──内山さんから見て、第二期のルーデウスの印象はいかがですか。内山 第一期ラストの精神的にガックリきているところからのスタートになるので、ただただ辛かったですね。相当落ち込んでいることから卑屈になって、周りからの優しい言葉を真っ直ぐに受け止めきれずにいる状態なんです。
もがき苦しむルーデウスの不器用さは見ていて胸が苦しくなりましたが、「その苦難を乗り越えられるよう頑張ってほしい」という気持ちを声に乗せて、演じさせていただきました。
茅野 エリスも「ルディに見合う女性になる」という強い意志を胸にして、あえて姿を消したんですが、ルディにその想いは伝わってないんですよね……そんな風にすれ違う二人がもどかしいですよね。「なんでこんな結末になっちゃうの?」って思いましたから。
内山 全部がマイナスの方向に向かうという(笑)。エリスはルディに「愛してるわ」ってちゃんと言っているんですけれど……これが届いてなくて。
茅野 「髪の毛切って置いてくことないじゃん」って思いました(笑)。あの置き手紙もちょっとね……。
内山 言葉が足りないなって思う。もうちょっと誤解が生まれない手紙の書き方を、エリスも勉強しておかないと。
茅野 ルディが家庭教師をやっている時に、ちゃんと書き方を教えておかないからこんなことになったのかも(笑)。
内山 ルディにとってはいろいろアレなことになったけど、あの別れがあったからこそルディとシルフィの未来が繋がることになったのかな、とも思っています。
──今回のフィッツでは、茅野さんはどのように演じられましたか?茅野 外見はともかく、気持ちとしてはシルフィそのものなんです。なので、心はそのまま成長したシルフィとして演じていきました。
男装しているキャラではあるのですが、「声色を変える」というより「心持ちを変える」感じですね。第一期の頃と同じく、彼女の繊細な心の動きみたいなものを表現出来ればいいなと思っています。
──フィッツになっても、シルフィのルーデウスへの想いは変わっていないと茅野さんは思いますか?茅野 逆に膨らんでいるんじゃないですかね。「会えない時間が愛を育む」じゃないですけれど(笑)、シルフィにとっての全てである、大切なルディが急にいなくなってしまったことで彼女がどう変わっていったのか、これからの第二期で皆さんにぜひ確認してもらいたいですね。
──フィッツは、今回新たに登場するアリエル、ルークと行動を共にしていきます。茅野 アリエル様はアスラ王国第二王女、ルークはその守護騎士です。第二期の最初のお話が、シルフィと二人が出会うお話になります。そのお話の中でアリエル様とのやりとりがあって、詳しくは言えないのですが、音響監督さんからいただいたある演出から、「アリエル様ってちょっと怖い……」と思ったりもしました(笑)。
──では最後に、放送を楽しみにしているファンの皆さんにメッセージをお願いいたします。内山 第一期がああいう終わり方だったので、第二期を待ち望んでいた人も多かったんじゃないでしょうか。お待たせしましたが、本当にスタッフ&キャスト一丸となって制作に尽力した作品になっています。成長したルーデウスの活躍と共に、ぜひ隅々まで余すことなく『無職転生』を楽しんでいただけたら嬉しいです。
茅野 作品に関わるすべての人が、愛を持って作っている第二期シリーズになっています。私自身、収録後に原作を読んで「なるほど!」と分かったことも多かったので、アニメファンの方は原作を併せて読んでいただくと、より物語や場面の意味が補完されて面白いと思います。
逆に原作ファンの方はそれぞれのキャラの思惑を頭に浮かべながら観ていただけると、また違う楽しみ方が出来ると思いますので、ぜひ放送を楽しみにしていてください!
内山夕実(うちやま ゆみ・左)10月30日生まれ。大沢事務所所属。主な出演作は『氷属性男子とクールな同僚女子』(狐森さん)、『もういっぽん!』(夏目紫乃)、『【推しの子】』(アクア幼少期)、『くノ一ツバキの胸の内』(ハナ先生)、『勇者、辞めます』(メルネス)、『戦×恋(早乙女一千花』ほか。
茅野愛衣(かやの あい)9月13日生まれ。大沢事務所。主な出演作は『デリシャスパーティ(ハート)プリキュア』(菓彩あまね/キュアフィナーレ)、『弱キャラ友崎くん』(菊池風香)、『ヴァニタスの手記』(ドミニク)、『裏世界ピクニック』(仁科鳥子)、『たとえばラストダンジョン前の村の少年が序盤の街で暮らすような物語』(マリー)ほか。
>>>新たなる旅の始まり!『無職転生II』先行場面カットを見る(写真15点)(C)理不尽な孫の手/MFブックス/「無職転生II」製作委員会