ」って返しても、相手としては別に僕に相談ではなく話をすること自体が大事で。でも今は「聞いてほしいことがあるんですけど」って相談や悩みを打ち明けられていて、こちらからの返しの受け取られ方も違うのかな、と。それって、いつの間にかそういうふうに変化していたと思います。むかし想像していた今の年齢になった自分と、今実際の自分から感じるものは違いますし、自分自身が年齢や経験を重ねて、まわりにどう見えているのかはわからないな、と思います。

──新たな旅の仲間として加わったザインですが、今後の物語での見どころを教えていただけますか?

中村 このキャラクターはある意味で完成されたような状態で登場したんですけど、フリーレンたちの旅に同行するようになって、3人と一緒に過ごす中、フリーレン、そして若いフェルンとシュタルク、旅先で出会う人たちや見たものから影響を受けて、彼自身の中にあった目的に対して、もう一度一歩踏み出そうとする。ちゃんとザイン自身にも成長があって、その成長の先にどういった歩みを進めていくのか、その点に注目してほしいと思います。

──ありがとうございました!

※「種崎敦美」の「崎」は「大」の部分が「立」になる字が正しい表記。
(C)山田鐘人・アベツカサ/小学館/「葬送のフリーレン」製作委員会

アニメージュプラス編集部

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