• 【SHAMAN KING FLOWERS】上坂すみれが日笠陽子の気遣いに感激したアフレコ秘話
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2024.01.16

【SHAMAN KING FLOWERS】上坂すみれが日笠陽子の気遣いに感激したアフレコ秘話

(右から)麻倉 花役を演じる日笠陽子さん、アルミ・ニウムバーチ役の上坂すみれさん 撮影/大山雅夫

武井宏之の大人気コミックを原作にしたアニメ『SHAMAN KING』の続編となる、次世代シャーマンたちの戦いを描く新作シリーズ『SHAMAN KING FLOWERS』が2024年1月9日から放送がスタートした。
前作の麻倉 葉に続いて葉を父に持つ主人公・麻倉 花役を演じる日笠陽子さん、そして花の許嫁であるアルミ・ニウムバーチ役の上坂すみれさんに、キャラクターや作品の魅力について語ってもらった。

──今回の続編制作の情報を聞いたのはいつ頃だったでしょうか。

日笠 花を演じる事が分かったのが、確か(前作)最終話の収録3日前くらいだったと思います。私は最終話で花が出ることを知っていたので「きっとどこかで花のオーディションをやっていたんだろうな」と思い込んでいたら、「花はそのまま日笠さんの予定です」と突然言われまして。「私がやるんだ?」ってすごく驚きました。

上坂 私は2022年にオーディション資料が来て、続編があることを知りました。アルミは掴みどころがない子で、オーディションですごく悩んで演じた記憶があります。

──原作や脚本を読まれた時には、どんな感想を抱かれましたか。

日笠 『FLOWERS』の原作を読んだ時、武井先生が伝えようとしていることや描きたいことがミルフィーユ状に何層も重なっているので、正直よく理解できなかったんです。
なのでアフレコが始まっても、先生が伝えたい意図を掴めずモヤモヤしていたんですが、最終回の収録で声をあてた瞬間に「あ、こういうことだったんだ!」と理解することができたんです。それは今まで感じたことのない、不思議な体験でした。

上坂 リアルタイムに読んでいて、お小遣いで初めて単行本を集めたマンガが『SHAMAN KING』でした。勢いがある絵やストーリーだけじゃなく小ネタやパロディも多くて、子供に向けて描いていない感じがすごくカッコよかった印象があります。
『FLOWERS』も、武井先生のユーモアと計り知れない突拍子もない超展開みたいなのが合わさっていて、『SHAMAN KING』と初めて出会った時と同じ感覚を味わえてワクワクする作品でした。

──では、お二人それぞれが演じているキャラの印象は?

日笠 花ってすごくアホなところや鬱屈している感じがピックアップされがちなんですけれど、葉とアンナが幼い頃に感じていた孤独みたいなものを同じように抱えている子だと思うんです。
自分を温かく支えてくれる両親もおらず、特殊な能力を持っていることにずっと悩まされ続けていて、いつしかいろんなことを諦めて人と距離をとることが当たり前になってしまった感じがして……そんな表面的には見えない部分にこそ彼の本質があるのかな、と思っています。

上坂 アルミは初代イタコのアンナの一番弟子で、作中では最強の立ち位置にいるキャラですね。ものすごく強いのに、その力を花の暴走を止めるためだけにしか使わないっていうところが面白いですよね。
新たなシャーマンの戦い「フラワーオブメイズ」でも、自分では戦わず総監督といったポジションに就いていますし、超越的なキャラというイメージがあります。

──アフレコの際には、どのようなことに気を付けながら演じられましたか。

日笠 第1廻収録の時に「葉と同じ(演技)だよね」と思われたくなくて、自分なりにしっかり作り込んで演じてみたんですが、音響監督さんから「それっぽくやってるだけ」という絶対に聞きたくなかった言葉を言われてしまいました(笑)。「葉と変えたい日笠の気持ちが前に出過ぎていて『変えよう』という芝居しかしていない。それはもう花じゃないから」と言われた時はすごいショックを受けました。
その後諦めずに音響監督さんとテストを延々と繰り返して、収録時間終了ギリギリまでキャラ作りをさせていただいたんですが、その時に心から沸き上がった「ぎゃふんと言わせてやるぜ!」みたいな私の反骨心が花の感情とリンクしていたようで、そこからはしっかり演じていけるようになっていきました。

──ということは、葉と花が会話をするシーンなどは大変だったのではないでしょうか。

日笠 葉が出てくる場面は「うわ、親父出てきた。最悪!」って思っちゃいましたね。やっと掴んだ花を手放すのが怖くて、収録はなかなか上手くいかなかったんです。そしたら音響監督さんが「アンナと一緒に録ろう」と提案してくださって、そのおかげでようやく葉になれた感覚を持てるようになりました。
一緒に録ったアンナ役の林原(めぐみ)さんからは「千回練習してきなさい!」と愛のあるお叱りをうけまして、思わずアンナに対する花のように「かーちゃん!」みたいな気持ちになってしまいました(笑)。ここでアンナと一緒に収録できたことは花や葉にとって、そして私にとっても『FLOWERS』で演じるにあたっての大きな転機になったと思います。

(C)武井宏之・講談社/SHAMAN KING FLOWERS Project.

アニメージュプラス編集部

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