やはり本作最大の売りは、お馴染みのメンバーの初対面。ルパンvs次元、ルパンvs五ェ門、次元vs五ェ門といったファンにとっての「夢の対決」シーンが見どころとなっている。
それぞれのキャラクターの特徴や魅力にあらためて気付かされるのも、“エピソード・ゼロ” ならではの醍醐味と言える。ガンマンとしての凄腕を遺憾なく発揮する次元、五ェ門の圧倒的な剣技と超人的な運動能力、飄々とそのいずれとも互角に渡り合うルパン――それぞれの実力と魅力に改めてスポットが当たっているのが、ファンにとって嬉しいポイントだ。そしてそのやり取りの中で、3人がお互いの生き様や実力を理解し合っていく様子がテンポ良く描写されていく。
もちろん、男たちを妖艶に翻弄し、気まぐれな態度の奥に独特の矜持を感じさせる不二子の魅力もたっぷり。
クソ真面目で頑固、時に鋭い観察眼や推理力を発揮するも、結局はルパンに出し抜かれるという、愛すべき銭形の姿にも注目したい。
実はTV第1シリーズで五ェ門との出会い、また現在配信中の新作『LUPIN ZERO』では中学生時代のルパンと次元の出会いが描かれているのだが、他作品の “ファーストコンタクト” と本作は矛盾しないのか? その疑問は、最後の最後に訪れる大どんでん返しによって解消されることになる。
意外な真相に驚き幻惑されて、改めて本作を振り返ってみた時、その魅力はさらに味わい深くなるはずだ。
原作:モンキー・パンチ (C)TMS・NTV