――お二人の中で「この人との出会いで人生が変わった」という方はいらっしゃいますか?玉森 以前出演させていただいたドラマの監督は、お芝居への取り組み方を変えてくれた、というよりはギアを上げてくれました。その出会いがなければ、今みたいに「お芝居を頑張ろう」と思うことはなかったかもしれません。
川口 基本的に自分で物事を解決するタイプなのでパッとは思いつかないのですが……その場その場のタイミングで戴いた、そういう方たちの言葉に救われているのは間違いないと思います。
――エンバーは自分の胸の内に秘めた思いを抱えていますが、お二人がこれまで誰にも明かしたことがなかったことって何かありますでしょうか。川口 明かしたくないですね~(一同笑)。
玉森 だから言ってないんですものね(笑)。何だろうな……しょうもないことでもいいですか? 配信ゲームってログインしているかどうかの表示を選べるんですが、一人でゲームに集中したい時は友達に誘われないよう、ログイン表示しないままやっています(笑)。
川口 私、これ本当に誰にも言っていないんですけれど……このお仕事が決まって玉森さんと共演することがわかった数日後、街で玉森さんとすれ違ったんですよ。
玉森 えッ?
川口 「ご縁があるんだな」と思いましたけれども、いきなり「宜しくお願いします」と声をかけるのも変だし、どうしていいかわからなくて、そのままにしちゃいました。
玉森 声かけてくださいよ! もっとも小心者なので、実際かけられたらビックリしていたと思いますけれど(笑)。
――作品をご覧になられて、お互いの演技をどう思われましたか。玉森 いや、もうピッタリだと思いました! 「あっ!」みたいなリアクションの演技って声だけだと結構難しいんですけれど、めちゃめちゃ気持ちが伝わってきて、上手に演じられているなぁ、と。
川口 ウェイドは歌ったり泣いたりしているので「(演じるのは)大変だろうな」と(笑)。多分同じくらいの時期の収録じゃないかと思うんですが、玉森さんの演技が本当に素晴らしくて、その音源を聴きながら「私も頑張らなくちゃ!」と勇気づけられました。
――今回の声優の経験から今後の仕事に生かせそうなことがありますでしょうか。玉森 声だけで表現することがいかに難しいことか理解できましたし、今後また同じような仕事が来た時に「こういう風にやればいいんだ」ということを学べた良い機会になったと思います。
――自身の声に対する意識が変わる部分はありましたか。玉森 どうだろう、自分の声が特別良いと思ったことはありませんでしたし……でも、少し自信は持てるようになったのかな?
川口 私もこの作品で初めて声だけの表現をやらせていただいたんですが、今までの仕事とは全然別物でそれなりの難しさや楽しさがあり、それなりにキャラクターに寄り添うことができたんじゃないかと思います。
自分が思っているものよりオーバーな演技でこう聴こえるのか、ということを感じられたことは勉強になりましたし、シンプルに「自分の声ってこうなんだ」と理解できた場にもなりました。
――今回の経験を経て、今後こんなことに挑戦したいという野望などはできましたか。川口 本当に声優の仕事は難しいと思いました。簡単に「もう一度やってみたいです」とは言えないような……プロの声優さんの偉大さが身に染みて「(自分の声が)浮かないか?」と心配になるくらいでしたから。勿論、今後も挑戦させていただける機会があれば嬉しいとは思いますが……。
玉森 自分もそうですね。自信があるわけではないですが、今回全力でやらせていただいたので、それを観た上でまた声の仕事を戴けるならば、やっぱり全力で頑張っていきたいと思います。
――では最後に、お二人が個人的にお薦めする、本作の推しポイントを教えてください。玉森 やっぱりエレメント・シティの世界観にどっぷりと浸かってもらいたいですね。エレメントのいろんな特性を活かした街づくりがちりばめられていて、観ていて「なるほどな」「すごいな」と思いましたから。あと、エンバーとウェイドの行く末――「できないと思っていたこともきっとできる」というメッセージを、映像を通して感じとってもらえたら嬉しいです。
川口 エレメントの家族たちや街の細部にまでこだわりを感じる色鮮やかな世界観は勿論ですが、悩みながら成長していくエンバーとウェイドの関係性も可愛いし、出てくるキャラクターはみんな癖が強いけど良い人ばかり。彼らそれぞれの視点からも、物語を楽しめると思います。
>>>川口さん&玉森さんの写真、『マイ・エレメント』名場面を見る(写真16点)(C)2023 Disney/Pixar. All Rights Reserved.