• 声優として特撮に関わる楽しさと怖さ 『ウルトラマンデッカー』ハネジロー役・土田大インタビュー
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2022.10.08

声優として特撮に関わる楽しさと怖さ 『ウルトラマンデッカー』ハネジロー役・土田大インタビュー

(C)円谷プロ (C)ウルトラマンデッカー製作委員会・テレビ東京


◆生身の芝居とのバランス◆

――公式HPでウルトラマンかるたのお話をされていましたが、ウルトラマンシリーズの作品や玩具で思い出深いものは?

土田 『ザ☆ウルトラマン』『80』の直撃世代ですが、『ウルトラQ』~『レオ』も再放送されていて、よく観ていた記憶があります。玩具だとゴムと針金でできた可動フィギュアっぽいものやソフビなど、いろいろ遊んでいました。一番記憶に残っているのが、「ワールドスタンプブック 怪獣の世界」という本です。集めたカードを冊子に貼り付け、コレクションするアイテムで、友達と交換したりしてコンプリートした思い出があります。それから、僕は特撮作品全般の曲が好きで。ウルトラマンシリーズだとレオの挿入歌の「星空のバラード」が、子どものころから大好きなんです。純和風なバラード曲で、今聴いても全く色褪せていないなと。

――濃厚なウルトラマンシリーズ原体験があったわけですね。

土田 大人になってからも「ウルトラ怪獣名鑑」という食玩を集めていて、今も家に飾っています。台座に書かれたサブタイトルロゴと、そのエピソードの印象的なシーンを立体化しているのがとても刺さりましたね。

――昭和の作品から『デッカー』に触れて、驚いたことも多かったのでは?

土田 そうですね。今話していて思い出したのですが、うちの息子が小さいころに『大怪獣バトル』にハマったんです。その時、ゴモラが仲間の怪獣になっていたことに驚きました。「昔、大阪城壊していたよなお前」って(笑)。『デッカー』を観て特に驚いたのが、メカの描写ですね。GUTS-SELECTの皆さんが持っている武器がリアル寄りになり、CGの進化でメカの表現がぐっと広がっていた。ウルトラマンシリーズのメカは活躍する回もあるけど、基本はウルトラマンが出てくるまでのつなぎというイメージが今まであったんです。でも、『デッカー』だと大活躍していて。GUTSグリフォンが出てきた回は「こんなに目立っていいの?」と思ってしまいました(笑)。本当にメカが魅力的になっていて衝撃を受けました。

――ハネジローはGUTSホークやテラフェイザーなど、数々のメカを操縦する活躍を見せています。

土田 まさかこんなにガッツリ戦闘に参加するとは思いませんでしたね。テンションもどんどん上がっていって。特にカナタの気合に触発された第12話からは、格段に変わっていきました。こんなに叫ぶことは滅多にないというくらいガンガン声を出していて、あの話は熱かったですね。どんな仕上がりになっているのかちょっと怖いですが。

――怖い、ですか。

土田 はい。僕は特撮にアフレコで参加する時、生身の演者さんの芝居と声の芝居の間に、熱量のギャップが生まれてしまうことは避けたいと思っているんです。僕の芝居だけがリアリティを欠いていて、GUTS-SELECTのみんなが作った場の空気を壊すようなことは、絶対にしたくない。第12話はまだ完成した映像を観ていないので、僕の芝居が浮いてしまっていないか、観るのが楽しみでもあり、怖くもあります。僕が初期のウルトラマンシリーズの再放送を観て育ったように、放送が始まってから、とても多くの方にリアルタイムでたのしんでいただいていることに驚きつつ、たとえば何世代後かに『デッカー』を観て話をしている人たちの姿が浮かんできて、とんでもないものに関わってしまったという実感が湧きました。

(C)円谷プロ (C)ウルトラマンデッカー製作委員会・テレビ東京

アニメージュプラス編集部

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