• 『小さな巨人 ミクロマン』復刊コミックで甦る人気玩具シリーズの興奮
  • 『小さな巨人 ミクロマン』復刊コミックで甦る人気玩具シリーズの興奮
2023.06.10

『小さな巨人 ミクロマン』復刊コミックで甦る人気玩具シリーズの興奮

(C) TOMY/(C)ぴえろ・YOMIKO (C)松本久志

1970年代・1990年代を熱く盛り上げた人気玩具シリーズを原作にしたコミカライズ作品『小さな巨人 ミクロマン マグネパワーズ編+レッドパワーズ編』が、復刊ドットコムから発売された。多くの子供たちが夢中になったミクロマンとは何なのか、その魅力の源泉に迫ってみたい。

「小さな巨人 ミクロマン」は、タカラ(現タカラトミー)が展開した玩具シリーズだ。まずは、その誕生までの道のりを駆け足で追ってみよう。
タカラは1960年代からアメリカのハズブロ社と提携して1/6スケール・全高約30センチのアクションフィギュア「ニューG.I.ジョー」シリーズを販売、そのバリエーションとして特撮やアニメのヒーローの着せ替え衣装をセットにした「正義の味方シリーズ」を発売してヒットさせた。
1972年には、そこから発展したSFオリジナル玩具「変身サイボーグ1号」をリリース。全身クリア素材で作られたニューG.I.ジョーと同型のフィギュアの頭部と胸部にメカ素材を配置した未来感あふれるデザイン、そして手足を外すことで別売りの武器アタッチメントを装着させられるなどの要素が加わったことで爆発的なヒットを記録した。

▲玩具「ミクロマン」(左から)M123ミラー、M101ジョージ、M114ブラッキー、アクロイヤーA301レッドスター

その流れの中で誕生したのが1974年開始の「ミクロマン」であった。「ミクロマン」はまず1974年~1981年に最初のシリーズが展開された。フィギュアバリエーションだけでも100体以上が発売されるヒット商品となり、「タカラSFランド」と呼ばれるカテゴリーを支える重要なコンテンツとなる。

変身サイボーグを全高約10センチ(厳密には9.5センチ前後)に縮小する、という発想で生まれたミクロマンの斬新な点は、それが「1/1スケール」の商品であるということ。机の上をそのまま戦場にして、爪楊枝を剣として持たせ、銀色の灰皿を円盤に見立てるなどして遊ぶことができた。
頭部が銀色メッキであることも特徴の1つだが、これは当時の生産技術では大きさ1センチ前後の顔を精密に彩色するのが難しかったことと、変身サイボーグから受け継いだSFマインドを強調するという理由を兼ね備えていた。

人形のサイズが小さくなったことで乗り物や基地といった関連アイテムが幅広く展開され、加えて各パーツに共通の5ミリジョイントを設けることで組み替え自由の有形ブロック遊びも楽しめるなど、プレイバリューはさらに充実していた。
▲玩具「ミクロマン」指令基地

爆発した惑星・ミクロアースから地球へとやって来たミクロマンが、地球の公害によって生まれた悪のミクロマン=アクロイヤーと戦うという世界観も、数多くの児童誌で特集やコミカライズが展開されたことで浸透し、当時の子供たちはミクロマンワールドに魅了された。

(C) TOMY/(C)ぴえろ・YOMIKO
(C)松本久志
(C) TOMY

ライターぬのまる

RECOMMENDEDおすすめの記事

RELATED関連する記事

RANKING

人気記事