• 「ディズニー×日本のアニメ」で花開く新たな未来【前編】――ディズニープラスのアニメーション責任者・八幡拓人氏が見据える “作品との向き合い方” とは
  • 「ディズニー×日本のアニメ」で花開く新たな未来【前編】――ディズニープラスのアニメーション責任者・八幡拓人氏が見据える “作品との向き合い方” とは
2023.05.21

「ディズニー×日本のアニメ」で花開く新たな未来【前編】――ディズニープラスのアニメーション責任者・八幡拓人氏が見据える “作品との向き合い方” とは

▲ディズニープラス (C) 2023 Disney and its related entities

ディズニー公式の動画配信サービス「Disney+(ディズニープラス)」が、日本のアニメ作品などを含めた幅広いラインナップを取り揃えた新たなコンテンツブランド「スター」を加え、大幅にパワーアップしたのは2021年10月27日のことだ。

それから約1年半の時が流れ、3月25日・26日に東京ビッグサイトで行われた世界最大級のアニメイベント「AnimeJapan 2023」では、ディズニープラスとしては初めてブースを出展。新たな配信ラインナップのプレゼンテーションのほか豪華声優陣が登壇するスペシャルステージなども行い、日本のアニメファンの多くが集まるイベントであらためてその存在感をアピールしていた。

いまはアニメファンにとってはいい時代だと言える。かつては居住地域によって視聴できる作品が限定されることも多かったが、各種配信サービスが充実し視聴方法が多様化した現在では、日本中どこに住んでいても様々な方法で自分が好きなアニメ作品を観ることができるようになった。

一方で、乱立する配信サービスの中からどれを選ぶのかはアニメファンにとっても悩ましい選択だ。対して、それを提供するプラットフォーマーの側からも、どのように視聴者層にアピールし、作品を届けていくのか、という戦略が重要になってくる。

そんな状況の中で、ディズニープラスがどのような発展を遂げているのか、また、アニメファンに向けて今後どういった施策を考えているのか、といったポイントは、アニメージュプラスの読者にとっても興味深いところだろう。そこで、ディズニープラスでコンテンツ制作部門アニメーション責任者である八幡拓人氏にお話を伺った。全2回、前後編でお届けしたい。

>>>ディズニープラスで今後配信予定の作品など(写真9点)

――――――――――――――――――――――――――――――――
八幡拓人氏プロフィール
2021年にウォルト・ディズニー・ジャパンに入社。エイベックス・ピクチャーズやワーナー ブラザース ジャパンでアニメ作品の宣伝・企画プロデュースに携わってきた経験を活かし、ディズニープラスのコンテンツ制作におけるアニメーション責任者として手腕を振るう。
――――――――――――――――――――――――――――――――

――まずは、ディズニープラスで日本のアニメをフィーチャーしていくにあたって、どういう視聴者層をターゲットとして想定しているのか、ということをお聞かせください。

八幡拓人氏(以下、八幡) 大前提として、日本国内だけではなくてワールドワイドを見ています。素晴らしい作品というものは国境を越えると思っていますので、全世界の皆さんに作品を届けていくという観点で作品と向き合っています。日本国内でも、特定の年代や性別の方に向けて、ということはあまり考えていないです。ディズニープラスというサービスの特性上、本当に子どもから大人まで幅広い層の方が観てくださっていますし、「最高のストーリーテリング」というものは人を選ばずに感動をお届けできると思っているので、現段階ではあまりターゲットを絞らずに、幅広く素晴らしい作品を届けていきたいと思っています。

――新しいコンテンツブランド「スター」の立ち上げから1年半ほど経過しましたが、視聴者のリアクションや手応えはいかがですか?

八幡 私が着任した頃は、ディズニープラスが日本のアニメを配信するということに対して、非常に驚かれた方が多かったと思います。今では我々のラインナップや、独占配信タイトルも増えてきていますので、「今期はこんな作品が入っているんだ」という風に認識していただけるアニメファンの方も増えましたし、ディズニープラスでアニメを観ようというお客様もありがたいことに少しずつ増えているな、というのは実感としてあります。

――視聴者は独占配信よりもマルチプラットフォームであることを好む傾向があると思うんですが、その点に関してはどうお考えですか?

八幡 人気作品が独占配信されるということに関して、驚きをもって受け止められているということはもちろん把握しています。これまで日本ではやはりテレビアニメが主流で、無料で広く観られるということが当たり前の文化だったと思いますし、見放題とはいえお金がかかるサービスですので、そこに対しては一定のリアクションがあるというのは実感しています。ただ、我々のサービスは日本のアニメだけに特化したものではないんです。独占配信の場合、ディズニープラスでしか観られないということは事実ですが、皆さんが観たいと思っている作品にプラスして、ディズニーやピクサー、マーベル、スター・ウォーズなど、皆さんが想像していなかった素晴らしい作品に出会えるチャンスをたくさん提供できると思っています。
ディズニープラスで「スター」というゼネラル・エンターテイメントを扱うコンテンツブランドがロンチし、日本アニメを配信開始したのが2021年10月ということもありますし、「AnimeJapan」のようなイベントで、今年はディズニープラスとして初めて出展させていただき良い機会になりました。
▲「AnimeJapan 2023」にはディズニープラスとして初めて出展した (C) 2023 Disney

アニメージュプラス編集部

RECOMMENDEDおすすめの記事

RELATED関連する記事

RANKING

人気記事