◆観返して涙したネクサスとの出会い◆――撮影当時と現在で、孤門の印象や見方に変化はありましたか?川久保 孤門一輝は、当時の川久保拓司ほぼそのままなんです。役者としての経験が浅いながらも、正解を見つけようと這いつくばって進んでいく自分の姿と、力強く目の前の困難を乗り越えようとする孤門が、本当にリンクしていて。僕の人生においてあの時期は孤門一輝の時代というか、自分と役の境目が曖昧でした。今は客観的に孤門のことを眺めることができて、彼は普通の青年でありながら、普通じゃない何かを届けられる男なんだと感じています。孤門の境遇はとにかくつらいですよね(笑)。困難に困難が重なっていくというか。
――試練の数々を姫矢准たちの支えもあって乗り越えて、千樹憐に対しては兄貴分っぽい振る舞いを見せていたところは、孤門の成長を実感しました。川久保 そうですね。姫矢から受け取ったものを、今度は僕が憐に与えるんだ、立場を明確に変えていくんだと、自分も当時は感じていました。孤門の成長物語の要素は、今観ても面白い部分だと思います。後半からOPの曲と映像が変わるんですが、今後のストーリーを暗示するような構成になっていて痺れましたね。前半から雰囲気がライトになった裏側で……と感じさせるところが好きでした。
▲姫矢准 (C)円谷プロ
▲千樹憐 (C)円谷プロ
――最近観返した中で、印象に残っているシーンを教えてください。川久保 第1話は孤門がとにかくいろいろな出来事に巻き込まれていく印象があったんですが、今観返すとラストで孤門が空を見上げて、ネクサスと目が合うシーンで涙が出てきてしまうんです。今の僕は、出会いこそが人生だと考えていて。ネクサスと出会ったときに孤門の人生も変わったし、僕の人生も変わった。あの瞬間を観るときは、どうしても泣けてきちゃいます。