• 『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』の起点「砕かれた世界」にこぼれた少年少女の希望
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2023.10.11

『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』の起点「砕かれた世界」にこぼれた少年少女の希望

シン・アスカほか新たな登場人物たちを迎えて紡がれる『SEED DESTINY』の世界 (C)創通・サンライズ

ファン待望の「ガンダムSEEDシリーズ」最新作『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』が2024年1月26日に全国の劇場で公開される。それに先駆け、『機動戦士ガンダムSEED』(HDリマスター)を3部作に、『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』(HDリマスター)を4部作に再編集したスペシャルエディションが劇場上映中だ。

スペシャルエディション全7作と共に「ガンダムSEEDシリーズ」の魅力を振り返るアニメージュプラスコラム連載第4回目となる今回は、現在公開中の『機動戦士ガンダムSEED DESTINY スペシャルエディション 砕かれた世界 HDリマスター』と共に、『SEED』の正当な続編となる『SEED DESTINY』の始まりとその魅力に触れていきたい。

地球連合軍とザフトの停戦から2年後――コズミック・イラ73 10月。オーブの代表となったカガリ・ユラ・アスハは、アレックス・ディノという偽名を用いたアスランを伴い、新たなプラント最高評議会議長であるギルバート・デュランダルとの極秘会談を行うため新造コロニー・アーモリーワンを訪問する。
その会談の最中、地球連合軍の特殊部隊「ファントム・ペイン」がアーモリーワンに潜入、ザフトが開発したガイアガンダム、アビスガンダム、カオスガンダムの3機を強奪。

アスランはザクウォーリアに乗り込んで応戦するも、機体の性能差と数で圧倒されてしまう。そこにもう1機の新鋭機・インパルスガンダムが現れた――!

『SEED DESTINY』のテレビ放送が始まったのは、2004年10月。前作『SEED』の放送終了からわずか1年のブランクを開けて、続編がスタートしたことになる。
主にザフト側の目線から描かれていくストーリー、ザフトが開発した3体のガンダムを地球連合軍が奪取する展開、かつてガンダムを奪取したアスランがそれを阻止する側に回るなど、様々な点において『SEED』に対するカウンター的な視線を感じることができる1作となっている。

また『SEED』で意識的に取り入れられたシリーズの原点『機動戦士ガンダム』へのリスペクトは、『SEED DESTINY』に登場するモビルスーツの名称にも受け継がれている。ザフト側の主力の量産型モビルスーツであるザクウォーリアをはじめ、グフイグナイテッド、ドムトルーパーなど『ガンダム』に登場したジオン公国軍のモビルスーツの名を冠した機体が登場し、その活躍ぶりも旧来のガンダムファンをニヤリとさせる要素が加えられている。

すべての始まりとなる第1部『砕かれた世界』では、アスランと本作の主人公であるインパルスガンダムのパイロット=シン・アスカとの関係にまず目を惹かれるだろう。
先の戦争で地球連合軍が行ったオーブ侵攻作戦――フリーダムガンダムとカラミティガンダムの激戦に巻き込まれて両親と妹を失ったことをきっかけにして、ザフトに入隊したシン。ザフトのエリートパイロット(赤服)入りを果たし、盟友のルナマリア・ホークやレイ・ザ・バレルと共に軍務に就く彼は、「力を持たなければ、大事なものを守れない」という強い思いを抱いている。

力を振るう怖さを知ってしまったアスランは、そんなシンの姿勢に危うさを感じているが、若くまっすぐな思いを抱えるシンにその思いは伝わらず、しばしば対立することになる。お互いに「戦争をなくしたい」という思いは重なっているというのに……。

(C)創通・サンライズ

アニメージュプラス編集部

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