【青の祓魔師】福山潤が振り返る「島根啓明結社篇」の現場とドラマ！

今年10月に続編『雪ノ果篇』の放送が決定した『青の祓魔師』。本作のキーパーソンである奥村雪男役の福山 潤に、今期で初登場したイルミナティの総帥・ルシフェルの印象や次のシリーズに向けての意気込みを語っていただいた。

――『島根啓明結社篇』を完走した、今のお気持ちをお聞かせください。

福山　今はとにかく『島根啓明結社篇』を映像化できたことが、なにより嬉しいです。７年という期間が空いてなお、新シリーズを迎えられるというのはなかなかありません。制作サイドはもちろんのこと、原作サイドやファンの皆さんも含め、全員がずっと高い熱量を持ち続けていたからこそ、実現できたと思っています。

――久しぶりに雪男を演じるにあたり、苦戦されたことは？

福山　苦戦とまではいきませんが……長い期間が空くと、普通はその役のチューニングをすることになります。雪男の声質そのものの調整はなくとも、進みすぎた時間を巻き戻す作業が必要でした。さらに僕とノブ(奥村燐役の岡本信彦)は、毎年ジャンプフェスタに出演させていただいていて、そこではアニメよりも先のシーンを演じています。雪男と燐の関係性もかなり進んでいるので、『島根啓明結社篇』の収録時は、その時間を巻き戻さないといけなくて。そこには少し時間がかかった気がします。

――『島根啓明結社篇』を経て、奥村兄弟に変化はありましたか？

福山　二人の関係性に、何か変わったことはありません。奥村兄弟は、まだまだ凪いでいる状態だと思っているので。雪男もそこまで追い詰められていないし、燐はまだ事の重大さが分かっていないので。僕の感覚だと『京都不浄王篇』が、一番雪男に共感できる時期だったように思います。特に第11話で雪男が燐を殴り「ふざけるな!!　自分の状況が判ってるのか!?」と激昂するシーン。僕個人の心情としても「いい加減吐き出したい」と思っていたので、かなりシンクロしていたと思います。しかし、今はそこからかなり時間が経ち、自分の解釈や感情を最優先にすることがなくなりました。その意味では、当時のような共感の仕方はもうできないのかな。ただ僕は、それでいいと思っています。過去に感じた共感をベースにしながら、勢いや感情だけではない、より周りのバランスにマッチしたお芝居ができると思っているので。

――そんなアフレコ現場の雰囲気はいかがでしたか？

福山　みんな等しく『京都不浄王篇』から7年間の経験を積んでいるはずなんですが、「よくぞこの7年の時間を削ぎ落としましたね」と思うことが多くありました。特に今回のキーマンになる神木出雲役の喜多村(英梨)さんと志摩廉造役の遊佐(浩二)さんは、寸分違わずにあの頃の神木と志摩の芝居を出してくれて、僕自身すごく助けられました。喜多村さんと遊佐さんの声を聞くことで、僕自身のチューニングをさせてもらいました（笑）。