• 『天気の子』リアルとファンタジーが同居する新海誠の「おとぎ話」
  • 『天気の子』リアルとファンタジーが同居する新海誠の「おとぎ話」
2022.11.05

『天気の子』リアルとファンタジーが同居する新海誠の「おとぎ話」

(C)2019「天気の子」製作委員会

新海誠監督の最新作『すずめの戸締まり』の11月11日(金)公開を記念し、11月6日(日)21時よりテレビ朝日系列地上波にて、2019年公開の新海監督作品『天気の子』が放送される。

高校1年の夏に、離島から家出して東京にやってきた帆高。
生活に困窮し、やっとみつけた仕事は怪しげなオカルト雑誌のライター業だった。
連日、降り続ける雨の中、雑踏ひしめく街で帆高は陽菜という名の少女に出会う。
複雑な事情を抱えつつ、弟とふたりで逞しく暮らす彼女は、ある “不思議な力” を持っていた……。

【関連画像】震える美しさと感動にあふれる『天気の子』名場面を見る(写真20点)

大ヒットを記録した『君の名は。』に続く本作は、新海誠監督の存在感をより確かなものにするとともに、その評価を決定的にした作品でもある。
『ほしのこえ』、『雲の向こう、約束の場所』という初期の2作品では、SF要素を色濃く取り入れつつ思春期の情感を描いた新海監督。その後の『秒速5センチメートル』や『言の葉の庭』ではSFファンタジー的要素をほぼ排し、よりリアルでエモーショナルなドラマを描く方向に舵を切った(両作のあいだに『星を追う子ども』という完全なファンタジー作品を手掛けていることも重要だ)。
そして大ブレイクのきっかけとなった『君の名は。』では、SF/ファンタジー要素をリアルな日常の中へ有機的に織り込むことで、独自の作品世界を構築することに成功したと言えるだろう。

持ち前の緻密な情景描写で世界の実在感を前面に出しながら、ファンタジー要素でストーリーを牽引し、最終的には人と人とのつながりの物語を情感たっぷりに描き出す『君の名は。』のスタイルは、初めて新海誠を知った人には鮮烈な斬新さを、デビュー期からの新海誠を知る人にはひとつの集大成をそれぞれに感じさせた。
『天気の子』は、そうした『君の名は。』で提示したスタイルをさらに発展させた意欲作だ。

(C)2019「天気の子」製作委員会

アニメージュプラス編集部

RECOMMENDEDおすすめの記事

RELATED関連する記事

RANKING

人気記事