■主演男優賞宮本大(『BLUE GIANT EXPLORER』石塚真一)三宅 周りを引っ張っていく力が強いし、挫折してないところがすごい、と思いました。
荻野 圧倒的主人公感がありますよね。シリーズ3作目ですが、前2作も含めてスター性がずば抜けていたという気がします。
小磯 ずっとチャレンジャーであり続けているのが良いですよね。この手のドラマだと、普通はどんどん有名になっていくパターンなんですけれど、毎回新しい場所で下積みから始まって。
すず木 主演男優賞のノミネートキャラクターのなかでは、彼と潔世一(『ブルーロック』)が特に印象的でした。二人とも「努力の天才」という共通点があるのですが、(ただ努力するのではなく)自分の潜在能力を活かすために、“適切なやり方で努力をする” ということは、常人にはなかなか真似できないことだと思います。
■主演女優賞結束いのり(『メダリスト』つるまいかだ)小磯 「主演女優賞」ノミネートの岩倉美津未(『スキップとローファー』)、喜多川海夢(『その着せかえ人形は恋をする』)、後藤ひとり(『ぼっち・ざ・ろっく!』)は、とても共感を集める現代的なキャラクターなんですよね。それ故に、ほかのノミネートキャラクターとタイプの違ういのりに注目が集まったのかもしれません。
すず木 私自身も美津未と海夢の間で揺れていたんですが、小学生のいのりちゃんの頑張りや変化もすごかったので、最終的に決まった時には納得でした。
三宅 他のキャラクターもインパクトがありましたけれど、努力する姿を応援したいとか「一緒に頑張りたい」と思わせてくれるような心を動かす力は、いのりちゃんがダントツでした。
小磯 年齢的にどうしてもコーチと同じ目線で読んでしまうので、余計に情が湧くんですよね(笑)。
――小学5年生から目指すのでは遅すぎるという、シビアなフィギュアスケートの世界だからこそ、その頑張りがさらに光りますね。三宅 点数を稼ぐための合わせ技の組み立て方といった、競技者としての考え方が既にできあがってるのもすごいですよね。「自分が小学生の時、こんなことできたっけ?」って考えちゃいますよね。
■助演男優賞松野千冬(『東京卍リベンジャーズ』和久井健)すず木 まず「ハク(『暁のヨナ』)を助演扱いするのはどうか?」といった議論がありましたね。
小磯 彼は作品中ではむしろヒーロー的な立場なので、「助演男優でいいのか?」と。
荻野 あと『ブルーロック』や『東京卍リベンジャーズ』も魅力的なキャラが多く、その中で選ばれている代表二人ということで相当悩みました。
――千冬に決まったのは、何が決め手だったのですか。小磯 「相棒感」が一番強い、という意見が多かったですね。
すず木 主人公が背中を任せるというのは、助演として最上級のポジションじゃないですか。そういう意味で、千冬は強かったです。
三宅 あと武道がタイムリープを繰り返していることに最初に気づいたのが千冬くんでしたよね。まさにこの作品におけるキーパーソンじゃないかと思いました。
小磯 それまで武道が一人で頑張っていましたが、千冬が気づいて以降、どんどん事情を知る仲間が増えていって……話の転換点を作った人物ですよね。
あと蜂楽は(キャラクターたちが競い合って世界一のエゴイストを目指す)『ブルーロック』という作品の世界で生きていることを考えると、“助演” 男優賞をもらっても喜ばないかもしれません。
すず木 「え? 俺、主役ですけど?」って(笑)。
三宅 助演賞だと名誉にならないかな、彼の考えだと(笑)。
■助演女優賞灰原哀(『名探偵コナン』青山剛昌)荻野 こちらも結構意見が割れました。
小磯 ノミネートの3名のなかでは、主人公を支える “助演” という意味で、ライカ(『ミステリと言う勿れ』)のインパクトが強かったです。
すず木 ただ、哀ちゃんの存在感はやっぱりすごいですよね。(主人公のコナンと違って)毎話登場するわけではないし、登場しても台詞が少ししかなかったりするんですけど、強い印象を残している。
三宅 まさに「ベテランの貫禄」ですね。
荻野 ここでも「存在が主演級なのに助演でいいのか」っていう話が上がりましたね。
小磯 灰原哀って、今後の展開でハッピーエンドと悲劇的なエンド、どちらでもいける無限の可能性を感じるんですよ。それって、サブキャラクターとしての魅力が強いという感じがしますね。