• 『アンダーニンジャ』坂泰斗&畠中祐が演じ楽しむ「予測不能」の緊張感とスリル
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2023.10.06

『アンダーニンジャ』坂泰斗&畠中祐が演じ楽しむ「予測不能」の緊張感とスリル

(C)花沢健吾・講談社/アンダーニンジャ製作委員会


●現場にも忍者的緊張感が●

ーーやりとりの楽しさといえば九郎は、アパートの隣人の川戸、大野とのやりとりも独特で。

 はい、そちらもすごくおもしろいです! たとえば大野さんは、僕はその場の雰囲気で大野さんをイジっているだけなんです。チョーさんが上手く、僕が「イジりたいなぁ」と思う方向に引っ張ってくれる。ああ、気持ちよくイジれるってこういうことなんだなと実感します。

畠中 大野さんはドMですね。もう、第一声目から “何か” を求めている声だった(笑)。さすがチョーさん、素晴らしい。

 本当に引っ張られちゃうんですよね、そっちの方向に。安済(知佳)さんが演じる川戸さんもそうで、「トイレットペーパー取れよ」ってあんな感じで言われたら、こっちも自然と「自分で取れよ」みたいな感じになる。「こう言われたからこう返そう」と考えて発する言葉ではなくて、条件反射的に出てしまう言葉というか。そういう自然さを、あのアパートの中での会話では強く感じるところがあります。やっていて楽しいです、すごく。見ているみなさんにも伝わっていればいいなと思いながら、毎回やっています。

ーー収録現場も楽しそうですね。

 楽しいですね。

畠中 独特、あれは独特。何となく輪郭がくっきりしていない雰囲気が漂っているのが、ものすごく独特でおもしろい現場ですね。誰がどういう球を投げてくるかわからないから、こちらも緊張しているというか。人の芝居も緊張しながら見ています。

 ああ、確かに!

畠中 緊張しながら見ていつつ、「うわ、こんなお芝居、笑っちゃうよ!」という瞬間もあって。そんな時は吹き出さないようにしなくちゃいけないし。シュールですよね。

 そう、シュールですね。シュールって言葉はよく使うけれど、具体的に何がシュールなのかって言われると案外わからない。でも、多分こういうことなんだろうなっていうのはあの現場で感じる気がします。

ーーある意味、演者の皆さんの自由度も高い?

 作品の世界観と空気感を壊さないのであれば、許容範囲は広いと思います。でも、先ほども言ったように、個人の “我” を出して色をつけようとすると、逸脱してしまう気がしますね。

畠中 うん、そうですね。

 そもそもの芯が強い作品ではあるので。僕ら個人の役者としての我を出してしまうと多分、破綻してしまう。その絶妙なラインをちゃんと突ける方々が揃っている現場だとも言えますね。

ーー空気を摑んでの状況判断が必要、でも、我は出せない。何となく作中の忍者っぽいですね。

 みんなどこか探り合っているところがあって(笑)。表には出さない感情を持ちながら演じていらっしゃる……というのもおかしいですけれど、独特の空気感です。

畠中 収録でも、画面に集中するのもちろんですが、それ以外にも神経を張り巡らせていたほうがいい。ともすれば、後ろに座って控えている先輩がちょっと動いた「ガサッ」という物音も全部キャッチするくらいの、張り巡らされた何かがある気がします。緊張と緩和……というかずっと緊張感はあるな。

 うん、確かに(しみじみ)。

畠中 休憩時間にはバカみたいな世間話もしますが(笑)、でも、何か常に緊張感がある。先輩たちも多いですし。

 そう、本当に温かい先輩たちではあるのですが、どのタイミングでデカいネタをぶち込んでくるのか……いつ刀を抜くのか、みたいな感覚もあって。

畠中 先輩たちも面白いことをしてくださるから、「お前らも面白いこと、せんのかい?」みたいなね(笑)。その緊張感もちょっとあって。自分でも、このせめぎ合いの中に入って行けたらいいなぁと感じますし。

ーーその結果、生まれたものを我々は楽しませていただくわけですね。では最後に、第1話以降も展開していくこの作品の魅力を、あらためて教えてください。

 とても日常に近いけれど1歩踏み入れたらもう違う場所。日常から1歩ズレた場所から見える世界。そんな魅力が第1話から全開で出ていると思います。そして、第1話を観て1歩を踏み入れた人はもう、元には戻れない(笑)。
そして僕の個人的な思いとしては……今は「何故?」とは言えないですけれど、絶対に最後まで観ていただきたいという気持ちは強いです。日常の水面下でじっくりと、少しずつ物語が進んで行く。そんな世界観を楽しんでいただければと思っています。

畠中 どんなにしっかり観ていても、どうなるかわからない。呼吸をするように当たり前に人が死んだりするし、しかもそれがドラマチックということでもなく、本当に淡々としている。それは忍者という存在にとっては宿命ですが、時には忍者だけでなく一般の人たちもそこに巻き込まれていったりもする。本当に身近に「死」が隣り合わせであるからこそのスリルも、このアニメの魅力のひとつだと思います。
やはり最後まで観てもらってーーマジでどうなるかわからない!? という物語を楽しんでください!
坂泰斗
ばん・たいと/12月18日生まれ/福岡県出身/大沢事務所所属/『お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件』(藤宮周)、『俺だけレベルアップな件』(水篠旬)ほか
畠中祐
はたなか・たすく/8月17日生まれ/神奈川県出身/賢プロダクション所属/『僕のヒーローアカデミア』(上鳴電気)、『オーバーテイク!』(小牧錮太郎)ほか

(C)花沢健吾・講談社/アンダーニンジャ製作委員会

アニメージュプラス編集部

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