• 【ガンダム サンダーボルト】超絶作画に込められた戦場の残酷なリアル
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2023.02.24

【ガンダム サンダーボルト】超絶作画に込められた戦場の残酷なリアル

(C)創通・サンライズ

2015年にOVAとして制作され、2016年には劇場公開された『機動戦士ガンダム サンダーボルト』が松尾衡監督の手により全3話のTVエディションに再構成、「GUNDAM NEXT FUTURE×日5」枠で2月12日より地上波放送中。
26日にはいよいよTVエディション最終話・第3話「花」が放送されるということで、クライマックス直前に改めて本作を楽しむための注目ポイントを提示していこう。

『サンダーボルト』は、太田垣康男が「ビッグコミックスペリオール」で連載中の同名コミックスを映像化した作品。モビルスーツのデザインや設定的な面で独自の要素が多く、これまでサンライズが制作してきた宇宙世紀を舞台としたガンダムシリーズのパラレルワールド的な存在だと言っていいだろう。
ジオン公国が地球連邦軍に仕掛けた独立戦争=一年戦争末期となる宇宙世紀0079。サイド4〈ムーア〉はジオン公国の攻撃によって壊滅、デブリ化したコロニーや艦船の残骸がぶつかり合い帯電した影響で常に稲妻が閃く「サンダーボルト宙域」と呼ばれるエリアは、地球連邦軍・ジオン公国軍双方にとって重要な補給路であるため、制宙権の奪い合いが展開していた。
ジオン公国軍の戦傷兵で構成された〈リビング・デッド師団〉が押さえるその宙域を、かつてサイド4に居住していた連邦軍軍人が中心となって構成された〈ムーア同胞団〉が奪還すべく侵攻。そこで宿命の出会いを果たしたリビング・デッド師団所属の義足のスナイパーであるダリル・ローレンツと、ムーア同胞団所属の凄腕パイロットであるイオ・フレミングの戦いを主軸に物語は進行していく。
▲ムーア同胞団のエースパイロットであるイオ・フレミング

サンダーボルト宙域という限定された戦場で展開する戦闘描写は、これまでのガンダム作品にはないハードさを纏っている。激戦地で無理な作戦を展開するがゆえ無惨に散って行く前線の兵士たち。それを後方から指揮、支援する仲間たちもギリギリに追い詰められ、精神・肉体が共に疲弊していく様子は、まるで戦場のドキュメントを観ているような悲壮感や痛々しさが伝わってきて、強いインパクトを残す。

ハードなMSバトルを支える主軸は、手描きの作画による圧倒的なメカニック描写だ。近年はアニメーション作画に高いクオリティが求められ、また登場するメカニックのディテールも細密となっている傾向から、メカ作画にCGを導入する流れが主流となりつつある。
だが、サンライズ(現・バンダイナムコフィルムワークス)作品の特徴として「手描きによるロボットアクション」を挙げるファンは多いだろう。サンライズは70年代から現在まで数多くのロボットアニメを制作、その結果多くの優秀なメカニック作画スタッフを産み出してきた。これまでのTVシリーズ、OVA、劇場版のガンダムシリーズが作られ続けてきたのも、そのスタッフ層の厚さがあってのことなのだ。
▲ダリル・ローレンツの専用機として投入されたサイコ・ザク

(C)創通・サンライズ

アニメージュプラス編集部

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