『ガチャタマ』はお土産物ではない、「これこれ！」郷土愛の象徴！

◆与野はすっこんでろ！◆

中島　浦和がウケたら、浦和と大宮に挟まれた現在は中央区にある与野という地域から、「与野はやらないのか？」「与野をやってくれ」とTwitterの反応があって、与野の中央区長からも連絡が来ました。与野は『さいたまスーパーアリーナ』はありますが、地域の広さもあまり大きくなくてネタ的に厳しいという話はしていました。映画の『翔んで埼玉』で「与野はすっこんでろ！」というセリフがあって、与野の方には怒られるかもしれないけど、これが出来たら面白いよね、という話になって。中央区長も笑ってくれたので。じゃあ与野でやってみましょうということで進めました。
▲与野ガチャタマ第1弾

――大宮だけでなく、その周辺も理解があったんですね。

中島　与野の次に川越を出しました。これは地元の丸広百貨店から「川越を遊んでみませんか」とお話をいただきました。川越は伝統がある街なので、あまり遊びすぎるのはどうかと思ったのですが、丸広さんともすごくノリが合ったんです。昔存在した『ホームラン劇場』という映画館と、丸広百貨店の看板が大ウケでした。
▲川越ガチャタマ第1弾　（C）川越ガチャタマ製作委員会

――一般の人が持っている川越のイメージ、時の鐘とか、小江戸の町並みとかはないですね。

中島　これまでの地域の中で川越だけが観光地。お土産用にもたくさんのグッズがあります。でもこのプロジェクトはそうじゃない。観光客を相手にするのではなくて、元々そこに住んでいる人たちに向けています。そういう人たちが「懐かしいよね」って話してくれるのが一番です。

荒地　お土産ものにはしないように、というのは重要なポイントです。

――土産物にしないのは、商売としては怖くないですか。

中島　荒地さんに「ジェットワークスは小ロットでの生産が可能です」と言っていただきました。ジェットワークスさんがいなかったらできないですね。

荒地　ロット数が少ないのは大きな問題ではないです。ただやっぱり実際にやってみると、デザインを何回も直したり、描き起こしするケースもあるので、コスト的にはいろいろ厳しいこともありますね。
通常のグッズ製作では、デザインが決まってサンプルがOKになれば量産に入るのですが、このプロジェクトの監修先の方は、監修ということにも慣れていないのです。サンプルを見るたびに違うコメントが出てきて、何度もやり直しで発売直前までやっていたこともありました。

中島　大宮ガチャの第3弾に入っている『NACK5スタジアム』というサッカースタジアムは、壁の高さや角度とか、かなり細かく何度も直していましたね。

荒地　そうですね。収容人数が何人で、こういうスタジアムでこういう特徴があるから、こういう風に見せてくれないとダメってかなり細かかったですね。

中島　でも言ってもらってよかったです。サポーターの方々がすごく細かいところを見てくれて「ものすごくよく再現されている！」とTwitterでの反応がありました。そこの努力を見てくれて、気づいてくれる方がいると、やってよかったって思います。