• 【マガデミー賞2022】審査員が語るコミックベストキャラ選出の裏側
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2023.03.24

【マガデミー賞2022】審査員が語るコミックベストキャラ選出の裏側

2022年のコミックシーンを盛り上げたキャラクターを讃える第2回「マガデミー賞2022」が決定! Sponsored by BookLive

マンガ好きの毎日に勇気や感動を与えてくれるキャラクターたちを讃える「マガデミー賞2022」の受賞結果が3月15日に発表、今や映画館のスクリーンで活躍するキャラから、様々なキャンペーンで見かける人気キャラまで網羅する受賞結果となった。
マンガファンたちによる熱い推薦を経て、主要4部門と<審査員特別賞>、さらに今年新設された<新人賞>の6部門において、栄冠に輝いた受賞キャラクターたち、その決定までにどんなドラマが展開していたのか? 今回審査員を務めた4名の書店員さんに集まっていただき、選考現場の様子を語っていただいた。そこには、マンガ好きならではの「苦労」と「喜び」があった――。

【審査員】※左より
すず木(ブックライブ)
三宅理恵(TSUTAYA 馬事公苑店コミック担当)
荻野晶(honto電子書籍ストア コミックジャンル・ティーンズラブジャンル担当)
小磯洋(丸善ジュンク堂書店営業本部 コミック仕入統括担当)
司会/アニメージュプラス編集長 治郎丸慎也


――今回第2回となるマガデミー賞ですが、そもそもどういう経緯で開催されることになったのでしょうか。

すず木 2年前にブックライブが10周年を迎えた際に、これまで出版・マンガ業界を盛り上げてくれたキャラクターたちに手紙の形で感謝を伝えるメッセージ広告を掲出する企画を行ったんですが、とても大きな反響を戴きました。マンガのキャラクターがこれだけ私達の心に寄り添ってくれている存在であることを改めて実感したことから、定常的にそのような機会を設けることで業界全体を盛り上げていこう、ということから設置されました。

――では、第2回の結果をご覧になられての審査員の皆さんの感想をうかがえますか。

すず木 今回の結果は前回とは毛色が違って、“今” という時代を色濃く反映しているようなキャラクターが多く受賞しました。

――具体的にどういう部分が?

すず木 前回だと(助演男優賞の) 『東京卍リベンジャーズ』のマイキーしかり、圧倒的カリスマ性を持ったキャラクターが支持されましたが、今回はカリスマ性やリーダーシップで周りを引っ張っていくというよりも「自分は自分」という生き方を通して周りに影響を与えるキャラクターが多い印象を受けました。

三宅 そうですね、読み進めていく中で「自分もこんな風に上を目指して生きてみたい」と思わせてくれるような。

荻野 独りで頑張っていたり、周りを巻き込んで盛り上げていくキャラに注目が集まっているのは、どこか活気のない今の時代だからこそかもしれません。

小磯 特に主演賞の二人は、日本を飛び出して世界での活躍を目指していますよね。大谷翔平やダルビッシュ有みたいな「世界で活躍する日本人」として、読者に夢と元気を与えてくれたと思います。

――審査はどのような形で進められたのでしょうか。

すず木 順番に1部門ごと議論して決めていって、全体で1時間半くらいかかりました。

三宅 審査会の前に個人の評価リストを提出して、審査会ではそれをまとめたものを皆で見ながら議論して。

――実際に選考に取り組んでみての感想は。

すず木 悩みましたね。一人だけ選ぶのって結構しんどいです。

荻野 ブックライブさんからいただいた審査項目に沿って点数をつけていくんですが、「本当にこの点でいいんだろうか」ってすごく考えますよね。

すず木 候補者全員それぞれ違う良さがあって……評価が難しくて、悩む度に作品を読み返して。

荻野 確かにめちゃめちゃ読み返しました!

小磯 「作品が好き」と「キャラクターが好き」は別物なんですよね。そこは完全に切り分けて。

――作品とキャラクターでは、やはり扱いは変わってくるわけですね。

すず木 作品だといろんな要素で判断できるんですが、キャラクターに特化すると、作品内でどんな行動をしたのか、どんな影響を与えたのか、またどんな過去を背負っているのか、などといった深堀りと読解が必要になってくるので。

小磯 あとキャラクターの登場回数も問題になって来まして。長期連載作品になってくると、たまに主人公でも1年間くらい出てこないこともあるんですよね(笑)。

――では、ここから「マガデミー賞2022」の受賞結果を見ていきましょう。

アニメージュプラス編集部