• 『SPY×FAMILY』『FILM RED』ほか2022年を盛り上げたアニメ×音楽の斬新なコラボ
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2022.12.30

『SPY×FAMILY』『FILM RED』ほか2022年を盛り上げたアニメ×音楽の斬新なコラボ

『ウタの歌 ONE PIECE FILM RED』初回限定盤ジャケット (C)2022尾田栄一郎/2022「ワンピース」製作委員会


◎アニメ全編を音楽の力で語る『犬王』『ONE PIECE FILM RED』◎

アニメとアニメソング、この二つが切っても切れない関係性にある今、作品全体を楽曲で埋め尽くすという試みも見ることができた。アニメ映画『犬王』、『ONE PIECE FILM RED』の2作はそのいい例だと言えるだろう。

古川日出男による『平家物語 犬王の巻』を原作に、室町時代に人々を魅了した能楽師・犬王の栄枯盛衰を描いた映画『犬王』。
その大部分は犬王が演じる能の演目で構成された。そこで奏でられるのは犬王演じるアヴちゃん(女王蜂)と犬王を支える琵琶法師・友魚演じる森山未來の歌声、そして大友良英が制作したロックを基盤にしたサウンド。映像と音楽の組み合せで描き出されたのは、ロックバンドによるライブステージそのものだった。本作で使用された楽曲は、いわゆる “アニメソング” とは少し異なるものだったようにも思う。しかし、それらの楽曲がアニメを大いに盛り立てたことは間違いないだろう。
▲『犬王』オリジナルサウンドトラックジャケット

『犬王』と同じように作品全体に音楽を使って語り、そこに使用された楽曲を “アニメソング” として前面に押し出した作品が『ONE PIECE FILM RED』だ。
映画オリジナルキャラクターであるウタを中心に描かれた本作。実に7曲もの劇中歌が制作され、ウタが開催したライブの楽曲として劇中では披露された。アニメーションで描くライブ演出とウタの歌唱担当・Adoの歌声に圧倒された人も多いだろう。
加えて本作は『2022FNS歌謡祭』とのコラボも実施。そこにはウタも出演し、スペシャルメドレーを披露した。アニメのキャラクターが一人のアーティストとして歌番組に出演する、そこには新しいアニメソングの “見せ方” があったように思う。
▲Ado/『ウタの歌 ONE PIECE FILM RED』通常盤ジャケット

今や切っても切り離せないものとなったアニメとアニメソングの関係。今年見ることができた新しいアプローチには目を見張るものがあった。来年はどんなアプローチが私たちを楽しませてくれるのだろうか? 期待に胸が膨らむ。

(C)2021 “INU-OH” Film Partners (C)尾田栄一郎/2022「ワンピース」製作委員会

アニメージュプラス編集部

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