人気ゲームを原作にしたTVアニメ『ライザのアトリエ ~常闇の女王と秘密の隠れ家~』のエンディングテーマ「アロー」が好評の4人組バンドAwkmiu。話数が進めば進むほど歌詞の内容とライザたちの心情がマッチする同曲は、アニメに寄り添いながら、Awkmiuというバンドの持つスケール感や音楽的な奥行きも表現された。メンバーのシキ(Vocal & Guitar)、Aki(Keyboard)、カヤケンコウ(Bass)、関根米哉(Drums)に、「アロー」の制作秘話とそこに込められた伏線の数々について聞いた。(前編/全2回)
■「ゲームの世界観とめっちゃ一緒だ!」と思って感動しました
――TVアニメ『ライザのアトリエ ~常闇の女王と秘密の隠れ家~』エンディングテーマ「アロー」が好評です。タイアップが決まった時とか、アニメの放送を観て感じたことなど教えてください。
シキ(Vo, G):お話をいただいたのが去年のちょうど今頃で、タイアップ曲を作ること自体が初めてだったので手探り状態での制作でした。でも、きっと普段の自分からは出ないものが出るだろうと思ったので、制作自体はワクワクしてすごく楽しかったです。テレビで流れた時はシンプルにうれしかったですし、ちゃんと作品の支えになるような曲になれたんじゃないかと思って達成感がありました。
――第1話はメンバーで集まって観たんですか?
シキ:バラバラでしたけど、みんなでリアタイしながらメッセージアプリで盛り上りました。
Aki(Key):リアタイもしたし、後日配信でまた観たり、何度も観ちゃいました(笑)。でもやっぱりバンドを始めた時、アニメタイアップを手がけることは目標のひとつとして持っていたので、決まった時はシンプルにうれしかったです。自分たちがやって来たことは間違いじゃなかったんだと感じられて、すごく感動しました。
関根米哉(Dr):僕はみんなよりバンド人生が長いんですけど、高校生の時に深夜アニメを観るようになってから、アニメのテーマソングを担当することは憧れでした。サポートミュージシャンの仕事で携わったことがあったけど、自分たちの曲という意味では初めてなので、10年越しの夢が叶った形です。ただ実際に夢が叶ってみると、「ウォ〜!」って嬉しさを爆発させる感じではなく、もっとしみじみとした感じと言うか(笑)。もちろんうれしかったですけど、これを機にもっとバンドとして進化して行きたいなって思いましたね。
カヤケンコウ(B):僕はアニメのエンディングの話をいただいて原作のゲームをやったんですけど、面白くてハマってしまって、「これがアニメになったらどうなるんだろう」ってすごくワクワクしました。もちろん自分たちの曲がアニメのエンディングテーマとして流れたこともうれしかったけど、そもそもゲームの中のライザがアニメになって観られるのがうれしくて、ゲームで観ていた世界がアニメになっているところに感動しました。1話でライザの家が映った時も「いつも錬金しに戻っていた家だ!」って、ゲームの世界観と同じで感動しました。
――ゲームをプレイした経験から、アニメならではの表現だと思ったところはありましたか?
カヤケンコウ:ライザが錬金するとゲームでは泡が出るだけだったんですけど、アニメではライザが泡と戯れるみたいな演出になっていて、「こういう表現になるんだ!」と思って、めっちゃワクワクしました。