• 【ガンダム サンダーボルト】超絶作画に込められた戦場の残酷なリアル
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2023.02.24

【ガンダム サンダーボルト】超絶作画に込められた戦場の残酷なリアル

(C)創通・サンライズ


そういう状況において、『サンダーボルト』は手描きによるメカ作画の最高峰を目指した作品だと言えるだろう。本編に登場するモビルスーツはサブアームやサブレッグを備えるほか多数の武装を装備しており、その形状やディテールが複雑化している。さらに最前線での大規模戦闘ということもあり、登場するメカの物量も多い。本来であれば大幅なCG導入をした方が効率は良いはずである。
しかし本作は、あえて手描きにこだわることによってCG描写では表現しきれない熱っぽく生々しい戦闘映像を描き出すことに成功している。ビームの粒子感や高熱で溶解する装甲、あるいは噴射や爆発のエフェクトなど、各所でメカニック作画の素晴らしさを感じ取ることができる。

また没入感を高めるべく、FPS(First Person Shooting)=主観視点と、TPS(Third Person Shooting)=三人称視点を想起させる映像とコックピット内のモニター画面を織り交ぜて見せていくことによって戦闘のスピード感、どこから攻撃されるかわからない戦場の恐怖を煽る映像は、近年のビデオゲームで主流となった演出要素を絡めながらこれまでのガンダム作品にはない緊張感を生み出していく。ある意味過剰とも取れるメカ作画の描きこみの密度は、そんな過酷な戦場で戦うことに駆り立てられていくキャラクターの狂気のボルテージを支えるものとしても機能していると言えるだろう。

CGでのモビルスーツ表現の比重が増える中で、可能な限りのリソースを割き手描きメカニック表現の限界に挑んだともいえる『サンダーボルト』。第3話となる最終話「花」では、ダリルとイオの宿命の対決がついに決着。そして、疲弊し、追い詰められた二人が所属する部隊の運命も描かれていく。

ハードな描写とドラスティックなキャラクタードラマを楽しみながら、ぜひ冴え渡るメカニック描写の裏に潜むこだわりにも目を向けてみてはいかがだろうか

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(C)創通・サンライズ

アニメージュプラス編集部

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