• 『ぼっち・ざ・ろっく!』少女の成長に寄り添ったライブアクト6選
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2023.04.11

『ぼっち・ざ・ろっく!』少女の成長に寄り添ったライブアクト6選

アルバム『結束バンド』ジャケット(C)はまじあき/芳文社・アニプレックス


◆◆第12話「忘れてやらない」◆◆
初ライブを無事終えた結束バンド。その後のメンバー同士の関係性は、単なるバンド仲間を越えた友情へと変化していく。これまで友人を作ることなく孤独な学生生活を過ごしていたひとりも、友人と共に過ごす日々の尊さに気づいていく。
そんな時、次なるライブ出演が決まる。それは、ひとりの通う秀華高校の文化祭だった。

文化祭ライブ1曲目に披露した「忘れてやらない」は、低音鳴り響く激しいサウンドの楽曲が続いていた結束バンドだが、この曲では明るく爽やかなサウンドを採用。初ライブを乗り越えたぼっちやバンドメンバーたちの心境を反映したかのように、これまでのオリジナル楽曲からサウンドが大きく変化したことが感じられる。

しかし、歌詞はけっしてポップで爽やかになりきれないところが、ひとりらしさだ。
歌われているのは、彼女がこれまで毛嫌いし、ろくに触れようともしてこなかった “青春” への想い。
爽やかな“青春”なんて自分には縁がない、それでも自分には自分の “青春” が確かにある。その気づきは、サビの一節「青い春なんてもんは/僕には似合わないんだ/それでも知っているから 一度しかない瞬間は/儚さを孕んでる」に表現されている。

演奏シーンで、ところどころに “青春” の象徴であるかのように、学校の風景が挟み込まれるのも味わい深い。MV風に仕上がったその映像にも注目だ。



◆◆第12話「星座になれたら」◆◆
「忘れてやらない」で観客の心を掴んだ結束バンドのメンバーが次に披露する「星座になれたら」はギターリフが印象的で、演奏面ではひとりにスポットライトが当たる曲。
しかし、この曲の演奏中にハプニングが発生する。ひとりが演奏するギターのペグが故障し、チューニングが合わなくなってしまう。
この窮地を救ったのが結束バンドの仲間だった。

ギターボーカルの喜多郁代がアドリブで間を繋ぎ、その間に対応策を考えたひとりはチューニングが狂っても演奏可能なボトルネック奏法によるギターソロでピンチを切り抜ける。孤独にギターを続けてきたひとりが、バンドメンバーの助けを得て高次元のパフォーマンスを披露する、胸がときめくワンシーンだった。

そんなドラマチックな展開を見せる曲で歌われているのは、バンドメンバーの絆のこと。
バンドメンバーを星に、集まって結成された結束バンドを星座になぞらえたこの歌では、出会いの尊さが鮮やかに表現されている。
結束バンド結成から始まった『ぼっち・ざ・ろっく』。最終回に披露した劇中歌は、まさに作品全体を総括するにふさわしい内容となっていたのだ。



楽曲の一つひとつが高いクオリティを誇り、曲単体としても高い魅力を誇った『ぼっち・ざ・ろっく!』の劇中歌たち。
前半で披露された楽曲にはひとりの抱える鬱憤が大いに反映されていたが、物語が進むにつれ自分自身の肯定や、仲間への感謝が歌い込まれるようになっていく。そして、メッセージにあわせて曲調も尖ったものから爽やかなものへと変化していった。
改めてその楽曲のひとつひとつを噛み締めながらアニメ『ぼっち・ざ・ろっく!』を堪能してほしい。

>>>【関連画像】結束バンドメンバーが揃った『ぼっち・ざ・ろっく!』最終話記念イラストを見る(写真11点)

『ぼっち・ざ・ろっく!』公式サイト

(C)はまじあき/芳文社・アニプレックス

アニメージュプラス編集部

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