──アフレコ時にスタッフから何かディレクションのようなものはありましたか。内田 「あまりブレずに演じてほしい」とディレクションがありましたが、実際の収録では自由にやらせてもらったという印象があります。ケンカをするシーンなどでも声が裏返ったことがあってもOKを頂いたので、あえて気を付けたことといえば年齢感ぐらいだったのではないでしょうか。
──では、演技面で苦労したところは?内田 作品全体を通してモノローグがとても多い作品だったので、そこはすごく大変でした。モノローグが多いということは、基本的に独り芝居になるわけなので、そこの演じ方の組み立てについてはかなり考えました。
あとステイルは説明ゼリフも多かったんですよ。頭が良いので喋る内容や言葉もすごく難しくて(笑)、そこは頑張らないといけないなと。
──ファイルーズあいさんとの共演はいかがでしたか。内田 今までガッツリ共演することがなくて、「はじめまして」という感じだったのですが、すごくハッピーな雰囲気の方で一緒に収録が出来てとても楽しかったです。
私が京都で見つけた「ハムスター最中」をお土産に持って行ってみんなで食べたのですが、そうしたら後日「これ、真礼さんに似合うと思って」とトルコ土産のようなクッションをプレゼントしてくれたんですよ。お互いとても仲良くなれた感じがして、とても嬉しかったです。
──では、ファイルーズさんの演技に関しては、どんな印象を持たれましたか。内田 ラスボスになるプライドと、転生して人生をやり直しているプライドとの切り替わりはすごかったですね。緩急がとても気持ちよくて、面白いと思わされる瞬間がたくさんありました。私自身ステイルを演じる中で意地悪なプライドに影響されて思わず声が出ちゃったシーンもあったりして、ファイちゃんとの演技のやりとりはとても楽しかったです。
あと個人的には、序盤のステイルが虐められているシーンがとても楽しかったので、後半もっとステイルを虐めるプライドを見たかったですね(笑)。
──内田さんが本作の中で注目しているキャラクターはいますか。内田 ステイル視点での注目キャラというと、アーサーとジルベールですかね。アーサーはステイルと全然違うタイプで、ある意味ライバル的存在のキャラだと思うのですが、彼に影響を受けてステイルの心境が変化することもありましたし、実はすごく仲良しなんだろうなと想像していました。演じている榎木(淳弥)さんのアドリブもすごく面白くて、アーサーとやり合うのは毎回楽しかったです。
ジルベールはすごく優秀な宰相です。ステイルは彼の能力を認めつつも、プライドにきつく当たっていた彼を敵対視しているんですね。そんな気持ちが思いっきり態度に出てしまうあたりが、すごく子供っぽいけど可愛いですね。お互いあえて煽り合っているような感じもあって、実は似たもの同士なんじゃないでしょうか。
──お話をうかがっていると、ステイルって周囲から弄られ倒しのキャラなんですね。内田 そうなんです。プライドだけでなくジルベールやアーサーたちにも心を転がされまくっていますから(笑)。そんな風に、周囲のキャラとの距離を探りながら演じていくのはとても楽しかったです。
──『ラス為』は乙女ゲーに転生するお話ですが、もし内田さんがゲームの世界に転生するとしたら、どんな世界観がいいですか?内田 もうとにかく平和な世界がいいですね、あたたかい心で日々をまったりと満喫出来るような、スローライフを楽しめる世界に転生して幸せに過ごしたいです(笑)。
ただただ毎日料理をしたり木工製品を作ったり……のんびりとした田舎暮らしのような生活をするのに憧れます。
──最後に、ファンの皆さんへのメッセージをお願い致します。内田 本作には、たくさん魅力的なキャラが登場します。そんな彼らがプライドに心を動かされたり支えられたりしながら救われていく、素敵なお話が描かれていきますので、ぜひ皆さんもプライドに魅了されて楽しんでいただけたらなと思います。『ラス為』の世界でお会いしましょう!
内田真礼(うちだ まあや)12月27日生まれ。アイムエンタープライズ所属。主な出演作は『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…』(カタリナ・クラエス)、『フェ~レンザイ -神さまの日常-』(キュウゲツ)、『うる星やつら』(三宅しのぶ)、『とんでもスキルで異世界放浪メシ』(ニンリル)、『スキップとローファー(村重結月)ほか。
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