声優として特撮に関わる楽しさと怖さ 『ウルトラマンデッカー』ハネジロー役・土田大インタビュー

◆ハネジローの名に恥じないように◆

――カナタ役の松本大輝さんの印象はいかがですか？

土田　カナタくんはとてもフレッシュで爽やかな人でした。僕の収録初日の時に早めに来て、挨拶してくれたんです。ぐいぐい来るお芝居をしてくるから、演技の熱量を合わせるために、撮影現場にお邪魔して生で彼のお芝居を見てみたかったですね。あとカナタくんと二人でやっている「カナタのウルトラディメンションナビ」が好きで。最後にハネジローが辛辣な言葉を放って終わる構成が素晴らしくて、ものすごく楽しい。現場では「おまけ」と言われているんですが、僕としては最後まで気が抜けないから、全然おまけじゃないです（笑）。

――ほかのキャストの方とは、お会いになる機会はあったのでしょうか？

土田　皆さんともアフレコ現場で挨拶したりお話したりしています。イチカちゃん（村山優香さん）、アサカゲ博士（小柳友さん）とは一度会って、リュウモンくん（大地伸永さん）と会うのは今日の収録が二回目でしたね。「ウルトラヒーローズEXPO 2022 サマーフェスティバル」（以下、ウルサマ）の話題で盛り上がって、監督も交えて10分以上話し込んでいました（笑）。

――「ウルサマ」でもハネジローは大活躍でしたね。

土田　リュウモンくんも「ハネジローでメチャクチャ会場盛り上がっていますよ」と話してくれました。本編の10倍くらいセリフがあってビックリしましたね（笑）。本来だったら司会のお姉さんが出てくるところを、ハネジローが担っていて。本編がどこまで進んでいるか見えていない状態だったので、どうなるかちょっと心配していたのですが、結果的には良かったのかなと。

――私も会場に行きましたが、喋ると子どもたちが喜んでいた姿が印象的でした。

土田　こんな皆さんにあたたかく迎えていただけるとは思いませんでした。『デッカー』出演にあたって『ダイナ』のハネジローのことを調べて、ファンの方々に愛された怪獣だったと知ったんです。HANE2という本名があるものの、名前をいただいている以上は、『ダイナ』のハネジローを知る方に失望されたくなかった。そこは演じるうえで大切にしています。

――ウルトラマンシリーズの魅力はどこにあると思われますか？

土田　ウルトラマンが登場しない『ウルトラQ』からシリーズが始まったことを考えると、怪獣ありきの作品という認識が僕の中にあって。毎回登場する怪獣たちの個性の豊かさ、時々ウルトラマンを追い詰める怪獣が出てくるパワーバランスも含めて、怪獣こそがシリーズ最大の醍醐味ではないかと。デザインや造形も魅力的で、ブルトンなんてどうやって考えついたのだろうと思いますよ。

――最後に『デッカー』やハネジローを応援しているファンに向けてメッセージを。

土田　皆さんが、ウルトラマンから元気や勇気をたくさんもらって頑張っているんだなということが伝わってきます。僕もそういう時期があったから共感できますし、出演者としてこの作品に関われていることにまさる幸せはありません。僕は『デッカー』の魅力は、登場人物それぞれに抱えているものはありつつも、元気で明るい作品になっていることだと思うんです。最後まで皆さんの週末の始まりを飾る、楽しい作品になるよう頑張っていきます！

（C）円谷プロ　（C）ウルトラマンデッカー製作委員会・テレビ東京

＜Profile＞
つちだ・ひろし
２月８日生まれ。東京都出身。81プロデュース所属。『忍者戦隊カクレンジャー』でサイゾウ／ニンジャブルーを演じたことでも知られる。『機動戦士ガンダム 水星の魔女 PROLOGUE』（ナディム・サマヤ）など多数出演。