■「それぞれの青」は僕の青春の音楽
――カップリングにはミディアムバラードの「チープナイト」、メロコアの「それぞれの青」を収録しています。
KANDAI:「チープナイト」は電子音と生ドラムの対比みたいなことがテーマで、そこに最近の個人的なはやりの音を入れました。個人的にこういう曲は好きなので、レコーディングも楽しかったです。
Kazu(Ba):曲の1番は丸々ベースを弾いていなくて、歌とビートだけがメインという思い切ったアレンジをしています。
ソラ(Gt):ギターアレンジは自信作です。アルバムの時は、空間をどう配置するか意識して、昔ほどメロディを弾いていなかったのですが、この曲はいい裏メロが弾けたなって思っています。「花束」でハマっちゃって、この曲でもさっき話したChorusを使っています。
――「それぞれの青」はメロコアで、ライブで盛り上がりそうです。
Kazu:バンド史上最高速のBPM220の曲です。
片桐:こういうストレートな曲は初めての挑戦でした。高校生の時はメロコアしか聴いていない時期があったほどで、まさしく僕の青春です。Hi-STANDARDも聴いたし、横山健さんのソロとか、dustboxというバンドとか。当時のことを思い出したりしながら作ったんですけど、作りがシンプルなので、ライブでどう魅せるかが楽しみです。
ソラ:僕は逆にメロコアを全く聴いてこなかったので、この曲のためにすごく研究しました。そこで分かったのは、メロコアってテクニックではなくマインドの音楽だということ。メロコアに詳しい友だちからHi-STANDARDのライブ映像を借りて、横山健さんが使っているアンプやエフェクターをチェックして、それを丸ごとレンタルして。そういうところから入りました。
――ソラさんは、かたちから入るみたいなことが多いんですか?
ソラ:メロコアは自分の引き出しに無いものだから、無理矢理にでも世界観に入るために、そういうやり方をしました。でもこの曲をやったことで、メロコアという新しい引き出しが自分の中にできたので、武器がまた1つ増えたみたいな感覚でうれしいです。
KANDAI:僕はメロコア育ちと言ってもいいくらいメロコアが大好きで、1番影響を受けたのはFOUR GET ME A NOTSです。地元にライブしに来た時に観て、メンバーと同じメーカーのドラムを揃えたほどでした。あとはlocofrankとかHAWAIAN6とか。自分でメロコアバンドをやった経験はありませんけど、演奏、マインド、ライブパフォーマンス、メロコアから全て影響を受けているので、スッと曲に入ることができました。
■今のレニーが好きだと思ってもらえたらそれがベスト
――現在2nd Album Release Tour 『ハッピーエンドを贈りたい』を開催中で、ぜひそこでも聴いてほしい3曲ですね。ツアーは対バン形式とワンマンがあって、対バン形式はいかがでしたか?
片桐:先輩とやっても後輩とやっても、勉強になることばかりです。先輩は演奏が上手いのは当たり前だけど、ライブを独りよがりではなくちゃんと楽しませられる技術もあって、それは先輩になればなるほどやっぱりすごいです。後輩だと、音のアイデアとか言葉の選び方とか、自分にはなかった新しいものをたくさん持っていて、「ハッ」とさせられることも多いです。
――アニメに例えるなら、上司と部下に挟まれて、中間管理職みたいな感じですね。そして来年2月11日にはツアーのファイナル公演を、東京・渋谷WWWXで開催します。
ソラ:どうみんなの気持ちを高めていくか、ライブ作りはSNSから始まっているなって思います。
KANDAI:あまり気負わずやれたらいいですね。シンプルに楽しみたいなと。
Kazu:『花束』の収録曲はまだライブでやっていないので、ワンマンでやっと演奏できるので楽しみです。
片桐:ライブは日々進化しながら、凝り固まってしまっていた部分を精査して改め、いいところだけでライブを作れたらいいですね。新しい俺たちを観に来てもらって、今のレニーが好きだと思ってもらえたら、それがベストかな。