• 佐倉綾音が胸躍る挑戦と「未完成」のロマンを楽しんだ『クラメルカガリ』の世界
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2024.04.19

佐倉綾音が胸躍る挑戦と「未完成」のロマンを楽しんだ『クラメルカガリ』の世界

(C)塚原重義/クラガリ映畫教會


◆新しい引き出しを開けた役作り◆

――実は塚原監督にお話をうかがったところ、佐倉さんのキャスティングについてはオーディションテープの「演じている声」もさることながら、自己紹介の雰囲気が良かった、と。

佐倉 オーディションあるあるですね(笑)。私に限らずいろいろな声優さんが作品のオーデョションで、スタッフさんから「自己紹介が良かった」みたいなことを言われると聞きます。

――でも、そのくらいご自身の“素”に近いトーンだったわけですね。

佐倉 そうですね。普段は画面やキャラクターデザインに合った声色や声質、お芝居の感覚を考えながら組み立てますが、アニメーションは色の鮮やかさやキャラクターデザインの派手さなどもあり、ある程度は誇張して演じたほうがハマるパターンが多いんです。
勿論それはそれで魅力的な作品を作る上で大事なことですが、どうしても自分の素の喋りに近いトーンを発揮する機会は少なくて。「でも、もしかしたらこの『クラメルカガリ』だったらできるのかも?」という思いで、緩いトーンで演じたオーディションテープを提出させていただきました。

――佐倉さんご自身にとっても、今まで開けていなかった引き出しを開けたような感覚が?

佐倉 そうですね、いつかこんなトーンも使えたらいいなと思っていました……が、いざ役が決まって本番のアフレコの時になったら、私が肩の力を抜けないという緊急事態が起きて、テンパってしまいました(笑)。
テープの時は背中を丸めて座って録っていたのに、いつもの仕事をするスタジオで、スタンドマイクの前に姿勢良く立って演じたら、最初のテストでスタッフさんから「もっとダルい感じでお願いします」と調整が入って。確かにテープではもっと背中を丸めていたし、もっと発声も緩かったかも、と。実は、オーディションテープは家のクローゼットに籠もって録ったので、スタジオにいながらクローゼット内の景色を思い出したりしました(笑)。

でも、結果的にはとても楽しかったです。自分でも驚くくらい無理のないところでお芝居ができて、現実との境目がわからなくなるような感覚すら覚えました。カガリというキャラクターを通して私自身、面白い挑戦をさせていただいたなと思います。
▲カガリ

※塚原監督の「塚」は正しくは旧字体です

アニメージュプラス編集部

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